写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.612] 2013年8月23日 遅くなりましたが、この5月に実施した「探険家・矢島保冶郎の足跡を辿る 聖地・古都を巡礼する旅」を愛用のSIGMA-DP1で撮影した写真の一部を公開しま~す!☆!☆

今年の5月8日から16日まで上州の探検家・矢島保冶郎のチベットにおける足跡を辿る旅に出かけた。この旅の最大の目的は、矢島家とチベットの妻・テンパ・ノブラーの子孫であるテンパ家との100年ぶりの再会にあった。昨年約1ヶ月間、取材で訪れたときに、ノブラーの消息を捜し歩いたのだ。そして奇跡的にノブラーの子孫たちに出会え、ノブラーの実家も突き止められたのである。

それが下地となって今回の旅が実現した。矢島家からは保冶郎の長女である矢島仲子さんが参加。その他に地元伊勢崎市から2人、上毛新聞社から1人、東京から元編集者と通訳を兼ねたイ族出身の写真家・烏里烏沙君、京都から浄土宗の僧侶、岡山から2人の写真家に僕を合わせて10人がこの歴史的な旅に同行した。僕は旅の最中、20数年間、ヒマラヤ、アンデス、チベットと高地を歩いて来ているが、はじめて酷い高山病に見舞われた。だから取材も撮影も正直ままなららなかったのが本音である。

以下の写真は、僕がいつもバックに入れて持ち歩いている「シグマDP1」での撮影したものである。メインのカメラはニコンD800だったが、とにかく圧倒的に押したシャツターの数が少なかった。帰国してから3ヶ月が過ぎてしまったが、お約束通り、チベットの報告を写真を中心にしたいと思う。雑誌「REALITAS」(レアリタス・日立製作所刊)に2回連載したのみで、他には発表していない。その雑誌も9月中旬に発行予定だ。そういう意味では本邦初公開である・・・・・・・・・・。

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チベットの象徴であるポタラ宮。歴代ダライラマの宮殿だ。創建は7世紀頃から始まったといわれているが、本格的な建設が開始されたのは、ダライラマ5世がチベット全土の権力を握った1645年からである。
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ラサの街を睥睨するかのように聳え立つポタラ宮殿。高さ115m、東西360m、南北300m、総面積は41k平方メートルに及ぶ。標高3800mの地からわずか115m上がるのが実は大変なしんどさなのである・・・・・・・。
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矢島保冶郎と親しかった多田等観や河口慧海が修業をしていたセラ寺。ラサ郊外の山腹にある。問答修業を取材中の僕だが、体調が悪くしんどそうなのが写真からもわかる・・・・・・・・。
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ラサのホテル前の屋台で一緒に飲んだ漢族の女性たち。四川省から出稼ぎに来ているという。高山病のため僕はほとんど飲めなかった。残念~!☆ その分、烏里君たちはやたらめったら飲んでいたのだ~!!
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標高4749mのカンパ・ラ峠へ向かう途中の山々・・・・・・・。
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雪のカンパ・ラ峠からヤムドク湖を望む。観光客用のヤクが3頭いた・・・・・・・。

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土産を売っていたおばさんと記念写真を撮った。僕はボーとしていてラサのホテルに登山靴を忘れてきてしまい、ゴムぞうりをはいていた・・・・・・・。だから雪の中はもちろんあまり歩けないので撮影の範囲もおのずと狭められた。
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矢島が日記に「美しい湖・・・・・・・」と書き記したヤムド久湖。5月を過ぎているのにあたりは雪景色だった・・・・・・・・・。
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その後、標高5049mのカロ・ラ峠を越えてようやくギャンツェに着いた。ギャンツェの至宝・白居寺で。
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1418年創建のパンコル・チョーデことは白居寺のパンコル・チョルテン(仏塔)を巡礼する信者。
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白居寺の本堂に年に一度描かれる砂曼陀羅。ちょうど修行僧たちが3つの砂曼陀羅を描いている最中だった。

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一つ一つ砂曼陀羅の図柄が異なっている。
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暗い本堂のなかで真剣に作業を続ける僧侶たち・・・・・・・・。
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完成に近づいた砂曼陀羅。大変美しい・・・・・・・。この年に1回だけの砂曼陀羅を描く作業を取材できたのはラッキーだった・・・・・・・。 合掌
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シガッエにあるタルシンボ寺。この寺は1447年にダライラマ1世が創建。その後、パンチェン・ラマの政治・宗教の中心となった・・・・・・・・。
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タルシンボ寺をバックにして写真家の烏里烏沙君と。彼とはこの6年間に8回の中国・チベット取材を共にしている。後輩だが良き同志である・・・・・・・・・。
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長江、黄河、メコン川、インダス川などアジアの大河の源流は、みなチベットだ。そのチベットを貫流して大地を潤してきたヤルンツァンポ川。
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こんなヤルンツァンポ川の渓谷も通ってラサへ向かった・・・・・・・。
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チベットの代表的な麺料理、トゥクパ。うどんにヤクの肉がのっている。村の食堂で食べた。
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前回に引き続き今回もガイドとして同行してくれたローサン君(35歳)と教諭をしている奥さんと子ども。彼の母親・ツーべムさん(65歳)のお母さんは、矢島の妻・ノブラーの姪である。
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今年80歳を迎えた矢島仲子さんとテンパ家の現当主であるテンパ・ストップソナム・トップゲルさん(65歳)。約100年ぶりの両家の再会は感動的なものであった・・・・・・・・。 2013年5月14日・ラサ市内で。
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ホテルの部屋に戻ってからも、重責を果たした喜びで興奮してなかなか寝付けなかった。窓から空を見上げると満天の星が煌々としていた・・・・・・・・。 僕はもう何時死んでもいいかなと思って自写像を撮った。この旅を共にしたシグマDP1とニコンD800を前にして・・・・・・・・・。  合掌

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