写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.977] 2016年12月4日 秘境探検・四川省大涼山イ族の原始宗教と正月行事などの撮影・取材~酒と食と美女の旅(Vol.2)

今回の旅の最後の取材地は、涼山イ族自治州の州都・西昌。人口は約57万人、イ族をはじめ28の民族が暮らしている。標高は1470mあるものの年間の平均気温が16.9度あることから昔から「小春城」と呼ばれていた。近年、中国三大人工衛星発射センターが出来たことから「航天城」とも呼ばれている。西昌に2日間泊まって後は成都に戻り、僕の写真展のオープニングセレモニーに出席すればこの旅は終わるのである・・・・。

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11月23日、旅の7日目に西昌に到着した。布扽を出発して普格を通り、西昌までの行程は比較的に道路は良く280kmの距離のわりには、夕方には着いた。この日の夕食は、イ族料理をいただきながらイ族の歌や舞踊を楽しめる民族レストランへ行った。
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テーブルに並んだイ族の主な料理。豚肉料理が多いが、蕎麦、ジャガイモ、豆腐、トウモロコシなどの料理もあった。
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次々と現れる美女軍団の踊りと歌に圧倒される・・・・。

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観客の人気投票によって美女NO.1に選ばれた女性に、客を代表してイ族の民族衣装を着た烏里君が花輪を渡した。美女に囲まれて笑み満面の烏里君でした( ^ω^)・・・。
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僕らも一人づつステージに上がり花を美女と思う人に渡した。投票した後、パフォーマンスをする美雨ちゃんでした・・・////
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烏里君と、とみ子さん、咲さんの車のドライバー・周樹売君(左)と僕、佐々木君、美雨さんの車のドライバー・袁春生君と写真を撮る美雨さん。 周君とは今までに何度も一緒に旅をしている馴染みの運転手だ。
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この日一緒に呑んだのは、烏里君の親族である阿保さん(中央)と奥さんとその友人(左)。阿保さんは、この地方では知らない人はいないくらい有名な人で、武術の大会で2度中国一になった猛者でもある。家系は黒イ族の大貴族だった。隣の奥さんも柔道5段の腕前で、現在も四川省柔道連盟の監督を務めている。この阿保さんが僕に対して「小松さんは一見優しそうに見えるが、心の中には武人、侍の魂を持っている人だ。ぜひ、兄弟の契りを交わしたい」と何度も酒を酌み交わし、乾杯をするのだった・・・・。まあ~いいか。烏里烏沙は僕の”弟”だから・・・・。

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そのノリで、「俺がおごるから街の焼き鳥屋へ行こう」ということになった。中村さんだけホテルに送ってからみんなで繰り出した。そこへまたまた民族衣装に身を纏ったイ族の美女・阿保さんが突然参加。なんでも彼女も烏里君のお友達だという・・・!?

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阿保さんから低姿勢で乾杯の盃を受ける佐々木幸寿君でありま~す!!!
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彼女は飲めば飲むほどに艶ぽくなり、歌声も美しかった。周りいた漢族の観光客たちは、記念写真を一緒に撮ったり、乾杯をしに来たりでまるでスターだった。
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日本人とイ族の美女の揃い踏み・・・///??
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・・・と思いきや、日本とイ族の歌と踊りの競演が始まった・・・・・。
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肉だけでなく、イカ、貝、魚、牡蠣、カニなどの海鮮からキノコ、トウモロコシ、芋など野菜まで何でもある。デザートも・・・・。好きなだけ自由に取ってきていいシステムだ。
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僕も久しぶりにイ族の音楽に合わせて踊った。烏里君も、奥さんも・・・・。愉快な一夜であった。
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美雨ちゃんと阿保さんは、すっかり意気投合していた・・・。
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みんなでハ~イチーズ~!☆
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西昌のど真ん中にある美しい湖・キョウ海。
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キョウ海の畔のレストランで昼食を取った。湖面を渡ってくる風が、ビールで少し火照った頬に心地よかった・・・。
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目の前のキョウ海で採れた手長エビの蒸し料理。ビールの当てには最高~!!
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湖畔では何組ものカップルが結婚記念アルバムの撮影をしていた。豪華なアルバムを制作するのが中国では一大ブームとなっている。写真家はずいぶんと儲かるらしい。
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西昌市内を一望できる山の中腹にあるイ族奴隷文化博物館。僕は4度目の訪問だった・・・。
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骨に書かれたイ族の文字。現在使われているイ文字はこれほどまでに象形文字ではないが、特徴は同じだ。
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女性が首から吊るす銀でできた飾り物。細工が美しい。
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前夜、僕と兄弟の契りを結んだ安保さんの父親。博物館に涼山地方を治めていたイ族の頭人として紹介されていた。親子だけあってどことなく似ていると思った・・・・。
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同じ黒イ族出身の安保さん。やはり前夜に続き僕らに付き合ってくれた・・・・。ありがとう~!☆
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母親が黒イ族である烏里烏沙君。民族衣装を纏いカメラを構えた・・・・。
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故郷のキョウ海を望んで・・・。
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”兄弟”となった安保さんの奥さんと・・・・。
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今回の取材に勝負をかけていた写真家・眞月美雨さん。愛用の6X6カメラのミノルタオートコート、ブロ二カRF645、シグマDP1とともに。

