写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.321] 2011年6月15日 田中四郎写真集『心のふるさと 雲南』(光陽出版社・6月末刊)いよいよ最終段階へ。一山越えた後の沖縄料理「おもろ」での一杯は心地よかった・・・・・。

 

12日、14日、15日つまり今日と3日間飲まない日が続いたので、少し体は元気になってきた。確かに飲まない日の翌日は爽やかなのだ。いままで毎日、それもだらだら何時間もよく飲んできたものだと我ながらにあきれ果てている。やり残している仕事を考えれば飲んでいる時間がもったいないと思うようになったのだから僕としては飛躍的な進歩でしょう☆~
この2日間7月刊予定の『宮澤賢治 雨ニモ負ケズという祈り』のキャプション等の最終校正に集中していた。明日、色校の再校が出るということなので新潮社へ行って再チェックをするがいよいよ最終段階になってきた。30数年取材してきたものが形となって世に出るのだから、いま僕にできる限りのことはしたいと思っている。著作物を作るということはそいうものだ。僕が死んでもこの本は世に残るのだから・・・・・。

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13日、田中四郎写真集『心のふるさと 雲南』の本紙色校正のため、午後から印刷所に行った。この間何度となく打ち合わせをしてきたのにもかかわらず、仕上りがいまいち納得がいかない。AD責任者に来てもらって僕のイメージをもう一度よく伝えた。うえで全てのページについて指示を出す。著者の田中さんと表紙カバーなどのデザインを担当してくれた塩崎君も来て、一緒に見た。表紙まわりの方は比較的よかった。全部が済んだのは、4時間後の6時過ぎ。飲めない田中さんと別れた後、塩崎君と池袋へ出た。まだ宵の口、夏の夜は遅くまで明るい・・・・・・。
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まず向かったのは、30年ほど通っている沖縄料理の店「おもろ」である。昭和23年創業だからすでに63年の歴史がある。いま厨房に立つのは2代目主人。この界隈の沖縄の店では僕が知る限りでは一番古い。「みやらび」でさえ昭和28年だから、「おもろ」の方が5年先輩である。僕はこの店の匂いが好きだ。雰囲気が好きなのだ。そして飲んでていてなんとも意心地が良い・・・。こうした店が一番酒が旨いのである。いまや沖縄に行ってもなかなかこれだけの雰囲気を持った店には遭遇できない。もちろん料理もここでしか食べれない「おもろ煮」をはじめ写真のように、その日のおすすめ料理が大皿に盛られている。

最近こういう店を若い人たちはあまり好まなくなったらしく、お客が少なくなった。昔からの常連はみな歳を取って第一線から身を引いているのでどうしても来客する回数は減る。だいたい家から出れなくなっているのだ。以前はこの池袋界隈にもたくさんの歴史をもったいい店があったが、ここ10数年の間でそのほとんどが消えていってしまったのだ。残念というしかない。味もそっけもない日本中何処でも同じ味で、同じような店員がいるチェーン店ばかりである。「ふざけんな!!あんな店で人類の文化遺産ともいうべき酒が飲めくさるか!!」と言いたくなるのだ。「あれ~」酒控えているのじゃなかったけ・・・・・とお思いでしょう。
そうです。僕が言いたいことは、この「おもろ」のような多くの文化人たちが愛し、民衆が安心して飲める由緒ある店は酒飲み連中が守るべきではないか!と言うことなのだ。無論僕もだ。暇があったら「おもろ」で会おうぜよ~☆☆~

 

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