写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.1003] 2017年2月2日 「奄美群島・SIGMAdp1カメラ日記」VOL.Ⅱ 世界に誇る奄美島唄アーティスト・川畑さおりさんの故郷☆喜界島を訪ねた・・・。そして奄美最後の夜は、島唄名人・西和美さんの店”かずみ”へ。29日は田中一村記念美術館へ学芸員との打ち合わせに行った~!☆

 

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2017年1月27日、奄美空港から望む喜界島。喜界島は鹿児島から南に約380km、奄美大島の東25kmに浮かぶ隆起サンゴ礁からなる島。周囲48キロの小さな島だ。
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奄美大島から喜界島まで飛行機ではわずか20分。離陸したかと思うとすぐに着陸態勢に入る。飛行機の窓からも平らな喜界島が見えた。ちなみに往復割引を使うとエアチケット代は15,300円。
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正午前に着いたので、僕は24時間50CCのレンタルバイクを借りた(2200円)。これで島中を回って取材しょうと思ったのである。事実、喜界島の東西南北ほぼすべてを回ることが出来た。無論、僕一人で・・・・。島の中央に広がる標高203mの隆起サンゴの高台にある百之台国定公園から望む嘉鈍の集落。
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手久津久集落にある巨大ガジュマル群。この樹は樹齢は100年を超えており、枝幅42m、幹回りは16mある。島一番のパワースポットとして最近人気を高めている・・・。
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蒲生集落の夫婦ガジュマルの近く、道の反対側にあったガジュマルの樹。夫婦ガジュマルは樹齢300年以上と推定されている。
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台風に備えて先人たちが築いた石垣は、島の至る所で見られる。とりわけ阿伝集落のサンゴの石垣は長く続いており、美しい・・・。
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約4年ぶりの再会だった・・・。友人の奄美の久野さんが何度か連絡しても、電話番号を聞いて僕が連絡してもつながらなかった。、確か4年前に中央公民館に勤めていると言っていたのを思い出し、喜界島についてから役場に電話をして番号を聞いて、電話をしてみたら何と電話口に本人の川畑さおりちゃんが出たのである。「先生ごぶさたしています~!☆」と・・・。
その日の夕方、島の取材を終えてからバイクで公民館を訪ねてみると、4年前と変わらぬ爽やかな笑顔で迎えてくれた。小一時間ほどしゃべったろうか。その時にあいさつ代わりに撮影したさおりちゃんのプロフィールの一部を紹介する・・・。

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夕食を僕に付き合ってくれると宿に迎えに来てくれた。僕が島の魚と料理が食べたいというと「和食厨房 天晴」へ連れて行ってくれた。島の美味な肴とさおりちやんの笑顔を見ながらの島酒は旨かった。彼女が薦めるままに島酒をロックで次々に空けて行った・・・・。勿論、歌姫は喉を守ることもあり、烏龍茶だけで付き合ってくれたのである。ありがとう~☆

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島唄者・川畑さおりさんの経歴については、ネットなどで詳しくみていただければと思うが、ここでは簡単に彼女のプロフィールを紹介する。

2010年、民謡民舞全国大会・内閣総理大臣杯優秀賞受賞、2012年、日本民謡ヤングフェスティバル全国大会グランプリ受賞、2013年、高円宮殿下記念表彰、2016年、鹿児島県知事・鹿児島県芸術文化奨励賞受賞など。上げて行けば切りがないほど数々の賞を受賞しているのである。まぎれもなく川畑さおりは、喜界島が生んだ奄美島唄者の”珠玉”であろう。これからさらに精進を重ねて”喜界島の風と香り”をまとったアーティストとして大成することを心より期待している・・・。

