
(著:岡井耀毅 四六判並製 182ページ 定価1800円+税 2014年2月刊 彩流社)
僕の先輩でもあり、親しい友人の岡井さんが、俳句と写真のコラボレーションによる表現の新境地を拓く可能性を追求した本を出版した。岡井さんはいままでに句集は出しているが、俳句についての評論は初めてだ。出版社の紹介によれば、かって俳句と画は親しい関係にあり、一つになった作品は俳画として認められていた。明治に入って写真機が登場すると写真と俳句のコラボの萌芽が始まった。本書は「写俳の黎明期」から誰でも写真を撮れる現在おける俳句と写真のコラボによる藝術の可能性を歴代写真家の俳句感と具体的な歩みのなかに探る話題作である(本文中の俳句は著者の作)・・・・・・・・。
[目次]
1、)「写俳の黎明期」 1「写俳」的原人一号は尾崎紅葉か 2「俳句不滅論」と「風景採集」の寺田寅彦 3詩人萩原朔太郎の蕪村へのオマージュと写真 4「写真」と「俳句」のクロスオーバー
2、)安井仲治の写真と俳句感
3、)写俳の里の物語ー林忠彦の師、磯部潤一郎と有馬光城
4、)土門拳の俳句
5、)写真家 岩宮武二の俳句
6、)写俳亭 伊丹三樹彦
7、)慎平俳句の時空間ー『二十一世紀最終汽車笛』
8,)「眼の思考」の写真と「風の思考」の俳句との合成の可能性
9、)対談 岡井耀毅VS中谷吉隆 写俳コラボレーションの問題点とゆくえ
10、)対談 岡井耀毅VS小松健一 写真と俳句の間=なぜ写真家は俳句に惹かれるか
著者の岡井耀毅さんは、僕らの俳句同人の会「一滴(しずく)」の代表である。1933年広島県呉生まれ、神戸で育つ。早稲田大学政経学部卒業後、朝日新聞社に入社。社会部、南米移動特派員、東京本社外報部、ソウル支局長、「週刊朝日」副編集長、「アサヒカメラ」編集長など歴任。退社後はジャーナリストとして写真評論の執筆、写真集の編集など手がける。 2001年『評伝 林忠彦』(朝日新聞社)により日本写真協会賞年度賞受賞。2006年『土門拳の格闘』(成甲書房)により日本写真協会賞学芸賞受賞など。主な著書に『昭和写真劇場』(成甲書房)、『現代写真家の仕事術』(彩流社)他、多数がある。
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