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[no.216] 2010年10月3日 「千代大海引退・佐ノ山襲名 披露大相撲」を観戦。目の前で62連勝中の横綱白鵬が土を付けた一番が印象に残った・・・・・。

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10月3日、秋晴れのこの日、「千代大海引退・佐ノ山襲名 披露大相撲」に出席するために両国国技館へ行った。前にも書いたが先日、池袋のみやらびでたまたま席を隣り合わせたジーンズメーカー「EDWIN」のKさんが席を用意してくれたものだった。昨日の「結婚を祝う会」に行った時に、女将から「Kさんが奥様とわざわざ届けに来てくださったわよ」といって招待券を2枚渡された。翌日から長旅に出るのでどうしょうかと正直迷っていたが、本人があの酔った席での約束を忘れずに届けてくれたのなら、その義理はきちんと僕も守らなければいけないなと思った。しかし、1席余るのでどうしょうと思っていたら「フォトコン」編集部の若いIさんが「夕方から用事があるけどちょうどその時間なら空いてるのぜひ行ってみたい」と言うので、彼女と両国駅の改札で待ち合わせをすることにしたのだ。国技館周辺はすでに参加する人々でごったがえしていた。席は正面2階席の椅子席で少し遠いが全体が見渡せるいい席であった。しばらくするとKさんご夫婦があいさつに来た。地元の伊勢原の落花生まで持って。そして「先生もしよければ、1階の枡席が用意できますので移りませんか」と言うのである。僕はこの席で充分だと思ったがせっかくの好意を断わるのも失礼と思い枡席へ移動することにした。弁当やらつまみ飲み物など買い込んで向こう上面の枡席に陣取った。すぐ近くに力士たちが見え、肌と肌がぶつかり合う激しい音や息ずかいまでが聞こえる場所である。

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この日の取り組み表は、ふれ太鼓からhじまり幕下・三段目決勝正五番、次に相撲の禁じ手などをユーモラスに演じる初切、高見盛関による髪結いの実演、十両土俵入り、相撲甚句とつづき十両取り組みとなった。そうしてこの日の最大イベントである断髪式。第69代横綱・白鵬による横綱綱締め実演、中入りとなり櫓太鼓打ち分け実演と続いた。最後は幕内の力士による全取り組みである。僕のご贔屓力士の白馬、豊真将、鶴竜、栃皇山戦などは見ごたえがあったがやはり、三役力士の三番はとりわけ迫力があった。魁皇、阿覧戦はひときわ大きな声援が飛び、熱戦の末、魁皇が寄り切ったときは会場は頂点に達した感があった。つづいて琴欧州、杷瑠都の戦いは力相撲であったが最後は杷瑠都が勝った。この日、最後の取り組みは、現在本場所で62連勝という偉業を更新中の白鵬と先日、婚約発表をしたばかりの日馬富士の一戦。両者激しい立会いの後、差し手争いをくり広げて土俵を動いていたが、一瞬勇み足のようなかたちで白鵬が寄り切られて土をつけた。会場は「えっ~」というような雰囲気が漂ったあと惜しみない拍手が送られた。僕も62連勝中の横綱がいくら披露相撲の興行だからと言って土を付けるはずがないと思っていたので確かに意外ではあった。しかし考えてみればここ4場所土付かずの横綱・白鵬が負けた一番が目の前でみれたのだからラッキーだった。元千代の富士・九重親方によって髷を落とされた千代大海関は、涙ぐみながらも17年間続けてきた土俵と別れを告げた。会場からは惜しみない拍手といつまでも「千代大海、千代大海」というコールが鳴り響いていた・・・・・・・・。

 

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