写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.701] 2014年5月5日 帰省し、上州・吾妻清流俱楽部の収穫祭に参加し岩魚や山菜料理を満喫した。父の23回忌法会の相談のために実家へ戻り、母や弟と墓参をしてきた・・・・・・。

今日、5月5日は端午の節句、菖蒲の節句などとも言う。いわゆる子どもの日だ。憲法記念日の3日から4日まで急遽、田舎に帰省してきた。この連休中は帰らない予定でいたのだが、今年の7月13日で父・幸太郎の23回忌を迎えるのでその相談と墓参。3年ぶりに吾妻清流俱楽部の収穫祭へ顔を出そうと思ったこと。弟の小松勝三が本を出版するのでその打ち合わせ、親しい友・勝田政子さんのお見舞いなどを時間があるこの休み中に済まそうと思ったのである・・・・・・・・・。

いつものように昼頃の各駅停車で上州へ向かった。ゴールデンウイークの後半戦の初日だけあって列車はいつもと比べれば混雑していた。でも上手い具合に座席に座れた。僕はこうしてぼ~と車窓からの風景を眺めながらの旅がすきで、帰省の際は必ずこのパータンである。小さな瓶に詰めてきた焼酎をちびりちびりやりながら一句捻った・・・・・・・。

流れゆく車窓は故郷朧かな     風写

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JR上越線・渋川駅で、弟の勝三と午後3時に待ち合わせをしていた。その足で向かったのは、実家にほど近い榛名山麓の深沢という集落。行者大蒜とたろっぺ(タラの芽)、コシアブラなどの山菜を採るためだ。弟の同級生・高山義夫君の実家で母親が待っていてくれた・・・・・・・。
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行者大蒜・・・・・・・。深山に生息し行者が食べたことからこの名前が付いたという由来がある。
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80歳になるという高山君のお母さん。家の前の山へ入って素手で棘のあるタラの木から芽を採ってくれた・・・・・・・・・。
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小母さんと。僕もタラの芽とコシアブラを採った。弟の勝三は行者大蒜専門に収穫した・・・・・・・・。
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山菜採りから戻って、7月に満86歳になる母と一緒に近くの吾妻峡温泉・天狗の湯へ行った。源泉賭け流しの低張性弱アルカリ性高温泉で、病気の効能が多い湯で僕は好きだ。八っ場ダム建設で湖底に沈んでしまう由緒ある川原湯温泉は、すぐ近くにある・・・・・・・・・。
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温泉から出ると山間は夕暮れだった・・・・・・・・。天狗の湯から。
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午後5時半から近所の知り合いの蕎麦屋で毎年5月におこなわれる吾妻清流俱楽部の収穫祭へ行った。8月の野外バーべキューと年2回おこなわれている。僕は3年ぶりの参加だった。清流俱楽部は、釣りの好きな仲間を中心に故郷の河川の環境を守り、蘇らせようと川の掃除をはじめ、さまざまな活動をしている・・・・・・・。
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手前左から鹿のロースト、猪のシャーチュー、ノノヒロ(ノビル)の和え物。上左はワラビ、地元の糠漬物。
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この日、呑んだ主な酒・・・・・・・。生ビールは言うまでもない。中国の10年物の紹興酒とアルコールが56度の白酒(パイカル)などは僕が持参した。
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採れたての色鮮やかなワラビのおしたし・・・・・・・。
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この地方ではタロッペと言うが、一般的にはタラの芽。下の方にふきのとうや山独活も揚げてある・・・・・・・。
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行者大蒜のてんぷら。香りがよく美味であった・・・・・・・・。
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まだ季節的に少し早かったために貴重だったコシアブラ。コゴミも入っている・・・・・・・。
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行者大蒜を細かく切って鰹節などと和えた。地のもめん豆腐と合わせて食べたら美味しかった・・・・・・。
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釣り師の愛敬君。弟の同級生だ。岩魚や山女釣りの名人。釣った魚を燻製にするのも上手で、僕は何度もご馳走になっている。この日も形の良い岩魚を10匹ほど釣ってきた・・・・・・・。
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やはり弟・勝三の同級生。以前は町の総合消防団の団長をしていた。この日はみんなで新潟の川まで出張ったというがあまり釣果はよくなかったらしい。山菜を少し採ってきた。でもお母さんに世話になったので・・・・・・。
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右は、群馬県庁に勤める同じ集落の桑原君。釣りもやるが、銃で鹿やクマ、猪などをの猟が得意だ。前の写真で紹介した鹿のローストと猪のシャーチューは彼が作ってきた。鮎などを炭火で焼く串刺しも上手い。
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この会のなかでは2番目に歳上の仲川君。僕の2歳下の後輩だ。いまでもつい昔の呼び方で59歳の大の大人に対して「マー坊」と呼んでしまうことがある。剣道部では僕の2代後の主将も務めた。昨年12月に母親を病気で亡くしたと聞いたので、翌朝、小母さんと小父さんが眠る仲川家の墓を参拝した・・・・・・・。
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この日、みんなが釣ってきた岩魚。30センチ近いのも一匹いた・・・・・・・・。
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岩魚3匹は別に良く焼いて岩魚の骨酒に・・・・・・・・。
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以前、黒部渓谷へ行ったときに詠んだ句。   骨酒の黒部の岩魚堂にゐる   風写
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塩焼きにした岩魚・・・・・・・。
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同じく塩焼きの岩魚ちゃんたち・・・・・・・。
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岩魚を持ってうれしそうな僕でした。です!です!・・・・・・・・。
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地元のそば粉を使って大将が打った蕎麦。
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そして宴の締めはお決まりの盛り蕎麦だ~!
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吾妻清流俱楽部3代目会長の富沢さん(右手前)。僕は昔から「ヨッさ~ん」と親しみを込めて呼んでいた。彼だけが会の中で唯一僕より2歳年上だ。現在の4代目会長として会をまとめているのは正面左の加藤孝幸君。この会には僕と20歳以上離れているメンバーもいるし、大体が一回りほどの歳の差がある。だから僕が田舎にいた頃は、まったく知らない人ばかりだ。それがこうして年2回一堂に集って故郷の山河に親しみ、その恩恵を美味しくいただくということは本当にありがたいことである・・・・・・・・。   合掌

