写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.205] 2010年9月6日 「孤独こそは精神の真の解放・・・・」とは思うのだが、意志の弱い僕はいつも揺れているのだ~。

土佐から戻り、もう1週間が過ぎてしまった。家からほとんどでないで篭っていたのだ。2度だけ近くの食堂へ夕飯を食べにでただけで、後は家にいたのである。まったく何もしなかったわけではないが、ときどきこんなことをしていていいのか?と自問自答してしまう。家に篭って人とも会わず、話もしてないと人間は誰しもそんな風に思ってしまうのだろうか。「孤独こそは精神の真の解放・・・」、「芸術家にとって孤独こそ鍛錬の道・・・・」などと普段は言っている割には、僕も実のとこは弱いものだ。一日が暮、外が暗くなると「ああ~また1日が終わってしまった・・・・」と焦る気持ちが湧いてくるのである。くり返すが何もしなかったわけではない。「前衛」という月刊誌の巻頭グラビアに”日本文学風土記ー番外編・三国志の世界”を掲載し、文章も書いた。三国志物語がどう民衆世界のなかで伝えられきたのか。そして日本人との係わりを深めてみた。この7月に四川省を取材したおり、正史『三国志』を3世紀末の西晋時代に書いた陳寿(233~297)の故郷を訪ねたことも、一層興味を持ったのである。その他に「フォトコン」10月号の”小松健一の写真教室”の原稿書き、「サンデー毎日」の10月、11月、12月の”三国志大陸をゆくー古戦場をめぐる”の連載の本文やキャプション、俳句などについても考えた。また、坂本大士君の結婚を祝う会の案内状のあいさつ文などなど何本か原稿を書いたのである。それでも仕事をしている。いま生きているという手ごたえ、充実感が少ないのだ。歳のせいか・・・・。それとも残された時間の足りなさへの焦りか・・・・・。でもこんな時こそ、いつも僕自身が言っている「風のごとく自然体で生きよ・・・」の精神に立たなければね。あ、そうそう今度の「サンデー毎日」は9月7日(火)発売です。諸葛孔明の「南蛮への旅」で舞台は雲南省、貴州省です。ぜひお手に取ってご覧下さい。

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写真は、現在注目を浴びている「八場ダム」で湖底に沈む予定となっている群馬県長野原町河原湯全景。僕が育った町はここから車で2~30分足らずの所にある。

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