写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

2017年5月アーカイブ

 

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朝から雨が降り続く5月26日、東京都写真美術館で開催した公益社団法人日本写真家協会の総会に参加した。いつもの通り議論らしい議論も交わされづに、予定よりも2時間ほど早く終了した。会員懇親会には2時間半以上の時間があるため、出席を予定していた会員も帰る人がいた。

事業、決算報告や事業計画、予算書などについては、例年とほぼ変わりはないが、役員の改選があった。これまた数人が入れ替わっただけで大幅な若返りなどもなかった。しかし、副会長に野町和嘉さんが選出されたことが少しばかり新鮮な感じがした。総会終了後、野町さんと「ご苦労様です」と、固い握手を交わした・・・。
壇上で紹介される新役員たち。あいさつをする再任された会長の熊切圭介さん、副会長は再任の松本徳彦さん、専務理事も再任された山口勝廣さん。

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同じ写真美術館で5月20日~6月4日まで開催されているJPS展に行った。総会前と終わってからと2度も見た。疲れた・・・。
正面の写真は文部科学大臣賞の「帰依」(増田俊次・福岡)、東京都知事賞の「不安」(後藤芙美子・埼玉)、18歳以下最優秀賞の「Dreamer」(西端優花・大阪)。会員作品も含めて、全部で465点が展示されている。

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2回目の写真展を見ている時に、「風」同人の眞月美雨さんと会った。都内の用事を済ませて4時頃に来たという。1時間ほど見てから一杯付き合うことにした。写真は美術館へ行く通路に展示されている写真家・植田正治さんの「砂丘シリーズ」の作品の前で(撮影:眞月美雨)。
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いつも行っている表参道の美容室でカットをしてもらい、4月に入院していた四谷の病院へ診察に行ってきたと言う。順調に回復していると主治医に言われたと安心していた・・・。良かったね~!☆
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僕が30年ほど前から行っている「やきとり日本一」を看板に掲げている「恵比寿 たつや」のカウンターで飲む美雨さん。懇親会に行くの面倒くさくなってしまった( ^ω^)・・・ ごめんなさい。
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隣で一人飲んでいた人のやきとりを撮らしてもらう。それにしてもずいぶんと食べるもんだね~!!
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家に帰ってから沖縄・宮古島の友人から送られてきたパイナップルを丸ごと食べた。久しぶりに食べたが、甘くてジューシーでメチャ美味しかった~!☆!☆ ご馳走様でした・・・。 合掌

先日、中央区晴海にあるホテルマリナーズコート東京において、第28回マリナーズ・アイ展の公募作品の審査が行われた。朝10時から始まった審査は昼食を挟んで、午後6時30分までの8時間半にわたって厳正に行われたのだ。審査は僕と昨年に続き、(株)日本写真企画「フォトコン」藤森邦晃編集長(右)が担当した。

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午前中と言っても午後1時までかかったが、第一次選考で応募作品を全て2人で見た。約3、800点だから見ごたえがあったのは言うまでもない・・・。左は「マリナーズ・アイ」展事務局担当の飯田美映子さん。
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少し遅い昼食は、同ホテルのレストランで。席からは3年後の2020年に開かれる東京オリンピックの選手村となるマンションの建設工事が急ピッチで行われている現場が一望に見渡せた。手前の道路は、豊洲から築地市場へとつながるはずだが、現在は築地が移転していないために中断されたままだ。左の運河の対岸に問題山積の豊洲新市場の建物がある・・・・。

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昼食は海鮮丼定食。結構なボリュームだった・・・。
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昼食後は、第二次審査、第三次審査をへて賞選考と進んだ。最終的にマリナーズ・アイ大賞1作品、推薦2作品、特選4作品、優秀賞8作品、海員福祉センター会長賞1点、特別賞1点、入選作品103点が8時間半余りの厳正な選考の結果、決定した。毎度ながら疲れた・・・・。

◆写真展は6月27日(火)~7月3日(月)まで、横浜・みなとみらいギャラリーで開催される。期日中の7月1日(土)午後2時~4時まで会場において作品解説を僕が行なう。自由参加で無料ですので、ふるってご参加ください。尚、本展終了後、神戸、北九州などで巡回展が予定されている。

