写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.694] 2014年4月20日 第33回土門拳賞授賞式、写真集団「上福岡」4月例会に出席。華やく器・高橋芳宣展(22日まで/伊勢丹新宿店本館5F)、管洋志写真展「一瞬のアジア」(ニコンサロン銀座/22日まで、大阪展5月1日~14日)、宅島正二作品展「軍艦島1974-緑なき島を去る人々その時」(JCIIフォトサロン/27日まで)等、10の写真展を巡る・・・・・・。

13日の夜、帰国してからこの間、都内の写真展を10ほど廻った。昨年急に亡くなった親しかった写真仲間の管洋志さんの遺作展となる「一瞬のアジア」には、彼か精魂をかけて取り組んできたものだから、どうしても行かなくては思っていた。奥様が会場にいたので、しばらく話した。この7月に彼が愛した奄美大島・加呂間島へ散骨に行くとのことであった・・・・・・・。

その他に古い友人の宅島正二さんが若き時代、故郷を撮った作品「軍艦島1974」も見た。石榑ゆうこさんの「八ッ場 in our mind」(キャノンギャラリー銀座。今後名古屋、仙台の同ギャラリーで巡回)にも顔を出した。撮影地が僕の故郷であるだけでなく、彼女は写真家の猪俣重喜さんのお弟子さんである。前から猪俣さんに「彼女のこれからの指導をよろしく頼む」と言われていたこともあったからだ・・・・・・。

この時期、授賞式などが多い。16日が第33回土門拳賞授賞式、17日が第39回木村伊兵衛写真賞授賞式、銀座・ライカギャラリーレセプション、18日が林忠彦賞授賞式、22日が国際写真サロン授賞式、5月11日が第9回飯田市藤本四八写真文化賞授賞式などなど。どれもパーティがあるのでみな出ていたら大変なのだ。土門拳賞は、親しい友人で先輩の桑原史成さんが受賞したので出席したが、後は遠慮することとした。

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写真集団「上福岡」の第32回目となる写真展は6月11日~15日、川越駅東口前にあるデパートアトレ6Fで開催が決まっている。14日(土)午後3時から4時30分まで会場において僕の作品合評をおこなう。参加費は無料なのでぜひ、ご参加ください。今年の個展は現在、一番の早くからの会員である島貫雅子(左端)。20年以上わたってモノクロフィルムで撮り続けてきた川越の街と人々の生活の写真、半切20点を展示する。見ごたえのある作品である。

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写真展まで後、2ヶ月を切っているのでみんなの作品にも力が入る・・・・・・・。
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神田錦町にある学士会館でおこなわれた第33回土門拳賞授賞式。
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桑原史成さんが今までに出版した主な著書が会場に並べられていた・・・・・・・。
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右から選考委員の一人、写真家・大石芳野さん、毎日新聞社東京本社編集編成局長・小川一さん、桑原史成さん、土門拳先生の娘さんの池田真魚さん、ニッコールクラブ会長・西岡隆男さん。
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お孫さんを抱いて受賞を喜ぶ史成さん。今回の受賞理由は、水俣病の公式発見から4年後の1960年から2013年まで熊本の水俣市に通い続け、半世紀にわたり丹念に、そして広くこの国の「水俣事件」をモノクロ写真で記録し続けたこと。そしてジャーナリスティクで、距離感を保った一貫した姿勢によるドキュメント写真で、私的な写真があふれる日本の写真界に刺激と重みを与えた点が高く評価された・・・・・・・。

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会場で土門拳先生の娘さんの真魚さんと話す松本徳彦公益社団法人日本写真家協会専務理事。
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受賞した桑原史成さん。 彼は今回の受賞に対して「暗く重い現世の”生き地獄”にカメラを向けてきたが、いつも傍観者という負い目があった。このたびの写真の記録を評価されてのことではあるが、喜び共におぞましい気もしないでもない・・・・・・」と語っている。
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会場では懐かしい写真仲間、久々に会った友人などたくさんの人々と会ったが、会が終了後、北海道に在住している写真家の水越武さんと2人で飲みに行った。彼が最近はじめて編集者に連れられてきたという店に行ったらなんと僕も20数年前にシンガーソングライターの横井久美子さんと来て以来、何度か通った神田神保町にある「萱」という店だった。そこで知り合った能を舞う人、公益財団法人の経理・総務室室長などと水越さん。カウンターの中は、女将さんと店員さんですですです・・・・・。

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その店で知り合った一人がぜひ、池袋の沖縄料理の店、「みやらび」へ行きたいというので案内した。写真は琉球舞踊家の佐知代さん。
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前々日、作家の重松清さんが来店して、僕の体調を心配していたと聞いた。店の琉球舞踊家の陽子ちゃんが重松さからのメモを預かっていると僕に渡してくれた。 そこには「 小松健一さま 目、よかったね! また呑もうね!! 重松清 」と彼の直筆で書かれてあった・・・・・。ありがたいことだ・・・・・。 合掌

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昨日19日も5つの写真展を巡った後、友人の陶芸家・高橋芳宣さんの「華やぐ器・高橋芳宣展」へ行った。毎年、伊勢丹新宿店で開催しているものだ。彼とも20年来の友でいままでにも2人のコラボ展などもして来た。この12月13日~23日には、僕の写真と芳宣さんの陶芸と書家と七宝焼き作家との4人でコラボ展を前橋のノイエス朝日でやることになっている・・・・・・・。
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消費税が8パーセントに値上げされた直後の展示会だったので、大きな影響があると伊勢丹の担当者はこぼしていたが、僕が会場にいる間だだけで11点売れていた。いままでの実績は250~300万円程だという。何とか今年の売り上げ実績も例年並みになれば・・・・・・・と芳宣さんは言っていた。
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以前にも一度呑んだことがある東京に在住の陶芸家・藤田和廣さんと芳宣さん。僕の歌舞伎町の隠れ家・「三日月」へ案内した・・・・・・・・。
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芳宣さんが突然、「鯨がたべたい~!」と叫ぶのでもう一軒行く事にした。近くにあるこれまた先代の時代から通っていた「樽一」。ここの代表的な料理はくじら料理だ。実は僕は、金がないにもかかわらず毎回、芳宣の作品を買っているのだ。無論、小品で値段が張らないものばかりではあるが・・・・・・・。この日も気に入った蕎麦チョコをひとつ求めた。そうしたら何とその気持ちがうれしいとこの日の飲み代はすべて陶芸家が奢ってくれたのである・・・・・・。  合掌

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