写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.625] 2013年10月1日 群馬県原町中学校(昭和43年度卒業)同窓会が,八ッ場ダムの湖底に沈む源頼朝が発見したという名湯・川原湯温泉で開かれた。歌人・若山牧水が愛した吾妻渓谷も散策した・・・・・・。

9月28日、29日の両日、約2年半ぶりに原町中学校の昭和43年度卒業生たちにより同窓会が故郷である川原湯温泉で開かれた。前回は修学旅行のコースだった鎌倉・江ノ島で行われたのだ。僕らは今年還暦を迎えた人生の節目の年でもあった。集まったのは36人。卒業生は総勢99人。内すでに亡くなった同級生は5人、行方がわからず連絡が取れない人が5人いるから89人中、36名の参加は40パーセントを超える参加率だ。幼稚園、小学校、中学校と一緒だったこともあり、みな気心がしれている。僕の家の近所、同じ部落だけでも8人の同級生がいた。そのうち遠い親戚が3人。みな子どもの頃から兄弟姉妹同然に育ってきたのである・・・・。

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川原湯温泉へ向かうJR吾妻線の車窓からの風景。
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すでに稲刈りが始まっていた。黄金色のこの風景を見ると故郷に帰ってきたなあ~と感慨深くなる。僕はこうした風景を車窓からぼんやり眺めるのが好きだからいつも各駅停車でのんびりと帰省している・・・・・・・。
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西日が傾いた午後4時半頃に川原湯温泉駅に着いた。駅舎の真上に巨大なコンクリートの橋脚がそそり立っていた。あの素朴な温泉入口の光景とはほど遠い景色がそこにはあった・・・・・・・・。時の流れを感じざるを得なかった・・・・・・・・。
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柔道家の加納治五郎の別荘跡地から建設中の湖面1号線の橋を望む。
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同窓会の会場となる旅館「やまきぼし」の庭から暮れ行く吾妻谷を見た。美しい故郷の夕景であった・・・・・・・。
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旧温泉街で800年の歴史をもつ源泉を使って営業している旅館は、「やまきぼし」と「丸木館」の二つだけになってしまった。やまきぼしの主人は最後の最後までがんばって営業を続けたいと言っていたが、丸木館は来年2月より休業が決まっている。かって数十軒の温泉旅館が軒を連ね、飲食店やお土産屋、ゲームセンターなどひしきめきあって活気があった頃の川原湯温泉街が懐かしく思い浮かんだ・・・・・・・・。 写真は作家・嵐山光三郎が命名したというやまきぼしの露天風呂「崖湯」だ。

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今回の同窓会の幹事長を務めた後藤君(前列右から3人目)。
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幹事の粋な計らいで、還暦を祝って赤いタオルが配られ、みなそれを巻いて記念写真を撮った・・・・・・。
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宴会は午後6時過ぎから始まった。豪華景品が全員に当たるビンゴーゲームや現金で1万8千円がもらえるじゃんけん大会など15人の幹事さんたちがユニークな指向をこらしてくれた。ありがとう~!☆
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午後8時過ぎから会場を移して二次会が始まった・・・・・・。
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会社員、教員、牧畜家、官僚、大工、写真家、看護士、会社役員、主婦、整体士・・・・・・・現在は様々な職業についているけれどもみな幼な馴染みだ。すぐに打ち解けあえるから不思議だ・・・・・・・・。
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朝、4時には帰った人、逆に夕べ遅く駆けつけてきた人などあったが、残っていた人だけで旅館の前での記念写真。その後、22人が参加してまもなく湖底に沈んでしまう「関東耶馬渓」こと赤妻渓谷へ散策に行くことになった・・・・・・・・・。
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鹿飛橋から見た吾妻川。
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以前はこの鹿飛橋の上に、「野猿茶屋」という店があり、そこの女将が俳人で夏女という俳号を持っていた。訪れたという若山牧水の話をよくしてくれた。吾妻渓谷を詠んだ牧水の歌もたくさん残っている・・・・・・・。
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40年ぶりぐらいの散策だった。峪側の路はずいぶんと整備されてはいたが、けっこうハードだった。
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大木の広葉樹林が広がっていた。まだ紅葉には早かったが11月頃には見頃を迎える・・・・・・・・。
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新しく建設された不動大橋から水没する下流方面を望む。国道145号線、JR吾妻線も同じ運命だ・・・・・・・。今年も例年同様田んぼには黄金の稲がたわわに実っているのが物悲しい・・・・・・・・。
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上流の長野原、草津、万座方面を望む。
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地元、原町に戻ってから少し遅い昼食を取った・・・・・・。
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僕の実家から100メートルばかりの所に家があるKちゃん(右)。お孫さんが5人いるという・・・・・・・。横浜から車を運転してきたというTさんと。
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昼食には20人が参加した。最後に残った同級生たちと岩櫃城温泉を背景に記念写真を撮った・・・・・・・。以前にここで僕の写真展を開催して3000人が入った。そしてこの前の東日本大震災の直後には数百人の被災者がここで暮らしていたのである・・・・・・・・。



 

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