写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.702] 2014年5月11日 渡辺一枝写真展「消されゆくチベット」(19日まで/神楽坂 セッションハウス・ガーデン)、「101年目のロバート キャパ~誰もがボブに憧れた~」(11日まで/東京都写真美術館)を見た・・・・・。

10日ぶりに都内に出た。久しぶりに写真展をいくつか見たいと思ったからだ。ひとつは渡辺一枝さんのチベットの写真展、もう一つは11日で終了してしまうロバート・キャパの写真展だ。昼過ぎからのんびりと出かけた。飯田橋から神楽坂までだらだら坂を登っていった。神楽坂の毘沙門天を過ぎ、赤城神社を過ぎた先の路地を入った所に、会場のセッションハウス・ガーデンはある。協同組合日本写真家ユニオンが創立した時に、記念して初のオリジナルプリント展を開催した場所でもある・・・・・・・・。

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5月9日の夕暮れ。この日は強い風が吹き、急に雷雨になったり一日中、気象が荒れた日だったが、夕方から天気は回復し、強風もやんだ。自宅の前の武州野の面影がまだ少し感じられる僕の好きな光景・・・・。
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1年ぶりの再会となる一枝さんとファンの方と写真展会場で。一枝さんは、いつもチベットの民族衣装をまとって、チベットを忘れないで連帯をしているという気持ちでいるという・・・・・・。彼女の一貫した人との接し方や眼差しにはいつも学ばされる。その姿勢が仕事に、福島、チベットなどに対してもすべて現れているのだ・・・・・・・。
★5月16日19:00~会場でトークの会がある(1500円)。また6月25日午後7時から、同会場において「渡辺一枝トークの会”福島の声を聞こう!VOL・11”」も開かれる。申し込み先:03-3266-0461(セッションハウス企画室)

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江戸時代から創業している神楽坂の相馬屋。明治の文豪・森鴎外や坪内逍遥などがこの相馬屋の原稿用紙を愛用していた。歌人・石川啄木も死の数ヶ月前に当時、病床にあった本郷から車屋を飛ばしてこの原稿用紙を求めに来たと日記に記している。僕も20年前ほどからここの原稿用紙を使っている。かっては200字詰めは朱、緑、ブラウンと3種類あったが、今回はブラウン色だけになっていた・・・・・・・。

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かっての風情ある神楽坂の町並みは消えた・・・・。江戸中期から創業していた由緒ある酒屋がなくなり、文豪・夏目漱石が子どもたちを連れてよく来た西洋亭も。老舗の履物店・助六はまだ営業していた・・・・。
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東京都写真美術館の入口。ここで公益社団法人日本写真家協会副会長の熊切圭介さんに声をかけられて15分ほど立ち話をした。熊切さんは「キャパの写真展は大盛況だった。あんなに若い人たちが真剣に見ている姿をみてうれしかったよ。ドキュメンタリーを追求してきた僕は・・・・・。写真表現の本来の有り様に確信がもてたような気がする。小松さんも同じ気持ちになるよ・・・・」と言ってやさしい顔をくずした・・・・・。

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ロバート・キャパの写真展のポスター。
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キャパが最後に使用していたカメラ・ニコンSが会場に飾られていた。僕はかって写真評論家の故・伊藤知巳さんに連れられて新宿のバー「みちくさ」へ行ったことがある。その時に、「お前が今座っているその椅子にロバート・キャパは座っていたんだ。ここからインドシナに行って地雷を踏んで死んだんだ・・・・・・。よく覚えておけよ」と言われたことがあった・・・・・・。

今回の展示でキャパが「みちくさ」で書いたサインが展示されてあり、知巳先生の言葉が鮮やかに蘇った・・・・・。その後、「みちくさ」の場所は変わったけれどもよく行った。ジャナーリストの岡井耀毅さんと写真家の細江英公さんと3人で朝まで飲んだことや、俳人の川崎展宏さんたちともボルガからの流れでよく飲んだものだ。

「みちくさ」が閉店する日に荷物整理の手伝いをママに頼まれて行った。デザイナー・高橋錦吉さんの漢詩を刻んだ作品と岡本太郎をはじめ幾多の芸術家、作家たちが座ったという店の椅子を5脚譲り受けた。そのうち2脚はまだ家にある・・・・・・・・。

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東京写真美術館への通路には、ロバート・キャパの代表作・ノルマンディ上陸作戦の写真が大きくして展示してある。
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池袋で買い物をした後、自宅の最寄り駅前にある居酒屋「三福」へ寄った。夕飯を食べて帰ろうと思ったのである。ここの3代目(右)の奥さんとなる小津枝さんが店の手伝いに来ていた。心根のやさしい人だ・・・・・・・。
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独りで呑んでいてそろそろ帰ろうかと思っていたら、近所で美容院を経営しているヘア・アーティストの力竹君が来た。そして彼の同級生の李セイ君がしている「焼肉・南大門」へ行こうとなった。それはこの2月に初めて来店してずいぶんとお世話になったきりで気になっていたからだ。左から力竹君、李君、そして李君の愛するマリ子さんで~す☆☆
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奥様のマリ子さんと「南大門」で・・・・・・・。
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店をし閉めてから、「三福」の若ことマ~君と小津枝さんたちが待っている立ち飲み酒場「みのる」へ。そこでまた多くの若い仲間たちと合流して乾杯~!☆ 僕はいつもこの店に来るたびに歳も考えずにと反省はするのだが・・・・・・・。
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「みのる」で止めてゐおけばよかったのだが、李君が泡盛の旨い店があるからもう一軒付き合ってくださいよ。としきりに誘う。そこでは沖縄の石垣島に蔵元がある僕の好きな「白百合」が呑めると言うではないか・・・・・・。ついつい甘い誘惑に誘われて意思の弱い僕は付き合ってしまった・・・・・・。結婚前のお二人も・・・・・・・。
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ここでは力竹君と李君と僕とで「白百合」の他に、宮古島の「菊の露」30度も1本空けてしまった・・・・・・・。
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若くてしあわせな2人は元気だな~。 最初に30度の泡盛をストレートでがぶ飲みをしていた李君が撃沈。さすがに眠くて疲れた僕は帰宅しようと思って車を呼んでもらった。途中で”新婚さ~ん”を降ろして家に帰り、床に就いた時には東の空はもうすっかり明るくなっていた・・・・・・。 「三福」のこれからを背負っていく2人に幸せあれと祈りつつ・・・・ 眠りに就いた・・・・・・・。

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