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[no.260] 2011年1月14日 渡辺幸雄写真展、新山清写真展&ギャラリーコスモス新春パーティに行く。「秘境ヒマラヤ 父と子の旅」以来、20数年ぶりに息子とじっくりと語った・・・・。     

1月11日、銀座キャノンギャラリーで開かれていた渡辺幸雄写真展「Mountain Harmonyー光の協奏曲」を見にいった。この展覧会は12日までだったが、これから福岡、大阪、名古屋、仙台、札幌と5月までかけて巡回される。また、品川のキヤノンSタワー2Fでは、渡辺幸雄写真展「山稜光景」が2月4日まで開催されている。渡辺さんは信州・松本に移り住んで撮影をしている本格的な山岳写真家である。日本写真家協会と日本写真家ユニオンの仲間でもある。数年前に銀座・新居ギャラリーで、水越武さんや石川文洋さんたちと一緒に、「JPUオリジナルプリント展」をした仲でもある。

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その足で目黒にあるギャラリーコスモスへ行った。新山清の世界ービンテージプリント写真展

『石・水』のオープニングをかねてギャラリーの新春パーティが開かれるからだ。社長の新山洋一さんから案内状をいただいていたので、「風」のメンバー数人にも呼びかけていた。写真展のプリントはすばらしい出来栄えで感嘆した。同時発売となっていた新山清写真集『ソルントン時代』も購入した。鈴木「風」事務局長と新山社長でこの秋に写真研究会「風」展をコスモスギャラリーで開催する方向で検討することを話し合っていた。ちなみに新山清は、洋一さんの父親である。写真展は1月23日まで。一見の価値大いにあり。

 

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昨日の夕方、突然に息子から数年ぶりに電話があって、これから行ってもいいかと言う。3年程前にこれまた突然に、8~9年ぶりに家に彼女とともに訪れて以来だった。6時過ぎにみやげにと果物を持って来て、3時間ほど居た。夕飯を有り合わせの物で僕が作って一緒に食べた。息子は今年、34歳になるという。もうすっかり壮年である。体重も僕がよく知っていた頃と比べると倍近くになっていた。いろいろと積もる話を重ねた。こんなにじっくりと話したのは、息子がまだ12歳のときに2人で奥ヒマラヤの3000~4000メートルの山中を2ヶ月半テント暮らしをしながら歩いた時以来だろう。20代の頃は、沖縄や新潟などを巡っていたようだが詳しいことはよく知らなかった。

訪ねた目的を聞くと「お父さんが元気なうちに孫を抱かせてやりたいんだ。僕、こんど結婚するよ・・・・・」とぼそりと言った。「お母さんも喜ぶと思うし」。・・・・・・・ しばらく声が出なかった。黙って成長し髭面になった倅の顔を見続けることしかできなかった・・・・・。うれしかったのである。こんな時が訪れようとは・・・・・・。しかし話を聞くといくつかクリアしなければならない事があったが、それについては最大限協力をすることを約束した。たいして力にはなれない駄目な父ではあるが・・・・・・。いままでに何もしてやれなかった父親としては、ここは踏ん張らなければと思った・・・・・・。倅にブログをやっているので、「おまえの写真を載せるぞ~」というと「えっ!お父さんがブログを」とビックリしていた。僕のサイトのギャラリーを見て、一緒にヒマラヤを歩いたときの写真がたくさんアップされているのでなつかしそうに見つめていた。「あっこのシェルパの人、いい人だったんだよね」などと言いながら。しかし僕が「彼は数年前に、エベレストで雪崩で死んだよ」というと押し黙ってしまった・・・・・・・。

親子で秘境といわれていた西ネーパルの最奥地・ドルパ地方とムスタン地方を約80日間かけて歩いた日々がなければ、僕の写真人生は、はるかにつまらないものになっていたのは明らかである。そう言う意味では こころからありがとうと息子にいいたい。 ・・・・・・・・・・・あの日々からすでに22年の歳月が流れている。    合掌


 

 

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