10月16日、浦和駅そばの路地にあるライブハウス「浦和ナルシス」へ、京都の友・あらい舞さんのライブを2年ぶりに聴きに行った。前日15日の下北沢ラウンでの単独ライブに行けなかったのでどうしてもと思い、出かけたのだ。
彼女と初めて会ったのは、確か大阪の難波花月ホールだったと思う。毎年の大晦日に夜通しコンサートをして、初詣に参加者と行っていた亡き河島英吾さんのライブでだった。その当時の舞ちゃんは、「英吾組」のメンバーでキイボードとバックコーラスを担当していて、全国ツアーに参加していた。僕はある雑誌の取材で、ずーと英吾さんを追いかけていた。そんな事がきっかけで話すようになり、お父さん、お母さん、妹の祐子ちゃんと家族ぐるみの付き合いが始まった・・・。
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ライブのポスター。




熱唱するあらい舞ちゃん・・・。(撮影はすべてシグマDP1 レンズ19ミリ F:2.8)

舞ちゃんと出逢ってから3年程たった1988年9月に彼女のエッセイとカットと僕の写真でコラボしたフォト&エッセイ集『夜明けまでピアノを弾いて』(あけび書房/1.900円)が出版された。前年1年間は集中して取材した記憶がある。 僕はこの本の中で次のように記している・・・。
「一見、華麗な業界のなかでアイドルやスターとしてでなく、人びとの心のなかに夢を咲かせることができたらと10年間”歌づくり”一筋に生きてきた彼女に、昨今の若い世代に忘れられつつあるひたむきさを感じた。 以来、カメラのファインダーを通して、シンガーソングライター・あらい舞の仕事と生活を追求し、表現してみよう。そのことによって、美しく、強く、しなやかに光ろうと日々葛藤をくり返し、自立をはじめた女性たちへ共感のメッセージを送りたい・・・」。
還暦をとうに過ぎた歳になって読んでみると、気恥ずかしい文章である。
しかし、彼女のライブを聴いて2人でぶつかり合い、文字通り葛藤しながら一冊の本を作り上げていったあの若かった日々が走馬灯のように思い起こされた。それだけ彼女の歌は、僕の魂を、血を震わせてくれたのだ。2年ぶりにライブを聴いたが、年を重ねるごとに彼女の歌声もパフォーマンスも美しく、豊かになっていると感じた。明日は京都の八坂神社の新嘗祭での奉納ライブだという。次に舞ちゃんと会うのが一段と楽しみである・・・。
帰路、一緒にライブへ行った友と一杯飲んだ。煌々とした満月を見上げながら、久々に旨い酒をいただいた・・・・。 合掌