八月四日、炎天下の昼のど真ん中に全国保険医団体連合会が主催する第35回全国保険医写真展の作品解説・講評会へ出かけた。頭がクラクラする猛暑の中、ようやく会場の半蔵門にあるJCIIクラブ25に辿り着いたのだが、熱中症一歩手前かと思うほどしんどかった。
午後2時から始まった。僕が着いたときには誰も来ていなかったが、開始時間になると20人ばかりの人たちがこの猛暑のなか集ってきた。
今年で35回目となる写真展、僕は丹野章さん、齋藤康一さんのあと引き継いでもう10数年となる。医師であり、写真家協会会員であもあるS氏と保険医団体連合会の文化部の先生たちと審査をおこなっている。僕が審査委員長を務めているので、「審査委員長賞」も毎年一人に出している。
参加者からは活発な意見も出された。遠く徳島県から写真作品を持参して参加した人もいた。
会が終了後、残った入賞者、出品者、スタッフのひとたちと記念写真を撮る。
同会場の入るJCIIビル1Fには、JCII PHOTO SALONがある。僕の師匠であり、JPSの推薦保証人でもある田村茂先生の助手を務めていた渡部雄吉さんの写真展を開催していた。三木淳JPS会長時代、僕が理事をしていたときに芳賀日出夫さんとともに渡部さんは副会長をしていた。田村先生の弟子ということで、ずいぶんよくしてもらった。原宿の事務所(後にJPS副会長をした藤川清さんの事務所が隣だった)にも何度かお邪魔をしたことがあった。作品は1950年代後半の北海道シリーズだが、渡部さんらしく正統派のドキュメントで1点、1点に迫力があった。
写真集(図録3種類)を買い求めて、会場近くのいわゆる町中華で、参加してくれた「風」メンバーの美雨さんと出口君の3人でささやかな”暑気払い”をした。ここは僕がJPSの理事やJPU(協同組合 日本写真家ユニオン)の専務理事をしていた頃からか行っていた老舗の店だ。いまだに出前もしている古風であり、味旨し、値段安くともによろし・・・ 家路へ向かう電車はガラガラ、じっくりと寝ながら帰ったのである。