写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.430] 2012年3月11日 東日本大震災がおきてから1年目、心からの哀悼の意を捧げます・・・・・。今日現在、死者15、854人、行方不明者3、855人、家屋の全半壊約37万戸、仮設住宅などへの避難者約34万4千人、福島だけの避難者約16万人・・・・・・。そして1年経っても福島原発放射能漏れ事故処理の目途はまったくたっていないのが現実・・・・・・。

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 あの未曾有の大災害だった東日本大震災がおきてから今日でちょうど1年目。多数の死者ならび行方不明者の方々にまずは心からのご冥福を祈るばかりである・・・・・・・・合掌。 そしてその遺族の方々、いまだ避難されている福島をはじめとした34万4千人の方々へ深くお見舞い申し上げます。

1年経過しても何もできないもどかしさを感じる日々を送っているのは僕だけではないだろう。日本人、いや世界の人々も少なからず心を痛めている。そして何かできることから少しでも足を踏み出していこうと行動にでている人々もいる・・・・・・・・。その積み重ねが大切なのだ。小さな積み重ねであっても多くの人々が、長期間にわたって継続していけば大きなエネルギーとなっていく。それが復興への道につながって行くのだと思う・・・・・・・・。

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 僕が今月からはじめたことは、昨年に続き、東北の被災者支援のためのチャリテー写真展への出品だ。フレームマン・エキジビションサロン銀座のシュールームで開催される44人の写真家たちのオリジナルプリントを額装してチャリテー特別価格で販売し、その売り上げを被災者支援にあてようという企画だ。僕もヒマラヤシリーズの作品を6点出品している。他に芥川仁、大石芳野、栗林慧、児島昭雄、鈴木一雄、竹内敏信、田中光常、土田ヒロミ、沼田早苗、樋口譲二、山岸伸、山口勝廣、吉野伸、吉村和敏、水越武、松本徳彦、星野小麿の各氏などが出品している。価格は10000~30000円という信じられない設定である。主催者によれば、利益はまったく考えてないという。 

☆3月24日(土)スタート!! 開館時間10:00~18:00まで(土曜日16:00まで) 定休日は火曜日

☆フレームマン・銀座ショールーム  中央区銀座5-1 銀座ファイブ2F TEL/FAX 03-3574-1036 

企画・運営 株式会社フレームマン TEL 03-5638-2211(代)

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上記写真の3点は、2011年9月8日に岩手県宮古市で撮影した。1点目は、宮古が誇る三陸海岸の代表的な名所である浄土ヶ浜海岸。この海岸は、宮古三常安寺7世の霊鏡竜湖和尚が「さなながら極楽浄土のごとし」と感嘆したことから名付けられたと伝わっている。詩人・宮澤賢治はこの浜が好きで、夜を明かし、多くの短歌を残している。「うるはしの海のビロード昆布らは寂光のはまに敷かれひかりぬ」この歌の歌碑が1996年、賢治の生誕百年を記念して、浄土浜に歌碑が建立された。僕はその折にも訪ねていた。今回の大津波で歌碑は流されたと思っていたが、なんと奇跡的にその歌碑は残っていた。つい最近、できたばかりのレストランやおみやげセンターなどは使い物にならないほど激しく被害を受けていたが・・・・・・・・・。

後の2点は田老地区で撮影。2点目の海岸は田老漁港。何重にも築かれていた巨大な堤防は木っ端微塵に破壊されていた。上の写真は最後の堤防。万里の長城のようだとギネスブックにも載っていた巨大堤防だったがここも津波に襲われ、この堤防の向こうにあった町もすべて流されたのだ。僕はこの巨大なブロックの塊を見て、自然への畏敬を忘れた人間の欲望の石棺に見えたのである・・・・・・・・・。   合掌 

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