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何故か突然に美容院へ行って男前になって来た烏里くん・・・・。
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西昌の”最後の晩餐会”に民族衣装から着替えた安保さんと安保さんの奥さんも参加してくれた。前夜張り切り過ぎた橋都とみ子さんは、この日は一日グロッキーでホテルで休んでいた。
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2日間の感謝を込めて・・・・。安保さん、ありがとう~!☆
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旅の9日目、11月25日。西昌から一路、成都へ。約450kmの距離だが、そのほとんどが高速道路なので事故でもおきていなければ、午後5時ぐらいまでには到着できる予定だ。しかし、出発の朝と石綿での昼食の後にトラブルが発生し、約2時間が費やされた。朝のトラブルは警察まで出動する騒ぎになったが、余りにも馬鹿々々しいのでここには記さない。
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成都のホテルのロビーの天井。その名は「天仁国際酒店」。旅の最後にふさわしいホテルだった。本来なら明日オープンする僕の写真展会場に行き、飾りつけや展示構成のチェツクをする予定だったが、時間が遅くなって美術館が閉まってしまった。夜の9時半過ぎに展示責任者の四川大学教授の趙君がホテルまで説明に来てくれることになった。
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この旅を4日間ともにした成都市で教師をしているSさん(右)その同僚。彼女は書の先生だという。Sさんが旅でお世話になったので、僕らにご馳走したいと言ってくれた。「何か良いか」というので、僕が火鍋料理とリクエストしたのだ。美味しい店だった。
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この旅、本当に”最後の晩餐会”となった成都の夜は静かに更けていった・・・・。ありがとう~!☆
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翌朝、10時から二酉山房美術館での僕の写真展のオープニングセレモニーに望み、昼まで会場で来場者たちと懇談などした。その中の一人で烏里君の友人のFさんが「お別れの昼食会をしましょう」と誘ってくれた。そしてやって来たのが元祖麻婆豆腐の店・陳麻婆豆腐店だ。創業は154年前の清同治元年(1862)の老舗だ。実は、僕は27年間も成都に来ていながら一度もこの店には来たことがなかったのである・・・。

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テーブルの真ん中に鎮座しているのが、陳さんの麻婆豆腐。正直それほど美味いとは思わなかった。
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1本20.000円以上はする白酒を2本、僕らの(とみ子さん)さんのために振る舞ってくれた。
感謝~!☆
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そのとみ子さん(中央)のご機嫌なこと・・・・。佐々木君と咲さん。
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Fさんを囲んで。趙武夫妻も参加した。
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成都空港をCA459便で15:30に発って、成田空港に着いたのが21:00を少し廻っていた。リムジンバスは終わっていたので、急いで中村咲さんを連れてスカイライナーへ。大きな荷物の発送は成田のホテルに泊まるとみ子さんにお願いした。どうにか間に合って最寄り駅まで到着したのは0時前だった。咲さんも運よく自宅近くの駅まで行けて、タクシーにもすぐ乗れたという。 一安心・・・・。

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美雨さんと、とりあえず無事にみんなが帰国できたことに乾杯~!☆ 13日間ぶりの日本の呑み屋はタバコの煙で気分が悪かった・・・・。
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折角の刺身もタバコの煙と臭いで台無し・・・。そして駅前のタクシー乗ろうと行ったらなんと長蛇の列・・・。氷雨も降って来た。寒い中、待つこと1時間半余り。トホホ・・・。 帰宅したのは深夜の2時前でした!! という落ちがついてこの旅の話は、お・わ・り・・・・。  合掌

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