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[no.153] 2010年4月29日 (協)日本写真家ユニオンにかけられていた不当な裁判の画期的な判決がでる!

世の中、今日から一週間の休み、”ゴールデンウイーク”に入った。僕は7年に一度開かれる5月3日の諏訪大社の御柱大祭の取材に行く予定だけである。後はいつもの家篭りとしけこむつもり・・・・・。さて菜種梅雨の昨日、東京地方裁判所の民事10部520法廷において画期的な判決が言い渡された。3年前の2007年の東京簡易家庭裁判所、そして2008年から東京地方裁判所に引き継がれ、足掛け3年かかった裁判の判決であった。ここでは詳しくは述べないが当時、(協)日本写真家ユニオンの理事をしていた原告が、不当な言いがかりとも言える内容で、協同組合日本写真家ユニオンに対して百数十万円という多額の慰謝料等を請求してきた裁判である。れっきとした経済産業省・認可法人の総会で選出された執行部の役員がである。とても納得できるものではなく、それでも同じ職業写真家という立場から何とか円満に解決できないかと務めてきたが相手側がどうしても多額の金額にこだわったため、やもう得ず組合員の財産を守るために闘ってきたのである。その判決であった。結論を言えば「完全勝利」。ユニオン側の弁論が百パーセント認められ、真実が明確となった判決であった。



僕は、すでに2年前にユニオンの専務理事も理事も辞めていたが、この不当な裁判を許すわけには行かないと思い裁判対策委員の一人として係わってきたのである。まだ相手側が高裁へ控訴する可能性もあり、諸手を挙げて勝利宣言とまではいかないが、傍聴に来ていたユニオンの副理事長、専務理事、理事たちと担当弁護士の先生から判決内容の説明を受けながら、まずは長かった裁判の日々を振りかえって互いに労をねぎらったのであった。



その足で、銀座シネパトス(03-3561-4660)で今月30日までやっている映画「『密約』-外務省機密漏洩事件」を観にいった。1978年に制作された映画ではあるがまさに、今回の政権交代で、初めて国民の前に真実が明らかになりつつある沖縄返還にともなう機密をすでにこの映画は予測していた様である。原作は作家の澤地久枝さんで、日本の安全保障と日米関係の本質を鋭く突いた社会派の映画として、非常にリアリティーがあり、全編通じて緊迫感があった。また、報道のあり方と権力の関係についても考えさせられた。席はわずか100席あまりの小さな映画館ではあるが座席はゆったりとして気持ちがよい。5月1日より「クロッシング」という北朝鮮からの脱国者家族を描いた映画が封切られる。5月29日からは冤罪事件として注目されている「BOX 袴田事件 命とは」が同館で封切られる。どちらもぜひ、観たい映画である。その後、銀座二コンサロンで第29回土門拳賞受賞作品展「RYULYSSES」鈴木龍一郎写真展を見に行った。鈴木さんとも作品のことで話した。会場にたまたまユニオン会員のNさんがいたので、久しぶりに銀座で食事をして帰ってきたのだった。

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