写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.1051] 2017年7月29日 ”アジア最深部・ヒマラヤ東の万年雪をたたえたチベットの山々・ナムチャバルフ周辺の山と渓谷を撮影・釣行6月の旅” [番外編②~美酒・美食・美女]

ラサでは、茂木陽一君をはじめとしたポタラ宮殿などを取材する6人と、チョンガ寺周辺を1人で取材する僕と、様々な打ち合わせなどに忙殺されて飛び回っていた烏里烏沙君との3つに分かれて行動した。

烏里君は絶対にポタラ宮へは行かないし、僕もすでに何度か入場しているので、入場料8000円も払ってまで入りたくないと思った。そこで烏里君は日本語ができる女性のガイドを探して頼んだのだ。その女性がわずか半日あまりでオジン集団を虜にして、アイドルになってしまった「陽子ちゃん」(左から2人目、その隣の二人は彼女の友だち)なのである~!☆!☆

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陽一と陽子・・・。すぐに意気投合したのは言うまでもない。
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(ギョギョ~!!漢族の店だからラサであっても魚料理はある。これは川魚の揚げ物。一体全体誰が注文したのだ~?!)

僕らがチベットへ入ったのは6月9日。この日はお釈迦様の誕生、涅槃したとされる日だった。今年の5月26日~6月24日までは、チベット暦で4月にあたっていた。つまり釈迦の月、サカダワ大祭の月だ。チベット仏教では殺生は好まれないが、とりわけ釈迦の月の間は、殺生は厳禁。この間に行なった行為は、良いことも悪いことも何万倍となって自分に返ってくると言われている。

実は今回の旅の目的の一つに、チベットの川や湖で釣りに挑戦することがあった。”世界の釣師”を自他共に認める茂木陽一君と彼の弟子2人は、それを楽しみの一つにこの旅に参加していた。出発前に日本で集めた情報には、不覚ながら「サカ(釈迦)ダワ(月)」が抜けていたのである。確実に僕らのミスだし、深く詫びた。もちろんチベット人は釣りをするどころか、魚貝類は一切口にしないことは良く知っていたし、水葬も現在も行われている。亡くなった人を川に流し、魚たちに極楽浄土へと連れて行ってもらうという意味合いも知ってはいた。

しかし近年、チベットにも漢族が増えてきて釣りがブームになっており、漢族ではあるが釣人口が増していること。実際に知り合いに釣りをしている人がいて、魚もけっこう釣れているなどはデータとして掴んではいたのだが・・・。チベットに入って3日目、写真撮影班と釣り班に分かれて行動した。釣り班は、地元の人たちから情報を収集し、釣具店も発見した。そこでミミズなどの餌やタモ網を購入。地方政府や警察、村長さんにも相談したが、この時期に殺生である釣りをすることは、チベット人の感情考えると難しいという結論だった。

しかし、それでは収まらない茂木君たちは、地元の人たちが徳を積むために魚を放流しているというが、一体その魚をどこで入手しているかと問い、町の市場だと知ってすぐさま飛んだ。そして市場で生きたまま売っている魚で一番でかいのを購入。魚が死なないようにタクシー運転手らの協力を受けながら、地元の人々が放流している場所へと急いだ。そしてチベット人たちが見守るなか、大きな魚を川へと放したのである。その時、つかさず周りから大きな拍手と歓声がおきて、茂木君たちは「日本からやって来てこんな素晴らしいことをする人に初めてあった・・・」と握手ぜめにあったという。

しかし、彼らの善行はそれだけには終わらなかった。翌日、宿泊していたホテル前の庭に2か所穴を掘って、餌用に買ったミミズ約100匹も土に返してやったのである。これには釣りをしなかった人たちも参加した。僕はこれらの行為を見、そして聞いて、うれしかった。恥ずかしい話ではあるが、涙が出たのである・・・。 チベット語でサカは、お釈迦様、ダワは月だ。思えばこうした月に偶然ではあるが、チベットに滞在できたことが幸せだったとしみじみと思った・・・。  ~オンマニぺイメイフォン~   合掌

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チベット人の「ジュンぺー」君と。発音が倅の淳平と同じなので忘れない。実は彼とは5年ほど前にチベット取材を約1か月間したときの5人のチームの1人だった。ジュンぺーは名ドライバーだ。つまり5年ぶりの再会なのた。ガイド兼助手を務めてくれたもう1人のチベット人は、インドへ出張中とのことで残念ながら会えなかった・・・。
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たまたま彼氏たちとグループで、お店に来ていた陽子ちゃんの親しい友だち・・・。
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オジン集団は、誰もが我さきと、陽子ちゃんと写真を撮りたがったのだ。無理もないか、9日間来る日も来る日もオジンだけだったものね・・・。
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この店の代金は、みなジュンぺー(左)が払ってくれた。ありがとうね~!☆ 奥さんは小学校の教師で、まだ小さい子供がいるのに・・・。 最近になってようやく飲めるようになった中国産生ビール。(中央)2本空けた・・・。
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ラサの長い夜は、この屋台での宴で、ようやく幕を閉じたのだった・・・・。

明日はいよいよ、この旅の最後の夜。劉備玄徳や諸葛亮など三国志の英傑たちが活躍した蜀の都だった成都である・・・・。 (つづく)

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