16000年前のいくつか火で焼けた跡が残る石ころを拾った。大きな石など400個あまりは一つ一つビニール袋に入れて持ち帰り調査するという。僕はその残りを同じ土地に暮らす者としていただいたのである。洗ってよく見ると火で焼け赤くなっていたり、黒く焦げていたり、何か石で欠いたような痕跡があったりして興味が尽きない。僕の家には1800年前の中国・三国時代やその前の後漢時代の城の屋根瓦の破片やチベット、ヒマラヤ、南米アンデス、シベリア、ニューギニアなどの石などがゴロゴロしている。何万年もの歳月を黙って愚かな人間たちの営みを見続けてきた石たちが僕は好きなのである・・・・・・・。
10月23日から新宿の柿傳ギャラリーではじまった友人の高橋芳宣作陶展に行った。この7月に一緒に中国四川省へ旅した友人たちも6人駆けつけてくれ、高橋芳宣さんを囲んでささやかな祝う会を催した。高橋さんは会期を前に仕事場で転び足首を骨折したそうだがこの日は元気な姿を見せてくれた。彼にしては珍しくこの作陶展に寄せる思いを案内状に次のように書いている。「作陶、それは人間が永い歴史の間に大自然の原理を最も巧みに把握して来た創造活動です。・・・・・・」と。僕も彼の作品をこの16~7年間にわたり見つめつづけてきているが今回ほど新作で意欲的な作品が多い展示会はなかったと思う。ぜひ会場に足を運んで手にとって見てください。 ☆柿傳ギャラリー(新宿東口1分・TEL03-3352-5118)