写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.194] 2010年8月17日 友人 宮地敏行君逝く。 ”盂蘭盆・上州日記”(13日~17日) 矢島保治郎ゆかりの地、吾妻清流倶楽部、万座温泉、草津白根、榛名湖、伊香保温泉、そして母の歌声・・・・。

盂蘭盆の初日となる13日に、82歳を過ぎた母が独りで暮らす田舎の上州へ帰った。次男の弟夫婦が朝から来て母と墓掃除などしてくれていた。長男の僕としては申し訳ないといつも思って感謝している。18日までいる予定だったが1日早めて帰京した。夕方家に着いて溜まっているFAXを開いてみたら、なんと親しい友の宮地敏行君が急死したという知らせが入っていた。14日に享年56歳であの世に旅立った。つい先日の7月29日、僕がみちのくの取材にでる前日、銀座のパティーで会ったときには、旨そうにビールを飲んでいたのに・・・・・。昔はよく飲み歩いたもので、彼は尾崎豊の歌が18番で、感情たっぷりに歌い上げ、女性にもうらやましいほどモテタものである。呑んだくれて鎌倉の家に帰れなくなり、僕の石神井公園の事務所に泊まったこともあった。ごろ寝でまたそこでも呑みながら熱く写真談議をした。僕より若く逝くなんて信じがたい思いが今もする・・・・・。宮地君天国はこんなに極暑ではないだろううからやすらかに眠ってくれたまえ。 合掌

SDIM2085.JPG

SDIM2095.JPG

SDIM2101.JPG

SDIM2104.JPG

SDIM2108.JPG

SDIM2115.JPG

上州でのことを写真を中心に駆け足で報告する。14日、朝から渋川に列車で行き、レンタカーを3日間借りた。まず、向かったのは前橋市。前月一緒に中国・四川省の旅に行った矢島保治郎の娘さんの仲子さんと会うためである。この日は仲子さんと保治郎の生家のある佐位郡殖蓮村(現・伊勢崎市本関町)へ行き、現在の当主の矢島良雄さんに会った。(保治郎の長兄の息子さんの子)仲子さんにとっては従兄弟の子どもにあたるのだが、歳は同世代である。良雄さんから保治郎も食べた畑でとれたジャガイモと茄子をもらった。近くの保治郎とチベットの妻、ノブラと長男意志信と仲子さんの母、きんさんの4人が眠る墓に詣でた。その後、保治が入学した殖蓮小学校、よく遊んだ生家近くの八幡沼を巡った。前橋に戻り、晩年まで暮らした矢島家を見て仲子さんと別れた。ノイエス朝日で、知人の群馬県美術会理事・事務局長の斉藤健司作品展「65年目の夏」を見て、東吾妻町へ戻った。恒例の「吾妻清流倶楽部」の納涼会が吾妻川畔でおこなれていたので、顔を出した。ここでの鮎や岩魚、山女の料理はいつもながら絶品である。若き日に食べたあこがれのハムかつも並んでいた

SDIM2120.JPG

SDIM2125.JPG

SDIM2127.JPG

SDIM2130.JPG

SDIM2133.JPG

SDIM2135.JPG

SDIM2139.JPG

翌15日は朝から本家の上田家の墓参りと小松家の墓参りに出かけた。三男の弟夫婦も駆けつけてくれてた。墓参りを終えてから母が温泉に行きたいというので、2人で万座温泉へ車を飛ばした。ちょうど友人で先日の中国へも同行した七宝工芸作家の斉藤芳子さんが、「万座プリンスホテル」で展示会をやっていたのでそれも見てみたいと思ったのである。やはり工芸作家の娘さんと2人で出迎えてくれた。昼食をとってからこのホテル自慢の「標高1800メートルの雲上の露天風呂」を充分に満喫してからいよいよ、斉藤さんの作品を見させてもらった。40年以上の作家生活と海外でも高い評価を受けている彼女の作品は、いわゆる七宝焼きの概念をはるかに超えていて興味深かった。その技法は建築物の壁画を手がけたり、ローケツ染めのような表現をあみ出したりと幅広い。僕も手ほどきを受けながら母の誕生祝いに、ネックレスの七宝焼きに挑戦してみた。彼女のアドバイスがよかったか、思いもよらぬいい物ができて、母もとても喜んでくれた。猫をモチーフにして作品作りをしている娘さんが8月31日から9月5日まで高崎の「flowershop papagona」(027-323-5582)で4作家展をやる。ぜひ、お出かけ下さい。天気が良かったので、白根山と草津を巡って実家へ戻った。

SDIM2140.JPG

SDIM2149.JPG

SDIM2157.JPG

SDIM2164.JPG

SDIM2165.JPG

SDIM2270.JPG

SDIM2269.JPG

16日は、午前中に「榛名高原邑」へ家を見に行くアポイントを事務局の方にとってあったので、榛名湖経由で出かけた。実家から40分もかからなかった。まず、この邑に住んでいる友人の翻訳家の和田さんを訪ねた。夏草の多い茂る中、4軒の家を拝見させてもらい、検討することとした。環境は抜群に良い。春先にも一度訪れてみたが、今回来てその思いはさらに増した。和田さんと遅い昼食をして別れてから榛名神社、榛名湖と抜けて伊香保温泉へ。次男の弟の顔をみてレンタカーを返す渋川駅まで戻った。3日間で約390キロあまりの運転であった。中国では1日に500~600キロは走るので、何のことはないが、狭い土地ではよく走った方であろう。夜は久しぶりに家族水入らずで、よく飲み、食べ、そして歌った。母の歌をこうして聞けるのもあと何年だろうかと思うとかけがえのない時のような気がした・・・・・・。

 

このウェブサイトの写真作品、文章などの著作権は小松健一に帰属します。無断使用は一切禁止します。