写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.299] 2011年4月28日 細江英公写真絵巻、公文健太郎写真展、第36回木村伊兵衛写真賞受賞作品展をはじめ展覧会めぐりの日。そして夜は新宿歌舞伎町で,梯子酒ときたもんだ~。

25日(月)から4日間は、珍しく都内に出っ張りの日が続いて、くたびれ申した。酒も震災以後、一滴も飲まない日が20日間もあったのに、この4日間は、呑みっ放し・・・・・すみませんね。草臥れました。遊び呆けていたわけではなく仕事等は、きちんとやっていたし、東北への思いは常に考えてもいたのです・・・・・・・。

25日は、久ぶりに友人と銀座であった。まずフイルム現像を出しに写真弘社へ。そこで銀座アートギャラリーを見る。次はキャノンギャラリーの公文健太郎写真展「ゴマの洋品店ーネパール・バネパの街から」へ。力作である。しかし上手過ぎる。ちょうど公文君がいたので、「若いのだからもう少し破綻があってもいいのでは・・・・。あまりにもきっちりと決まりすぎるきらいがあるね」と感想をのべた。「師匠の本橋からも同じことを言われています」と彼は言った。近くまたネパールへ行くとのこと。握手をして別れた。その足で銀座・二コンサロンへ。そうしてようやく銀座ライオンで遅いランチを生麦酒をのみながら・・・・。続いて、ギャラリー新居の藍染の展覧会を覗く。ちょうど大阪から社長も来ていてしばらくぶりに話をした。吉野川流域の阿波藍を世に知らしめるために活動をしていると云う女流作家の作品が並んでいて、僕も気に入ったのがあったので思い切って買い求めた。値段はそれなりのものではあったが、新居さんが少しサービスをしてくれたのだ。次にライカ銀座店サロンの「ロバート・キャパ写真展」へ。残念ながらここは休館日だった。

 

今日はなかばヤケクソ気味にギャラリーめぐりをしょうと決めてメトロに乗って中野坂上へ。向かったのは東京工芸大のキャンパス内にある写大ギャラリー。ここで5月29日まで開催されている文化功労者顕彰記念・細江英公写真絵巻「ガウディの宇宙」を見に行ったのである。今までに何度か見ている作品ではあるが、今回のは全長約26メートルの写真絵巻全3巻、圧巻の作品であった。場所が場所だけに鑑賞者は一人しかいなかったが、しずかな空間のなかでガウディの建築作品と細江英公の写真作品との激突の息ずかいを感じ緊張感が溢れていた。今度は戻って新宿。柿傳ギャラリーでの若手陶芸家の「今泉毅陶展」。そして最後にコニカミノルタギャラリー。3つの写真展を開催中だったが第36回木村伊兵」衛写真賞受賞作品展「下園詠子・きずな」を見た。それらしく上手く写してはいるが、木村伊兵衛賞には、このパターンが多すぎるのが気になった・・・・・・・・。

 

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あ~あ、疲れ果てて喉も渇いたな・・・・・。見上げるとようやく新宿・歌舞伎町の空が茜色に染まり始めていた・・・・・。30年ほど通っている歌舞伎町の隠れ家的存在の店「三日月」。知る人ぞ知る泣かせる店である。まだ早い時間なのにもうすでにお客はいっぱいだった。

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先代の女将さん。84歳になるがいまも元気に調理場に立つこともある。可愛がっていた猫ちゃんが亡くなって、ちょぴりと淋しそうだった・・・・・。

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上の写真は2代目大将の小・中学校の同級生とその友だち。下は調理場に立つ現大将と女将さん。お似合いのご夫婦である。ちなみに女将さんは岩手の北上市の産。鬼剣舞や鹿踊りなど民俗芸能が盛んな土地として知られている。僕の好きな土地のひとつだ。美人も多いし・・・・・・。

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上の写真のポートレイトは、2代目の同級生の友人、シャンソンを歌っているという。もちろん僕は初対面だったし、お名前も知らないが、何故かその場の雰囲気で写真を愛機「シグマDP1」で撮ることになったのだ。その内の3点を見ていただくことにする。モデルはとても魅力的なのに写真家の腕が悪いとこうなるという見本。ごめんなさ~い☆!

下の写真は、「食は理屈ではない 人間の存在そのものである そしてその民族の文化である」をもっとうにしている「樽一」2代目店主と少し呑みすぎた友人のMさん。先代からの付き合いだが数年前に病気で亡くなり、今は若い彼がすべてを切り盛りしているのだ。以前は本店が高田馬場にあり、僕が一番通っていたのが池袋の店だった。いまは2店とも閉めて新宿・歌舞伎町の店だけとなっている。鯨料理とみちのくの料理、酒は宮城の「浦霞」がメインというメニューだ。東日本大震災で「浦霞」も被災し、海水に2メートル程浸かったという。若き店主の慎太郎君は、「浦霞」をはじめ被災した人たちに送る義援金を集めて直接届けたり、積極的に東北の食材を使うなど店ぐるみで支援をしているのである。僕はそういう慎太郎君を偉い!と思うので、たまには呑みに行かなければと思った次第なのだ・・・・・・・。がんっばってね!!

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