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審査終了後、マリナーズ・アイ展事務局関係者と遅い夕食を兼ねたご苦労様会を同センターがある六本木へ戻ってからおこなった。藤森審査員は急な仕事のために残念ながら欠席となった。
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今回、僕と行くヒマラヤの東にあたるチベット東部から中部を巡る旅に出かけるメンバー。後2人いるが、一人は西表島にて撮影中、もう一人は鹿児島在住のために欠席した。
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左手前は、世界的な釣師として知られる茂木陽一君。僕の高校時代の同級生だ。右奥は今回ガイド役も兼ねて一緒に行く、写真家&探検家&植物研究家でもある烏里烏沙君。
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近くの沖縄料理の店「みやらび」へ2次会・・・・。
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そしてさらにママもふくめて全員が中国黒龍江省出身者という店で3次会・・・。///? (;´д`)トホホ・・・・。 貧乏写真家の僕は全店ゴチになりました。ありがとう~!☆  合掌

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外は昨夜から冷たい雨が降り続いていた・・・。僕の仕事デスクの周辺。歳と共にすぐ手が届く場所に物を置く癖がついて、ごらんの様な有様である。
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左側がリュラさん。幼い頃から音楽に親しむ。ピアノ、リコーダー、ギター、パーカッション、シンセサイザーなど演奏をする。現在、ピアニスト、作曲家。
右がアムリッタ朝子さん。3歳よりバレエを始める。学生時代の10年間は、新体操競技に打ち込み国民体育大会優勝。日本ジュニア代表として国際大会に出場し優勝。2015年からカナダ、セドナ、パラオ、メキシコ、タイなど世界10か国以上の国々を巡り、様々な民族の音楽に合わせてともに舞い、祈りを捧げてきている・・・。

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2人はこの日、初めての出逢いだったという。お互いにイメージを大切にしながら即行で弾き、踊ったのだ・・・・。
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写真はすべて、「シグマDP1」 28ミリレンズ1本で撮影したものだ。
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”宇宙のメッセンジャー”Jiro`さんの「宇宙や自然への愛が溢れる神秘的なアート」をプロジェクション。
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Jiro`さん(真ん中)が2人に作品をプレゼント。彼は都内で33年間コンビニを経営。その傍らキックボクシングの世界に33年間身を置いているというユニークなプロフィールの持ち主である。
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主催者の音楽Gardenの代表者が閉会のあいさつをした・・・。
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来日したばかりの朝子さんの夫であるマシューさんを紹介する。
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朝子・マシュー夫婦と・・・。
実は朝子さんから4年ぶりに突然電話があり、この企画を知らされ、ぜひに来て欲しいと言われたのだ。僕も一瞬戸惑ったが、電話の向こうの声があまりにも生き生きとしていたので4年ぶりの再会をと思ったのである。2012年10月に朝霞市立図書館で開催した僕の個展「ヒマラヤ古寺巡礼」を観に来てくれたのが初めての出会いだった。

以来、「三国志巡禮」、「上州の探検家・矢島保冶」など僕の展覧会には必ず見に来てくれていたのだが、2013年4月を境にぷっりと連絡が途切れた。当時の彼女は自らが主宰する体操教室やバレエ教室を指導・運営しながら母として大学生を筆頭にした3人の娘さんたちを育てていた。また良き妻としてサラリーマンの夫を支えていたようだった・・・。

僕にすればそんな彼女が何故、突然離婚をし、体操教室を閉め、家庭を離れてまで「地球巡礼」の旅に出たのか・・・。また母の闘病と看護、そして死も重なった・・・・。電話口で話を聞いて正直驚いたし、意味もよく理解できなかった・・・・。でもこの日、4年前よりもはるかに人生を豊かに生きているというオーラが滲みでている素直な顔の朝子さんを見て、全てが納得できたのであった。これからの彼女の人生に幸あれ・・・・。 合掌

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僕は交流会も途中で、その後の二次会は無論お断りをした。朝子さんが最後まで見送ってくれたが、一人で会場の外に出た。冷たい雨は上がっていた・・・。何となく僕とは異なる雰囲気をもった集団に感じて、居心地があまりよくなかったこともあった。すぐ近くの路地に小さな飲み屋街があったので迷わずに足を踏み入れた。

