写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.1010] 2017年3月3日 今日は桃の節句、桃花節~!☆ 林義勝写真展「文学のふるさとを巡る」(J-POWER本店1Fロビー/3月10日まで)、東松照明「 おお!新宿」展(Akio Nagasawa Gallery/4月2日まで)、熊切圭介写真展「三都物語り ウィーン・プラハ・ブタペストの鉄」(銀座キャノンギャラリー/2月8日まで)を巡った・・・。

荒地野となりたる町の流し雛  風写   小女子の目に春愁のありにけり  風写

上句は、6年前の3,11東日本大震災直後に詠んだ一連の句の中のものである。早いものでもう6年の歳月が流れるが、今だ故郷に帰れない避難民は10万人を超えている。そしてまた、女児のいる家で幸福や成長を祈る雛祭りが巡って来た・・・。

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親しい写真仲間の林義勝さんが銀座で写真展をしているので出かけた。会場に着いたらこれまた仲の良い写真家・鈴木一雄さんがいたので一緒に写真を撮る。同世代の3人でいつの日か面白い企画を考えようと話し合っている・・・・。(右から鈴木、林、僕)
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文学者の中西進さんが探った日本名作小説の42の原風景を写真家・林勝義の眼で捉えた42作品を展示している。 志賀直哉『城の崎にて』、川端康成『古都』、島崎藤村『夜明け前』、太宰治『富嶽百景』、宮本百合子『播州平野』、森鴎外『雁』、夏目漱石『三四郎』、樋口一葉『たけくらべ』など42編の小説の舞台を3年間かけて取材している・・・。

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写真家・眞月美雨さんも2人とは顔見知りだ・・・。
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東松照明さんが1969年12月15日に刊行した写真集『おお!新宿』(発行:写研 定価:960円)の表紙と中ページより。 この写真集は1972年に都内の片隅のおばあさんがやっていた小さな古本屋で求めたもの。東松さんが詩人・長田弘宛ての直筆サインも記されている。
写真集には悲痛ともいえる東松さんの叫びが裏表紙に綴られている。若かった僕はこのメッセージに完全にいかれた。その最終章の一節を紹介する。「1969年冬 新宿の街を吹き抜ける風はめっぽう冷たく ’70年から逆流して現在に荒れ狂う鉄の暴風によって<<自由>>は吹きちぎられようとしている 国家権力の黒い影が・・・・・・・・おお!新宿」

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3月2日の19:00から東松照明さんの奥様で、今回の作品のプリンターである東松泰子(右)さんを迎えての内覧会が開かれた。
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左から写真家の芥川仁さん、森山大道さん、桜井秀さん。
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宮崎市から上京した芥川さんと銀座にある新居ギャラリー代表の新居龍太さん。
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写真家の沢渡朗さん(中央)も出席していた。
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桜井さんは、東松照明さん、丹野章さん、細江英公さん、奈良原一高さん、川田喜久治さん、佐藤明さんの6人が結成したフォトエージェンシ「VIVO」の暗室マンをやっていた。解散することが決まった後に入って来たのが森山大道さんだ。その後、森山さんは細江さんのアシスタントとして働くことになったのである。協同組合日本写真家ユニオン前理事長の芥川さんと熱い話をしていた。

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久しぶりに森山さんに会ったので記念写真を撮った。美雨さんは彼の大ファンだというので一諸に・・・・。(撮影:芥川 仁)
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熊切圭介写真展の会場で。右から写真家の福永一興さん、木村恵一さん、公益社団法人日本写真家協会会長・熊切圭介さん。
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左から熊切圭介さん、英伸三さん、木村恵一さん、3人とも同世代である・・・。
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オープニングパーティーには、大勢の人々が駆けつけていた・・・。
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熊切圭介さんと僕・・・。 熊切さんは、日大芸術部時代から写真家・丹野章さんの助手を務めていた。言わば丹野さんの一番弟子である。僕は丹野さんには写真については何一つ学んだことはなかった。でもいつも「小松は丹野の弟子」と多くの人たちから思われていた。日本リアリズム写真集団、協同組合日本写真家ユニオン、「反核・写真運動」、「憲法を考える写真人の会」などではいつも一緒に行動していたが・・・・。

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左から第一回飯田市藤本四八写真文化賞を受賞した97歳になる芳賀日出夫さん、第二回同賞を受賞したのは僕。芳賀さんの長男で写真家・芳賀日向さん、公益社団法人日本写真家協会名誉会員の木村恵一さん。芳賀さんは、今年で97歳、僕の耳元で「もう俺はいつ死んでもおかしくない。小松君、元気で良い写真を残してくれ・・・」と手を固く握りしめたのである・・・。

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香川県の僕の写真の弟子の一人であるSさんから讃岐オリーブ牛(黒毛和牛)が大量に送られてきた。 レンズが壊れてしまって撮れないと言うので、僕が使用してないレンズがあったから送った。このことに対してのお礼なのだろう。送ったのは、F2.8 24ミリ~70ミリのレンズである。これからの写真創作活動に少しでも役立ってもらえればうれしい限りだ。
さつそくその黒毛和牛の肉を使ってすき焼きを作った。下割りの汁は、喜界島の黒糖、みりん、日本酒、昆布つゆ、出汁醤油、などなどで作った・・・。木綿豆腐、どんこ椎茸、舞茸、シラタキ、長ネギ、春菊、白菜、はんぺん、麩・・・などを入れた。漬け汁にはヨード卵光と喜界島の胡麻。 僕がすき焼きを食べたのは、もう何十年前になるのか思い出せないくらい昔のことではある。何はともあれ美味しかった・・・・。 合掌

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