
(チベットの都・ラサにそびえるポタラ宮の全景。チベット仏教の総本山・ジョカン寺(大昭寺)から2017年6月に撮影)
「日本文学風土記」シリーズとしてある月刊誌に2008年から年1回程度で連載してきた。本年11月号で11回目を迎えた。この仕事はもうすでに取材をはじめて約40年になる。僕がフリー写真家としてスタートしたときから続けている仕事だ。いままでに10数冊の本として刊行はしているが、日本人の暮らしや風土を文学で切り取って風土記としてまとめたものはない。
僕は残された人生でどうしても仕上げたい仕事のひとつに、全都道府県を網羅した「日本文学風土記」の刊行がある。すでに9割方は取材をしているが、まだどうしても取材が足りない地域がある。この3年間、その一つであった奄美群島を取材した。奄美大島には20年間、妻の作家であるミホと暮らした島尾敏雄がいる。島尾ミホは加計呂麻島の出身だ。他に『清幻記』で太宰治賞を受賞した一色次郎が沖永良部島出身。ロシア文学の昇曙夢は奄美大島の出身である。文学者ではないが、僕の好きな日本画家の田中一村もこの地で素晴らしい創作活動をし、独りで死んでいる。
兎にも角にもコツコツと取材を重ね、70歳までには何とかまとめらればと思っている。しかし、もうあんまり時間はない・・・・。 合掌