先月の30日から都内に出ていないので今日で約2週間になる。その内、家から近くの病院など出かけたのが、「三福寄席」を含めて2回きりだからほとんどが引き篭もりの日々・・・・・。溜まっていた手紙の返事や雑誌の記事を読んだりしているものの時間はたっぷりとある。夕寝も毎日2~3時間した。12月開催の「チベット山岳写真協会 第3回写真展」の展示・構成や12月の締め切りの雑誌のグラビアの原稿セレクトなども終えた・・・・・。こうなるともうブログに書くネタがなくなってくるのだ~。
この春、写真家の水越武さんに酒の席で突然「小松さんは文章がいいから写真家など辞めて、作家にでもなった方がいいよ・・・・」と言われ面食らったことがあった。もちろんいくら尊敬する先輩の言葉でも僕は反論した。「僕は写真家として死ぬまで生きていくつもりです。やり残していることがまだたくさんあるし・・・・・」と。 この日は普段おとなしく人の話を聞く事が多い水越さんが、珍しくよくしゃべった。そして半ば根負けした感じで僕が「わかりましたよ。そこまで仰るのならば僕の還暦の時までに句集を出しましょう」と言ってしまったのである。水越さんは「う~ん、それはいいね~。楽しみだね」と言って、ニコニコしながら泡盛をあおったのだ・・・・・・。
そんなこんなで僕は、後1年余りで句集をだすはめになってしまった。もうこうなったらヤケクソ気味だ。意地でもやってやる~。句集の題名は「ヒマラヤ」と決めた。基本的には写真は使わないで俳句のみで勝負しょうと思っている。かれこれ先師の俳人・高島茂に本格的に俳句を学んでから17年。句集が刊行される頃にはちょうど20年になるだろう。句集の一冊ぐらいは死ぬ前にまとめておくのも悪くないかもね。 水越さんどうもありがとう。あなたのお陰様で句集を作る決心がつきました。 正に瓢箪から駒ですね。 合掌!!
岩塩担ぐ天秤棒や月の冴ゆ 曼陀羅の宙に撒きをる濁り酒
崑崙の嶺しらしらと月の村 少年の痩せ馬氷柱舐めてをる
初夏の隊商の鉦過ぎゆけり 日溜りに冬の毛蟲の眠りかな
氷雪や蝿は一途に空を欲り 凍河原水瓶重く少女の背
貴重なる卵ふるわす雪崩かな 雪に死す村に赤子の響きかな (風写)
☆この20年間に多数詠んできたヒマラヤの句のなかから、すぐに思い浮かんだ句を20句記してみた。