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喜界島の郷土料理の山羊の刺身。さおりちゃんの大好物で2皿ペロリ平らげた。島の人によれば喜界島の山羊は、ガジュマルの葉が大好きでよく食べるので臭みがないのだという。僕も沖縄料理として何度も山羊刺しを食べたことがあったが確かに臭みは全くなくうま味があった。
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魚は午後6時半に漁船が上がるので、魚を見てから盛り付けしてくれた。豆腐も自家製で美味だった。サクナー(長命草)の天ぷらも・・・。
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島自慢の油そうめん。他の土地の油そうめんとは違った。いりこと鰹でとった出汁を茹でたそうめんに絡ませて食べるシンプルだけども病みつきになる旨さだ。
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「天晴」の大将とさおりちゃん。
初めての出会いは鹿児島在住の写真家・村上光明君の写真集『神々の島 奄美』の出版記念パーティだった。さおりちゃんがこの本の表紙のモデルであり、パーティで行われた島唄コンサートに全国民謡大賞日本一に輝いた中村瑞希さんと共演したのだった。僕は村上君との係わりからパーティの発起人の一人として参加していた。2013年5月26日、鹿児島市・城山観光ホテルでのことであった。その時に彼女から手渡された2つのCD「永遠の碧」、「花」は、いまでも僕のアトリエに流れている・・・・。

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お店の人に撮ってもらう。ハ~イチ~ズ!!
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翌、28日は朝から昨日回らなかった場所を巡った。七島鼻、百之台国定公園、サトウキビの一本道、ムチャ加那公園、雁股の泉、小野津海岸など。昼食を取っていなかったので早めに空港に戻った。バイクのガソリン代は200円超だった。出発時間の15:15分まで大分あるので空港内にある小さな売店兼食堂に入った。100円もしないコロッケやたこ焼きなど注文して、島酒を勝手に棚から持ってきて原価で飲めるといううれしいサービスだ。2時間ほどいたので、店の人とはすっかり仲良しになった。帰り間際に彼女は自分のスマホで何故か僕とのツーショツトを撮った・・・。

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奄美最後の夜は、やはり和美女将と娘の恵子ちゃんが切り盛りしている「かずみ」へ。地元の写真家・武部守俊君が付き合ってくれた。ありがとうね~!☆
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26日にここかずみで一緒に飲んだ中原さんという絵も島唄もやる人が、夜光貝の殻で作った匙を二つ僕に届けてくれていた。飲んだ時に彼の家では代々お正月にはこの夜光貝の匙を使って食事をするのを習わしにしているという話をした。6~7世紀頃にはすでに使われていたというこの匙には僕は興味を持っていたので「いいですね~」というと「それなら先生に差し上げます」と言うのだ。半信半疑だったのですっかり忘れていたら、何と「かずみ」2つしっかりと届いていた。

この夜光貝で作った匙は、国指定重要文化財・小湊フワガネク遺跡から出土されている。それを参考に中原さんが手作りで仕上げたのだという。僕はうっかりしていてその中原さんの正確な名前も住所も連絡先も聞いていなかった。ともかく中原さんに感謝しつつ、古代人の気持にこころ寄せて島酒「長雲」注いで飲んでみた・・・・。 合掌                                                                       (撮影:武部守俊)

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市美術展覧会の美術部門の審査員の井上伸久さん(僕の左)夫婦が新潟県村上市から来たという友達と一緒に来ていた。
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帰京する29日は朝から地元奄美の写真家・久野末勝さんと武部守俊君と来年企画している写真展の打ち合わせをニッコールクラブ奄美群島支部の事務所を借りてした。昼飯は久野さんお薦めの島料理NO,1の店に行って食べた。僕も何度か来たことがある。この日は島の正月だったので、祝いのお吸い物や餅料理なども出た。奄美最後の食事にふさわしかった・・・。
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田中一村記念美術館で久野末勝さんと。
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写真家・武部守俊君と。
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美味しい田中一村記念美術館の珈琲。喜界島のゴマ入り黒糖が付いていた・・・。
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この日は先日、里村強志田中一村記念美術館次長と話したことを元に、学芸専門員の花山潤治さんに3人で話し合った企画内容を提案した。それは簡単に言うと写真展「彜人と奄美人ー山の民と海の民(仮)」(撮影:小松健一、烏里烏沙、久野末勝、武部守俊)を2018年夏ごろに開催する。

関連した催しとして、島唄&写真のコラボライブ、写真教室、撮影会、作家のギャラリートーク、島外からのツアーなどについても話をした。 この企画が成功すれば、奄美群島の写真創作活動がまた大きく動くに違いないと確信するものである・・・・。  合掌

 

 

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