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[no.238] 2010年11月22日 「2010年度ぐんま山村フォトコンテスト」無事審査終了。群馬県立近代美術館で不愉快な思い。矢島保治郎の娘さんにインタビュー。母と温泉につかり、鮨をつまんだのだ~。

 

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11月19日、「2010年度ぐんま山村フォトコンテスト」の審査会のために群馬県庁へ向かった。僕は上州へ行く時にはそのほとんどは各駅停車でのんびりと行くのだが、新幹線で来て欲しいという県の要望なので大宮駅から高崎駅までわずか24分を乗車した。高崎駅の改札には県の担当者が待っていてくれ車で県庁へ。群馬県庁へ来ると必ず食事するレストランがある。31階にあるインド料理の店だ。石焼鍋のカレーがなかなかいけて僕の定番メニューとなっている。そしてここからの眺めがまたいい。左から赤城山、正面の谷川岳を中心とした三国連峰など上越国境の山々、右手には榛名山系そしてその奥には浅間山とパノラマに見渡せる。坂東太郎こと利根川は真下をとうとうと流れているのだ。まだ本格的な積雪はないが冬になるとまるでヒマラヤにきたかのような風景が広がるのだ。はじめてこの風景を見たときに僕が原風景を求めてヒマラヤへ通った原点はこの光景かもしれないと衝撃を受けたのだった・・・・・・・・。

 

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僕が審査委員長を務めてから5回目となるこの写真コンテストも年々応募数と作品のレベルが向上してきた。今年度は特に作品の質が高く賞の選考には審査にあたったみなさんとともにうれしい悲鳴をあげたのだった。来年2月2日から6日まで群馬県庁1Fホールで入選作品の写真展が開催されるのを皮切りに各所で巡回される予定だ。審査終了後、「ギャラリー・ノイエス朝日」へ行き、(株)朝日印刷の石川社長と2時間ほど矢島保治郎顕彰企画のことで話合った。以前からいろいろと相談にのってもらっているのだ。その後、上毛新聞論説室参与の小林記者と前県立土屋文明記念文学館館長の岡田さんが来てくれて久しぶりに一杯やった。この日は弟の家に世話になることになっていたので行ってみたら、そこにも地元の友人たちが来ていて鍋を囲んで盛り上がっていたのだった・・・・・。

 

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翌20日は午前中に矢島保治郎の娘さんのNさんにお話を伺うことになっていたので、前橋のノイエス朝日に行った。長島秋夫木工展の初日だったので見せてもらった。気に入ったアフリカの木で作ったペーパーナイフがあったので買おうとしたらちょうどそこに来た日本写真家ユニオン会員の天川弘さんが「小松さん遠くまで来てくれたので僕がプレゼントしますよ」と言う。断わるのも悪いので天川さんは地元と言うことで甘えることにした。Nさんと一緒にきた七宝工芸作家の斉藤芳子さんが第61回群馬県美術展に行きましょうと誘ってくれたのでNさんと出かけた(芳子さんの娘さんが毎年入賞しているというのでその作品も見たいと思った)。会場の県立近代美術館ではちょうど石内都さんの「Mother`s」と「上州の風にのって」の写真展とコレクション展「現代の写真 うつすこと・うつされたもの」を開催していたのでこちらの方をメインに見ることにした。コレクション展はオノデラユキや大竹敦人、松江泰治、安田千絵などの写真だった。群馬県立近代美術館がこうした写真作品をコレクションしているのかと驚いた。石内さんの作品の一部は他の美術館から借りてきていた。ここでこれらの作品について評をのべる気もさらさらないが、県展と比べると鑑賞者圧倒的に少なく、入場料を払ったにも係わらずみな数分で会場を後にしてしまう姿だけが目に付いたことは記しておこう。遅い昼食に蕎麦を食べたあと、Nさんからじっくりと父・矢島保治郎のことを聞いた・・・・・・・。

 

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夕飯は遅くなったが母の待つ実家で食べた。ここに来ると僕はやることが丸でない。犬の2代目五右衛門の散歩だけが唯一の日課だ。カメラを首からさげて家の周辺の五右衛門の散歩コースを回るだけだ。82歳を過ぎた母には元気な五右衛門を連れての散歩は無理なので、僕が帰省したときは何があっても散歩だけはするようにしているのだ。時々シャツターを切ろうとしても五右衛門がやたらと引っ張るので手ぶれをすることが多いがそれもしかないと諦めてもいる。21日には東京へ戻るつもりでいたが、考えたら今回も温泉に浸かってない。夕方おふくろを誘ってタクシーで近くの温泉場へ繰り出した。鉄分の多いここの湯はあまり好きではないが家から近いのと湯上がりに鮨で一杯という僕の計画のため致し方ないのである。1時間あまりゆったりと湯に浸かった後、母もよく知っているお隣さんだったおばさんが先代の女将で、2代目の大将が弟の友人という鮨屋へ行った。おふくろさんとこうして外で食事することはそうは多くないので、駄目倅の僕としてはうれしいのだ。親父とは2人で外で飲んだ記憶はあまりない・・・・・。母は自分より7~8歳若い女将と昔話に花を咲かしていた。僕はそんな母の横顔をみながら芋焼酎のロックをちびちびとやっていたのである・・・・・・・。

 

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