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2009年11月18日 「一滴会」句会に出席、冬の中国・三国志の大地5000キロ走破の旅の準備を開始する。

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昨日、ほんとうに久しぶりに「一滴(しずく)会」の第101回句会に顔を出してみた。現在、講師として来ていただいているのは、池田澄子さん。この日は同人互選の会なので池田さんは出席されていなかった。岡井輝生代表の司会進行で進められていった。兼題は「小春日」、「冴える」と雑詠である。一人3句投稿した中からそれぞれ特選1と入選6を選び発表する。その合計が多い句が上位から高得点句として紹介され、選評されるのである。本来句会は、座の文芸などと言われ、酒席などで戯れ事としても楽しんでいたのであるが、我が句会は参加人数も多いし、まじめ一本で4時間ほど集中してやるから、よほど疲れるので僕はあんまり出席しない不良同人である。でも毎月開いているので、年3回は出席しないと退会となる厳しい掟が定められているのだ。


さて、僕の句はといえば、一昨昨日に散歩したときに詠んだいつもの駄句。僕は兼題というのが嫌いなのでほとんどは無視する。だいたい俳句などというものは、自分が詠みたいものを詠むものであって誰かに、この季語で詠みなさいなどと言われるのは、はなはだおもしろくないのである。しかし今回は一句兼題をいれて詠んだ。ほんとうに小春日和の気持ちのよい天気だったからだ。


        小春日や雲流しやる隅田川


        夕焼けの川面切り裂くかいつぶり


        寒鯉の鱗ひかりぬ川面かな      風写


寒鯉の句が一番点が入って5点、小春日の句が3点、夕焼けの句が1点で上位の高得点句には選ばれなかった。ちなみに最高得点句は8点。だいたい僕の句はここ10年選ばれたことが少ないから「ああ~いつものことだな~」程度である。言わば句会は、勉強会なのでこんな所で一喜一憂する必要はまったくないのだ。写真とは違いこれからじっくりと推敲を重ねていって、いい句に仕上げていけばいい事であって、句会に出すために詠んでいるのではないのである。でもやはり毎回欠かさずに参加して精進している人たちは、すごく伸びているのは事実ではある。


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冬の中国・三国志大陸走破5000キロの旅は、もう間近くなった。今回は写真研究会「風」同人の写真家・鈴木紀夫さんと塩崎亨君の2人に、中国のイ族出身の写真家で探検家でもある烏里烏沙(ウリ・ウサ)君の4人で行くことになった。四川省の4000メートル近い高地から秦嶺山脈を越えて長江流域を南下してきて最終目的地は上海である。2006年に今回も参加する塩崎君と成都を出発して5200キロを走り、20日間かかってようやく北京に到達した。しかし今回は上海に変更した。ここ一ヶ月間ほど長期取材には、体調管理が一番なので散歩したり、ストレッチをしたりして少しでも体力維持に留意して中国の旅に備えている。昔、中国で詠んだ句のなかから幾つかを紹介します。


        白帝城の悲話の明るむ諸葛菜


        春霖に野良の帰りも墨画かな


        野蒜売りの五指の曲りて朝の市   風写

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