写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.976] 2016年12月3日 秘境探検・四川省大涼山イ族の原始宗教と正月行事などの撮影・取材~酒と食と美女の旅(Vol. 1)

 

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旅の初日は、成都から西南へ266km余り行った石綿。大渡河の畔に開けた美しい町だ。僕は昨年だけで3回来ている・・・・。
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今回の旅のメンバー。右から協同組合日本写真家ユニオン(JPU)会員の眞月美雨さん、写真研究会「風」会員、二科会所属の90歳の写真家・中村咲さん、NPO法人ゲーサンメド会員で長野在住の写真家・橋都とみ子さん、神奈川福浦港漁師・天恵丸船長の佐々木幸寿君。僕の30年来の友人でもあり今回、本格的に写真に挑戦した。この4人に僕と写真家の烏里烏沙君の6人である。

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ところがである~!! 現地に着いて見ると烏里君の北京外語大学時代の同級生が2人にその友人1人が途中まで同行することになっていた・・・!?。左2人目から同級生で広東・深圳在住のNさん、Nさんの友人で、成都で教師をしているSさん、同級生で雲南省大理出身で白族のYさん、現在はニューヨークに住んでいる。そして烏里君。後の3人はドライバー。手前の2人は僕らの専属ドライバーだからこれから10日間は共に行動を取ることになる・・・・。

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夕食後、屋台へと繰り出した・・・。
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旅の初日の夜、これからの旅の安全と良い取材が出来ることを祈りセルフポートレートを撮る(SIGUMA DP1)。

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2日目は大涼山の山麓の町・美姑へ向かう。途中の峠で大雪山脈の主峰・ミニヤコンカ(7556m)がくっきりと見えた。幸先の良いスタートだとこの時には思えたのだが・・・・。 (撮影をする咲さんと美雨さん)

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僕からみれば”3人娘”、パッチリ~!☆
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途中に甘洛県を通った。この県の教育長をしている馬君が僕が来ているならどうしても会い、昼食をご馳走したいという。彼とは今までに4回会っている。NPO法人チベット高原初等教育・建設基金(ゲーサンメド)が小学校を建設したのも甘洛の山奥のイ族の村だ。その落成式の時に僕も出席している。2年ぶりの再会にお互いに喜んだ・・・。

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工事中のひどいガタガタの山道を190km進んだ所の蘇姑という鎮で突然交通止め。数か所の崖崩れで明日6時まで駄目だという。通れないように道幅一杯に大型トラックで塞いでいるのだ。A5ほどの紙の切れ端にマジックでその旨が書かれトラックに車体に貼ってあるだけ。誰が書いたのかのかもわからない。車は定期バスをはじめ大渋滞の数珠つなぎとなっている。

僕らがその先頭なのだ。ついさっきまで僕らの前を走っていた車はみな先に行ったのだろうか。そのうちにバスから諦めた乗客たちがそれぞれ大きな荷物を担いで真っ黒な夜道の大移動を始めた。目を凝らして見るとテレビやビール瓶の大きな箱、毛布や布団など様々である。この先にある村々へ帰るのであろう。満天の星空の下、寒いし、腹は減って来た・・・・。午後8時まで待ったが決断を下し、来た道を引き返しホテルのある越西まで戻ることにした。そして遅い夕食にありつけたのは深夜の12時を回っていたのだ・・・・。

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翌朝、再度美姑に向かって出発。途中の町で昼食を取った。僕らのために夕方5時から美姑で歓迎会を準備してくれていたが、到着したのは午後8時半を回っていた・・・・。200km余りの山岳道路だったがこの日も酷い道で僕は左半身の首から肩、背中にかけて激痛が走り、とうとう首、左腕が動かせなくなってしまった・・・。
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美姑では、8時半をすぎても5~6人が待っていてくれた。山羊一頭を絞めて料理を作り、ジャガイモや蕎麦パンなどイ族料理のお客をもてなすご馳走を用意してくれていた。無論、自家製の地酒(度数の強い蒸留酒)もたっぷりとポリタンクに詰めて出してくれた。保育園の教室での宴会はちと気が引けたのだが・・・・。
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美姑のホテルの前には屋台がいっぱいあったので寝る前にまた一杯。先ほどの歓迎会でプレゼントされた山羊の足2本と心臓を屋台で焼いてもらいみんなで食べたのである・・・・。美味だったね~!
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のどかな美しい村であった( ^ω^)・・・。 彼女はニューヨークで服飾デザイナーをしているという。「今度ぜひ、美雨さんとニューヨークへ来てください。そして私の故郷・大理へ一緒に行きましょう~!」と誘われた・・・・。
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美姑の町から30km奥地に入った馬紅村へ行った。標高2600mを超えていた。”3人娘”さんと記念写真を烏里くんが撮ってくれた。もちろんこの後には烏里くんが一緒のカットを僕が撮ったのは言うまでもない。
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中国を旅していて楽しみなのは、さまざまな麺料理を味わえることだ。地方地方によって麺、スープが異なる。
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馬紅村からさらに50km山岳地に入った山麓に開けた九口郷に泊まることになった。この日は4日目。 教師のSさんが明後日どうしても成都市で仕事があるというので、チェクインしたものの急遽、夕方3人は帰ることになった。 たった4日間の旅だったが、いざ別れるとなるとなんだか寂しい気持ちになるから不思議である。 いまから西昌市まで夜を徹して走るのだから大変だ。気をつけて帰ってね・・・・。

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宿の娘さんと・・・・。
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急に4人が居なくなると寂しいものだ。一度入った宿を夜になってから変更した。今度は水が一切でない。バケツで水を汲んで来て各部屋へは柄杓で運んで流す仕組みなのだが、トイレが面倒くさかった。寂しい夕食を近くの食堂で済ませた・・・・。
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翌朝、6時に起きて10キロほど離れた集落へ向かう。烏里君の友人であり、僕も3度ほど会っている中国撮影家協会会員のWさんの実家のある村だ。彼はイ族文化研究家としても著名だ。撮影を終えて町に戻り朝食を取った。どの家々も正月を迎えて、豚を絞め料理の準備をしていた。毎日毎日、豚の激しい悲鳴と豚を焼く煙と臭い・・・。 少々かわいそうになったりもしたが、それでも毎日食卓には豚料理が並んでいた・・・・・。

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2400mはある昭覚での夕食。朝夕は冷え込んだ・・・・。
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この旅で一番標高が高かった町・布扽。約2600mだった。町は正月を迎えるバザールで活気があった。近隣の村々から豚や鶏、野菜を売り買いに大勢の人々が出ていた。
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この地方のイ族の女性ががみなかぶっている帽子とスカーフを買ってご機嫌な美雨ちゃんでした~!☆
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布扽から西昌へ行く途中の普格での昼食・・・・。

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いよいよ最後の取材地・西昌市へ。280kmの行程である。途中の村を撮影する眞月美雨さん。                        (第2回につづく)

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