間口は9尺ばかりで路地の長さは50メートル。そこに32軒の飲み屋が軒を連ねていた。狭い店はどこも満席、常連客がカラオケのマイクを握って歌いまくっていた。これは入れそうもないなと諦めかけていたが一軒だけ立ち飲みのやきとり屋があり、そこだけ席が空いていた。さっそくホッピーの白セットを頼んでから親父さんに聞くとここは「辰巳新道」と呼ばれる飲み屋横丁だった。

終戦の年の3月10日の東京大空襲でここら辺り一帯は焦土化し、敗戦後は闇市だったという。昭和24年頃から飲み屋街が形成されて今日に至っているという。いまでも昭和時代のレトロな建物がそのまま残っていてノスタルジックな雰囲気が漂っている・・・。僕はホッピー2杯の他に、チューハイをやりながら焼き鳥2本(ネギ間とカシラ)、ハムカツ、アジフライ、ガツ刺しを肴にした。朝食べたきりで少々お腹がすいていたのである。締めて1380円だった・・・。

 

 

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日本中国友好写真協会の創立は、小松健一、BAKU齋藤、渡辺千昭、川井靖元、周剣生、馮学敏、周橋、烏里烏沙の各氏をはじめ、18人の日本と中国の写真家たちが発起人として名前を連ねている。29日の創立総会並びに記念講演会に、ご参加いただくとともにぜひ、創立会員になっていただきたいと切にお願いするものです。総会終了後、懇親会を予定しています。合わせてご参加ください。

記念講演をしていただく北里環境科学センター理事長の伊藤俊洋氏には、同協会の顧問を引き受けていただく予定となっています。 伊藤氏は現在、さまざまな要職についておられますが、主な役職を紹介しておきます。 第27代日本油化学会会長を務め、現在は同会名誉会員。極限環境生物学会副会長、中国瀋陽薬科大学客員教授、(益社)山梨科学アカデミー理事など。

 

 

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6月5日(月)~10日(土)まで東武東上線志木駅に隣接する「にいざほっとぷらざギャラリー」で開かれる第35回記念「写真集団・上福岡」写真展を間近に控えて最終的な打ち合わせを兼ねた例会がおこなわれた。DMも完成して、展示構成も決めた・・・。
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◆写真展初日の午後3時から4時30分まで、37年間顧問をしてきた僕が講師で作品全体の講評会を行う。参加費無料で誰でも参加できますのでふるってご参加ください~!待っています~!☆
◆5時からは会場の近くの居酒屋・三福で「懇親会」を開きます。参加費は3.000円程度。合わせてご参加ください・・・。
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第35回記念「写真集団・上福岡」写真展のダイレクトメール。
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会場の壁面を10分の1にした模擬壁面を作り、各自がどう構成するか討論しながら配置を決めていく。今年から3年ぶりに半切で20点展示する個展を復活させた。第35回記念展と一緒に個展をするのは、平松晃四郎会員の「記憶の淵」だ。モノクロームの現風景をまるで幻影のような私風景へと誘う表現は力作である・・・。
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例会終了後、希望者で上福岡では老舗の「鳥八」へ行って乾杯~!!

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この店の焼き鳥はもちろんだが、とり鍋、鳥刺しなども旨い。そして毎日魚は異なるが、”今日の刺身盛”もいける・・・。
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この日もお孫さんのYちゃんがアルバイトの帰りに店に顔を出した。鳥八の”看板娘”をパチリ~!☆
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内の玄関前で毎年咲く花・・・(お隣のお花です)。
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5年程前から年に1度ほど東放学園映画専門学校2年生の特別授業のゲスト講師として招かれている。映像関係の授業で僕の写真論を語っている。今回は初めてここ2年間で撮影した中国・彜族の生活などの写真を見てもらった。授業が終わったあと残っていた学生たちと。僕の左は担当講師の金大偉先生。彼は映画監督をはじめ、音楽家、映像アーティストなど幅広く活動をしている表現者だ・・・。

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このクラスの4分の1は、中国、韓国、台湾からの留学生たちだった・・・。
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リコーイメージングスクエア新宿で15日まで開催している坂上行男写真展「駅の時間」を見た。左から作者の坂上さん、奥様、地元の友人。彼は僕と同郷の上州だった。歳も同世代。今回の写真展は自分の生まれ故郷の群馬県邑楽郡明和町にある川俣駅周辺を撮影したものだ。

