写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.502] 2012年10月20日 ”小泉八雲の世界”が残る島根県松江市、古事記1300年祭を迎えた出雲神話の里・出雲市などを巡る・・・・・・・。

10月15日から17日の3日間、僕が以前からライフワークの一つとしている「日本文学風土記」の取材のため、島根県松江市と出雲市、平田市などを訪ねた。この旅に同行してくれたのは、岡山県在住の写真家・高田昭雄夫妻とその友人のMさん。3人ともこの8月の中国西南地方の取材に日本の写真家代表団のメンバーとして参加した写真家である・・・・・・・・・。

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僕は、日本全国至る所を歩いてきたが、この松江だけはまだ来たことがなかった。初めての松江は旧松江城の掘割に囲まれたしっとりとしたいい街だった。空が広い街というのが第一印象だった。まず向かったのは文学者・小泉八雲が約5ヶ月間暮らした旧居。当時のままに現在も保存されている。この旧藩士の慎ましやかな家は、松江城の掘割を囲んだ武家屋敷の一角にあった。八雲がこよなく愛した枯山水の庭園もほぼ当時のままに保存されており、ギリシャで生まれ、アイルランドで育ち、フランスやイギリスで教育を受け、青年時代はアメリカに渡った八雲の心境がわかるような気がした。

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八雲が通勤のかたわらによく散歩した道を辿ってみた。松江城の掘割に写っていた光景。

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八雲が好きでよく寄ったという城山稲荷神社。八雲が散策していた頃には石の狐の像が4千体以上あったというがいまはだいぶ少なくなっている。八雲が気に入っていた高さ150センチほどの石狐はいまも現存している。また彼はこの神社の火災除けのお札に大変興味を持ち、イギリスの大英博物館やオックスフード大学などに送っている。お札を見たら狐の上の米俵の上に2匹の蛇が榊と鍵を咥えいる絵柄だったので、僕は巳年なのでこれは何かの縁と思い2札買い求めた。 戻ってから家の中にさっそく飾ってある・・・・・・・。

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松江城は別名・千鳥城ともいう。初代藩主は堀尾吉晴、その後、京極忠高、そして松平氏が10代、234年間この城の城主として君臨してきた。ちなみに全国に現存する12の城の天守閣のうち平面規模では2番目、高さでは3番目、古さでは4番目だという。現在国の重要文化財に指定されている。

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天守閣の強固な寄木柱。

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天守閣の望楼から宍道湖をはじめ松江の街が一望できる。

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ボランテアの人だろうか甲冑に身を固めて望楼に座っていた。本人は武士になりきっていて言葉使いなども「ごくろうにござる・・・・・・」などと話、観光客に受けていた・・・・・・・。

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学校帰りだろう、地元の高校生と記念写真。うれしそうな僕でした・・・・・・・。

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夕日に染まる宍道湖。遠く嫁ガ島を望む。 浜辺には夕日を見にきた恋人たちやカメラマンをはじめいっぱいだった・・・・・・・・・。

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夜は松江の街に繰り出して夕食を取った。旬の地元の魚が沢山出て美味しかった。店の前を子供たちが祭りの練習で大きな太鼓叩きながら練り歩いていた・・・・・・・。僕は数枚シャツターを切って、また酒を飲みに店に戻った・・・・・・・。

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翌、16日も快晴だった。まず、「出雲風土記」のなかにあさくみの渡しとして記載されている現在の矢田の渡しに行ってみた。運行は朝と夕だけなので残念ながら乗ることはできなかった。小人は無料、大人は40円といまどき考えられないような値段だったのがうれしかった・・・・・・・。

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続いてやはり「出雲風土記」にでてくる十六島。アイヌ語で「うるっぷ」だったか・・・・・・。メモが見当たらないので確かではない。とにかくこの山陰地方にもかってはアイヌ民族は住んでいたと言う証だろうか・・・・・・。冬場の3ヶ月間だけ採れる日本海の荒波に打たれる岩場に育つ海苔は美味で古事記の時代から珍重されていたようだ・・・・・・・。残念ながらこの十六島海苔は食べれなかったが、同じ日本海だが他の地域で採れた海苔は食べた。やはり美味であった・・・・・・・。

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縁結びの神として絶大な人気がある出雲大社。本殿は日本で最も古い神社建築様式の大社造りで国宝に指定されている。着物姿の女性たちも目立った。僕も良縁がありますようにとじっくりと参拝した。どうか大国主大神様・・・・・・・・・。

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参拝の後は、門前町で出雲蕎麦を。この日は割子3枚にあご焼きでビール。今回の旅の途中、3回出雲蕎麦を食べた。僕はこの蕎麦が好きだ・・・・・・・・。

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国譲り、国引きの神話で知られる稲佐の浜。また旧暦の10月、神在月のさい全国800万の神々を出雲に迎える浜でもある。野良猫が気持ちよさそうに日向ぼこしていた・・・・・・・。

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島根半島の最西端にある日御碕。大山壱岐国立公園の一部だ。またここには出雲大霊験所日御碕神社がる。ウミネコの繁殖地でもしられ国の天然記念物となっている経島がある。地元の民宿に泊まったが心ある持て成しを受けた・・・・・・・・。  合掌

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17日は帰京する途中、大阪で今年、大阪教育大学へ入学して芸術的な書道を学んでいる友人の娘さんのYちゃんに会った。子供のころからよく知っていたので大学の合格祝いも兼ねて食事をしたのだ。およそ1年ぶりの再会だったが、親元から自立して生活を始めたYちゃんは、随分としっかりした顔立ちになっていた。一度しかない青春時代を思いっきりエンジョイして欲しいと願がわずにはいられない・・・・・・・。  合掌

 

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