去年今年幾山河をあゆみ初む (2007年)
初空や赤城の桑樹天を衝く (2008年)
背を向けて全山枯野のなかにをる (2009年)
たましひを放つ独りの初湯かな (2010年)
この4年間、賀状に添えた僕の俳句であるが、おそらく出来はそんなに良くはない。それは十二分にわかってはいる。・・・が、これからもこのパターンは続けるつもりである。「一年の計は元旦にあり」などと言われるが、僕なりの新しい年の目標とも言うべき課題を実行するぞ!と言う決意表明なのである。今日これから80歳をこえた母が独り待つ田舎へ帰省する。本年のもうひとつやりたいことは、この母とできるだけ多くの時間を共有したいと言うことである。19年前に逝った父は、僕がヒマラヤの取材中に亡くなった。長男の僕としては何もしてやれなかった事への自責の念が残った。それからずーと独りで生きてきた母にはそうした思いはさせたくないと思っている。40年前に田舎を飛び出してから帰って何ひとつ親孝行らしいことをして来なかった者のせめてもの務めであると思うのである。
新しい年は、さらに精進を重ねますゆえ、皆様のご指導、ご鞭撻のほどくれぐれもよろしくお願いいたしまする。 合掌