この町は同じ上州と言っても僕が育った越後、信濃の県境に近い山間の吾妻とはまったく気候風土が異なる土地である。利根川を挟んで埼玉に隣接している関東平野のど真ん中の地域だ。明治の文豪・田山花袋が愛した土地としても知られている。また、1900年におきた日本初の公害闘争・川俣事件発祥の地としても知られる。現在人口、11、414人と言う小さな町である・・・。

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5月29日創立総会を迎える「日本中国友好写真家協会」の呼びかけ発起人である写真家・烏里烏沙くんと眞月美雨さんとで設立総会記念講演会「『宇宙生命哲学』事始め 我々は何処から来たのか、今、何処にいるのか、そして地球環境核戦争が始まった」(講演:伊藤俊洋氏)のパンフと同協会の創立会員のよびかけを持って各団体やギャラリーを廻った。
夜、夕食を兼ねて、新宿でささやかなご苦労さん会を3人でした・・・・。

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僕と烏里くんは焼酎のホッピー割りを手始めに、芋焼酎、黒糖焼酎、泡盛を呑んだ・・・・。

実はこの作業は昨年春から本格的に始めてきた。昨年中は、ここ5~6年間で撮影したデジタルカメラのデータ約8万点から500点ほどに絞り込む作業し、プリントを終えた。今年に入ってからさらにセレクトを重ねて、3分の1の180点余りまでにした。

また僕が1990年から撮影をしてきたのは全てポジフィルムだ。この25年間、十数万点におよぶ膨大なフイルム1コマ1コマを全て見直し、第1次では約1000点を選び、この間それを220点までに絞り込んだのだ・・・・。

民族は彜族、チベット族、白族、納西族、タイ族、苗族、プイ族、ハニ族、回族、漢族など・・・・。  単に民族の紹介でなく、その民族の歴史や文化、宗教、仕事、暮らしなどとともに自然環境などを丁寧に見つめるよう努めてきた。下の写真は彜族(いぞく)の人々。主に2016年と2015年に取材をした中から何カットかを紹介する~!☆!☆

◆彜族についての解説は最後に記してしている◆

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彜族について簡単に説明をしておこう。彜族の総人口は現在約1,200万人。中国領内は1,100万人で中国の少数民族のなかで人口は6番目に多い。主に中国西南部(雲南省・貴州省・四川省、広西チワン族自地区)の山岳丘陵地に広く分布している。なかでも四川省涼山彜族自治州は、彜族最大の居住地だ。ミャンマー、ベトナム北部、タイ北部などにも一部居住している。

宗教はなく、シャマニズム・自然先祖崇拝(ピモと呼ばれる多くの祭司がいる)。言語は今も彜文字を使い、彜語を話す。四川省大涼山一帯に集中して居住する黒彜集団は、中華民国時代になっても黒彜の奴隷主がその支配を強力に維持し、それは「口口独立国」といわれるほどであった。20世紀、1950年代後半までこの地では奴隷制が敷かれ、人間の売買が公然と行なわれていた。

一説によれば約6000年前の地層から発掘された埋蔵物に彜族文字が彫られていて現在、中国において研究が進んでいるという。とにかく古い歴史を持った民族ではある。彜族は騎馬民族で勇猛果敢であり、幼少の頃から老若男女を問わず、酒、タバコ、豚肉をこよなく愛する民でもある・・・・。

 

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2017年4月30日の日没(自宅前の畑で)
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昭和という時代を刻んだ240人の肖像写真は、圧巻だった。あらためて「写真家 田沼武能」の大きさを認識した。また田沼武能という写真家と同時代を生きていられることを誇りに思った・・・。

目次は第1部 芸と理を究む 第2部 詩文の世界で 第3部 空間とデザイン 第4部 絵画と彫刻と に分かれている。序文を大村彦次郎 取材ノート・文献を著者が記している。本のサイズは200X265ミリで、324ページ。上製本、2色刷り。 定価:3,000円+税 ぜひ、一冊手元において時折、珈琲など飲みながらページをめくりたい本だ。昭和文化の色濃い香りが漂ってくる良著である・・・。

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田沼さんの師匠である木村伊兵衛さん(1956年撮影)と、晩年の10年程僕も何度かお会いして学ばせてもらった土門拳さん(1953年撮影)を掲載したページ。

