写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.680] 2014年3月8日 漂流するフクシマ ドキュメンタリー映画「立入禁止区域 双葉ーされど我が故郷」(監督:佐藤武光)、高木成幸写真展「放射能を撮る ふるさとの今」(朝霞市立図書館/9日まで)を観る・・・・・・。

僕も一昨年と昨年、2度にわたり写真展を開いた朝霞市立図書館で3日から開催されている「漂流するフクシマ ドキュメンタリー映画と写真展」に行ってみた。記録映画「立入禁止区域 双葉ーされど我が故郷」の監督は、福島県双葉町出身の佐藤武光さん。写真展「ふるさとの今」は、福島県浪江町出身の高木成幸さん。トークショーは、福島県双葉町出身の詩人・熊川多恵子さん。彼女は現在、朝霞市で避難生活を送っている。今回の企画は地元の市民が実行委員会を作って、この3人を中心にして企画・運営したものだ・・・・・・・。

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7日の昼過ぎに出かけた。午後2時から始まる映画を見てからゆっくりと写真展を見ようと思っていたのだが、映画の会場は、すでに超満員で立ち見でも入れない超寿司詰め状態。130人以上は入っているか、入口から一歩も入れないのであきらめた・・・・・・・。会場の入口付近。防護服姿の写真は、佐藤監督だ。
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写真をプリントしたのは、写真集団・上福岡のメンバーでもある増井清志さん。約100点展示されていた。熱心に一点一点を見ていく入場者たち。
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映画会場に入れなくてもどうしても見たい人たちは後ろのモニター室で観賞した。僕も実行委員会の責任者の人が案内してくれたので観ることができた。佐藤武光監督は、東宝・松竹映画等の助監督を務めた。今村昌平、恩地日出男監督に師事。HNK「吉田書簡」などの作品がある。

★8日(土)10;00、14;00と9日(日)10:00、14;00の4回の上映がある。ナレターは女優の市原悦子さん。(99分の作品・入場無料)。テレビ画面とは異なる生々しい地元福島の現実に胸が締め付けられるとともに、日本政府と大企業の利潤追求優先と無責任さに改めて怒りがこみ上げてきた・・・・・・・。

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「放射能を撮る」をテーマに据えている異色のフォトジャナーリスト、高木成幸さん。浪江町の農家に生まれる。現役時代に米国で放射能物質を厳格に取り扱う計測器の研究・開発に係わる。また、老人性痴呆症の原因物質を特定するなどタンパク質、ぺプチトの構造解析に長年携わり高い成果を上げている。

そんな高木さん、2011年3月の福島第1原発事故の3週間後には、カメラを持って被災地に入り以後、避難生活者、放射能廃棄物処理の現状などを中心に今までに10、000点以上撮影しており、写真展示、講演活動など全国で展開している。僕と話したいというので、1時間余り控え室で話した。「今までに撮った写真をこれからどのように発表していったらいいのか・・・・」などの質問が中心であったので、僕の経験、体験から説明をした。

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「私たちは広島原爆の470倍以上の放射能(セシウム134・セシウム137)に汚染された国土で生きる現実にある」という「地球の子ども新聞」の見出しは強烈だった・・・。どの新聞やテレビでも現実を報道していない!!
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写真展会場には僕の写真展を開催してくれた市民もたくさんいて、話が弾んだ。家にバイクで戻ったらちょうど夕日が武州野に沈むところだった・・・・・・。こんな美しい星、日本を、地球を、放射能などによって破壊してはならない。生物が住めない星にしてはならないとシャツターを切りながらしみじみと思った・・・・・・。

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