写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.751]  2014年9月28日 笹本恒子作品展「100人の女性たち」(JCII PHOTO SALON/28日まで)、島尾伸三写真展「Lesions/じくじく」(The White/27日で終了)、14人のカメラマンによる「辺野古の海」写真展(ギャラリー・アートグラフ/10月2日まで)長倉洋海写真展「その先の世界へ」(銀座キャノンギャラリー/10月1日まで)などを巡った・・・・・。

昨日27日、家に篭っているだけでは、心身に良くないと思い気になっている都内で開かれている写真展をいくつか巡ってみた・・・・・・・。他の人の作品を見ることはやはり刺激を受ける。学ぶ事の多い秋麗の一日となった・・・・・・・。

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まず、JCIIフォトサロンで開催されている笹本恒子さんの写真展へ行った。笹本さんは現役の写真家で100歳を迎えている。僕らの大先輩である。戦前の1940年から日本では初の女性報道写真家として活躍してきた人だ。今回の写真展は明治時代に生まれ、子ども育て、家事をしながらもそれぞれの仕事をしてきた日本の女性100人を撮影したものだ。僕も撮影している婦人活動家・櫛田ふきさん、俳人・鈴木真砂女さん、作家・住井すゑさん、歌手・淡谷のり子さんなど懐かしく拝見した。見ごたえのある写真展だった・・・・・・・。

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次に向かったのは、神田神保町の小さなギャラリーで開催していた島尾伸三さんの作品展。角川書店の雑誌「野生時代」に連載していた「Lesions/じくじく」を中心にした日本の日常的な光景を島尾さんの心情を含めた眼差しで切り取った作品だ。彼と会ったのは20年ぐらい前だろうか・・・・・・。本当に久しぶりの再会だったが、互いに顔を合わせたとたんすぐにわかった。
年賀や写真展のDMなどはお互いに送っていたのだった。僕はこの7月に月刊誌「前衛」に彼の父にあたる作家の島尾敏雄と母の作家・島尾ミホのことを書いたので、鹿児島・奄美大島のグラビアも合わせて掲載してあったその雑誌を届けた。「おもしろそうすですね・・・・・」と喜んでくれた。奄美や中国のことを中心に1時間ほど話し会った。島尾さんの代表作である写真集『中華幻紀』を一冊求めた・・・・・・・。

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3つ目の写真展は、銀座にある写真弘社1Fにあるギャラリー・アートグラフでしている「辺野古の海」。友人の新藤健一、森住卓、山城正邦さんなど14人の写真家たちの共同作品展だ。沖縄タイムスや琉球新報なども写真を出品している。新たな米軍基地を作るために埋め立てられることになっている辺野古の海は、実は世界最大級のアオサンゴ群、数百年を経て成長した巨大な塊状のハマサンゴ、海底を覆い尽くすテーブルサンゴなどなど地球的にみても貴重な自然環境が広がっている。

この海の多種多様な生き物たちの生命を育む海草のおおい茂る広大な海底も広がっている。そしてこの海は、絶滅危惧種に指定されているジュゴンの生息場所でもあるのだ。「この美しい海を米軍基地で壊してはならない。次代に受け継いでいくのは、私たちの役目だ」と決意を語るプロデュウサーを買ってでているフォトジャーナリストの新藤健一さん。手に持つのは、「2015カレンダー WE☆OKINAWA」(A4サイズ、カラー月めくり、12ヶ月)定価1000円+税。注文:七つ森書館 FAX:03-3818-9312まで。

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26日には、元内閣総理大臣の鳩山由紀夫さんや前社民党党首の福島みずほさんたちも突然来たという。10月からは、この写真展は国会の議員会館や沖縄各地、アメリカなどでの巡回展が計画予定されている。写真は、左から写真家・桑原史成さん、共同通信社編集委員だった新藤さん、僕、このギャラリーのオーナーでもある写真弘社社長・柳沢卓司さん。
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最後の写真展は、銀座・キャノンギャラリーで開催している長倉洋海写真展「その先の世界へ」。作者の長倉さんも会場にいたので1時間ほど話した。僕と同世代であり、同じ世界を取材しているので、若い頃からお互いによく知っている。今回の作品は2013年、1年だけで撮影したというので驚きだった。それも個展を4箇所以上やり、写真集に単行本まで出版している。そのバイタリティには舌を巻くようであった。彼自身は「もう年だから疲れるよ・・・・・」など笑っていたが、この写真を見る限りそれは謙遜である。僕もまだまだ負けてはいられない。さらに精進しなければと強く思った・・・・・・・・・。

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昨年以来、約1年ぶりに友人のMさんに銀座で会った。彼女の仕事場が日比谷なので近いからである。今年創立77周年となる老舗ビャホール「ニュー・トウキョー」の「さがみ」と言う店が僕は好きでときどき行く。まずはそこで70年前の生ビールの味を復刻したという生ビールで一杯。創立記念にこの店の思い出川柳を募集していると言うので酔った余興で2句詠んだが・・・・・・・・・。
・失恋の味も飲み干すニュー・トウキョー     ・アンポ反対のデモより来たしニュー・トウキョー

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その後、彼女の常連の店の焼き鳥屋で芋焼酎をやった。Mさんにもこの1年間さまざまなことがあったという。互いのこれからの人生について語った一夜だった・・・・・・・。(写真は有楽町のガード下で)    合掌

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