この写真集をめくっていて思い出したことが2つあった。その一つは、僕の日本写真家協会の推薦保証人にもなってくれた写真家・田村茂さんのことだ。田村さんは『現代日本の百人』(文藝春秋社刊)に代表されるように、土門拳の『風貌』と並んで肖像写真の評価は高い。ちなみに田村さんは1906(明治39)年生まれ、存命していれば111歳だ。その田村さんが撮影した佐藤春夫や高村光太郎の写真を暗室に潜り何枚もプリントしたことだ。

もう一つは、かって田沼さんが新宿のコニカギャラリーで個展をしたときのオープニングパーティで、あいさつにに立った作家の山口瞳さんが「田沼さんの写真の魅力の本質は肖像写真にある。こちらをさらに極めてほしい・・・」と言ったことを思い浮かべたのである。

田沼さんは、この写真集に自筆で揮毫し、さらに丁重な手紙まで付けて贈って来てくれた。心からの感謝の意を表したい・・・。 合掌

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著者である芳賀日出男さんは、96歳を迎えられた僕ら写真家にとっての大先輩である。特に僕にとっては「飯田市藤本四八写真文化賞」の第1回受賞者が芳賀さんで、第2回の受賞が僕であったことから、とりわけ親しくしていただいた。芳賀さんと言えば日本中はもとより世界百十数ヵ国の習俗を取材し続けたことで知られている。本書は人と神との交わりを、東西の祭礼を通して312ページ、写真430点を収めた集大成となっている。

目次は、第1部 神を迎える 第2部 神を纏う 第3部 神が顕わる 第4部 神に供す となっており、例えば第2部は、装飾、仮面、人形のように各章ともさらに細かく分かれている。末巻の「カメラを手にして90年」の著者の文章は、芳賀さんの96年の人生と人間性そのものが赤裸々に描かれており、深く心が打たれた・・・・。

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写真は本文より。 実はこの本の出版を記念したパーティが4月12日、角川本社ビルで行われた。当然、僕は真っ先に行かなければと思っていたが、残念ながら1年前からこの時期、宮崎・日向市と鹿児島市へ行くことが決まっていたので出席できなかった。僕はその事情を手紙に書くとともに、お祝いの気持ちを込めて芳賀さんへ一句贈った・・・。  民俗写真貫きとほす祭りひと  風写

すると日を置かず直ぐに『写真民俗学 東西の神々』が贈られてきた。それも96歳とは思えないしっかりとした署名を添えてだ。A3版の決して大きくない本ではあるが、この中にはヨーロッパ、オセアニア、アジア、南米、北米、そして日本など各地の120以上の祭礼が写真と共に、貴重な取材記録が収められており、ずっしりと重い。民族や歴史文化の異なる様々な神事・祭礼には興味を惹かれるとともに資料的価値も高いと思った。ぜひ、一冊手元に置いておきたい本である・・・・。

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この写真集は、写真を担当した藤田庄市が10数年間にわたり、伊勢神宮の春夏秋冬すべての神事と遷宮。それらを取り巻く自然も含めて深く丹念に記録するとともに、表現においても神の気配を感じさせる重厚さを得て、日本独特の歴史と文化をみごとに捉えている・・・・。

何度見ていても飽きさせない久しぶりの力のこもった写真集である。編集・構成は、写真集の編集では抜群に定評が高い、新潮社の金川功編集委員が担当している。僕の著書『心に残る「三国志」の言葉』と『太宰治と旅する津軽』も彼と一緒にした仕事である・・・。

実は藤田庄市さんとは、まだ僕が20歳頃からの友人で「庄ちゃん」と呼ぶような仲だった。彼は様々な報道写真を撮影し、国内外に発信していた通信社の写真部に所属していた。僕は青年・学生向けの新聞社の写真部にいた。都内の出版や新聞など写真部にいた若い写真家が有楽町の片隅に集まって月に1度写真の勉強会をし、よく呑んで討論していた。
その頃、土門拳、田村茂、藤本四八、伊藤逸平、田中雅夫、伊藤知己、丹野章、目島恵一、川嶋浩、英伸三さんらが中心となって現代写真研究所が開校することとなった。その第1期生として本科1年に入ったのが僕と藤田庄市さんだった。他にはいま、フォトジャーナリストとして活躍している森住卓君などがいた・・・。庄ちゃんは、僕の結婚式の実行委員にもなってくれ、写真の撮影もしてくれた。1974年のことだ。懐かしい思い出ではある・・・・。

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2017年5月1日の夕暮れ(自宅前から)

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