この旅もいよいよ終わりに近づいた。今回の他に最終回として一緒に旅をした仲間のこと、食事のこと、現地でであった人たちのことなどを紹介したいと思っている・・・・・・・。
日本を発って8日目は、南シルクロードの中継点の町として古くから栄えた町・大女兆を朝、出発。当初の予定では、楚雄までいくことになっていたが、大理へ行く事に変更した。それは、大理から楚雄までの道が工事などもあって大渋滞が予想されるとわかったからだ。12日に大理から昆明まで走ると飛行機のフライト時間に間に合わなくなる恐れがある。それでコースを変えて12日の日は、できるだけ昆明空港に近い所から出発したいと考えた。この日は、昆明に出てから四川省の省都・成都へ行かなければならないのだ。
大女兆は、胡桃の産地で胡桃を使ったお菓子などのお土産がたくさんあった。大理までの道程は320キロメートル余り。僕にとっては10数年ぶり、4度目の大理の街だった。大理は白族自治州の中心都市。標高は約2000メートル。東にジ海という大きな湖があり、西に4000メートル級の山並みが連なる蒼山がすぐそこに迫っている。大理古城は、四方12キロメートルの城壁に囲まれていて、東西南北にはそれぞれ城門があり、場内には白族の歴史ある建物も数多く残っている民族的な風情のある町だ・・・・・・。
この美しい高原の街は、西洋人からは「東洋のスイス」と呼ばれ、中国人からは「西南の敦煌」と呼ばれている。僕はかってこの町が気に入って、ジ海に浮かぶ金稜島に土地を買ってここを終の棲家にしたいと思ったほどであった。とにかく時間がゆったりと流れていたのである・・・・・・・・。それがどうであろうか、今回行ってみてそのあまりにもの変貌にはただ眼を見張るばかりであった。古城を囲む新しい町には、高層ビル群が立ち並び、場内は観光化されたみやげ物屋ばかりの町に変わっていた。10数年前のあのパリの下町の路地裏のような雰囲気が漂っていた町は完全に消えていた・・・・・・・。僕はシャツターを押す気にはまったくなれなかった・・・・・・・・。
大理に戻ってきた時には、蒼山に日が暮れるところであった・・・・・・・・。
12日、雲南省・昆明の夕日。この日の午後に昆明市内に入り、茶市場などを回ったあと、四川省の成都へ向かうために昆明空港へ。空港へ到着したときに、大きな太陽がまさに山へ沈むときであった・・・・・。合掌