東京の桜の花が満開になった4月2日。成田空港を中国成都に向けてANA・NH947便17:25発で定刻に離陸した。今回は12日間の旅である。目的は少数民族のイ族の文化や暮らしを撮影するためと、25年間追い続けた「三国志巡礼」を仕上げる最後の取材である。三国時代は蜀国の都であった成都に到着したのは、22:30分。市内のホテルに着いたのは午前0時を廻っていた・・・・・・。
今回撮影したカメラは、はじめて使用するリコーのペンタックスK-3である。それといつも愛用しているシグマDP1だ。風景やスナップは基本的にペンタックスK-3で、食事風景や記念写真はシグマDP1で撮った。成都から出発して12日間で車で走った全距離は約2900km。雲南省の省都・昆明から成都へは飛行機で戻った。2000メートルから3000メートルの山河と深い渓谷をひたすら走り続ける道程は、正に諸葛孔明が「南征」の際に記した「深く不毛の地に入れり」という感慨が実感できた旅であった・・・・・・・・。
まず、第1回目は、4月3日朝、成都を出発して、60年前まで他民族、漢族さえ入る事ができなかった長江の上流・金沙江の畔の町・雷波、金陽までのイ族の二つの村のバザールのスナップと風土を紹介する。成都から雷波まで340キロメートル。翌日4日の雷波から金陽までの距離は350キロメートルだった。但し日本の整備された高速道路とは異なり、山岳地帯の悪路の連続、工事中の道路も少なくなかった。だから移動時間は一日10時間以上もかかっている・・・・・・・。
日々の風景やスナップと、一緒に同行した仲間たちとの食事風景や記念写真などは、今回は分けて、以後数回にわたって紹介していこうと思っている。この取材で撮影した作品は、今年の11月に東京中国文化センターでおこなわれる僕の写真展と来年、新宿でおこなわれる写真展に展示される予定だ。また今秋、出版予定の『三国志巡礼』のなかにも掲載するつもりである。とにかく日本人はほとんど入っていない難所にもかかわらず全員無事に帰国できたことを神々に心から感謝したいと思っている。 ありがとうございました・・・・・・。 合掌
このバザールが開かれていたのは美姑県のイ族の村。金陽へ向かう道からそれて美姑方面へ30キロ程入った。
ここまでの写真は、2014年4月4日の撮影。 この旅の無事を祈り合掌をした・・・・・・・。