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4日、午前中に墓参に出かけた。 墓の入口の八重桜は満開だった・・・・・・・・。
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きれいに墓の掃除を終えて参拝した後、お袋と記念写真・・・・・・・。
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小松家の墓からの眺め。上越国境の山々はまだ雪で真っ白に光っていた・・・・・・・。この辺りは一面に水仙が咲き乱れ、最近は”水仙の里”としても知られるようになった・・・・・・・。
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一番下の弟・小松勝三とお袋さん。 弟は歳を取ってから生まれたから、お袋にとってはとりわけ可愛かったのだろう。その勝三もすでに50歳を過ぎた・・・・・・・・。
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実家のに庭。母は花が好きでよく手入れをしている。冬場を除けば一年を通じて花が絶えない・・・・・・・。
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実家の庭先で85歳10ヶ月の母親の肖像。 藤の花などが満開のため大きな蜂がたくさん密を吸いに来ている・・・・・・・・。
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父方の祖母・小松くにの写真。まだ元気な頃に、実家の縁側で障子をバックに僕が撮影し、プリントしたもの。
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夕べ遅くまで呑んだ高山君が嫁さんを連れてあいさつにきてくれた。奥さんとも東京で何度か一緒に飲んだことがある。僕の作品を家に5~6点飾ってくれているありがたいご夫婦である・・・・・・・。
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僕も一緒に・・・・・・・。秋の僕の個展には夫婦で東京に出かけてくると言っていた。待っているよ・・・・・・。
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昨年、突然倒れて頭の大手術をした友・勝田さんのお見舞いへ行った。彼女は花が大好きなので、勝田さんのイメージのひまわりをあしらった花束を持っていった・・・・・・・・。
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勝田さんの家の前から春霞の赤城山を望む・・・・・・・・。
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突然訪ねたにもかかわらず、勝田さんは直ぐに笊うどんの調理に入った。正月に訪ねたときよりも数段元気になっていたのでうれしかった・・・・・・・・。
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あっという間に完成した笊うどん。彼女の食や料理に関するこだわりはプロ級だ。何を作らせても食材はもちろんのこと調味料にもとことんこだわり、個性的な旨いものを作り上げる・・・・・・・・。
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旨い旨いを連発して食らいつく僕と勝三。 この大きな器も汁が直ぐに冷めない方がおいしくいただけるという彼女の配慮からだ・・・・・・・。
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弟の勝三と勝田さん。彼女は仕事の面でも弟の大先輩でもある・・・・・・・。
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勝田家の縁側で。真ん中はこの日、仕事が休みで家にいた娘の幸代ちゃん。 真にこころの根の優しい子で僕は大の”幸代ファン”である・・・・・・・・・。
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最後は、勝三の会社(有)ケーツーへ行き、以前に僕が揮毫した「日々是好日」の扁額を撮影した。この7月刊行予定の小松勝三著、『小松勝三の日々是好日』(発行:ぶどうぱん社)の表紙の題字にしょうと思ったからである・・・・・・・・。

 

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