写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.696] 2014年4月24日 独特の文化・風習が今も息づく「空白地帯」天府の国から雲南秘境ーイ族の世界・大涼山を訪ねる旅・・・・・・・(最終回/仲間・食事・そして出逢った人々)

ようやく今回の旅の報告も最終回を迎えた。長い間、お付き合いいただき感謝しています。ありがとうございました。・・・・・・・・。  合掌

さて、当初の予定では今回の旅は、僕とコーディネイターの地元・イ族出身の烏里烏沙君を含めて4~5人で行くつもりだった。それが蓋をあけてみたら何と・・・・・・。僕らを含めると10人。現地成都で合流するドライバーとガイドを含めると総勢12人という大所帯の旅となった・・・・・・・。

それもさらに驚くべきことは、僕もふくめての参加者の平均年齢が75歳という自民・公明政権に言わせれば”超後期高齢者”集団である。5月で満89歳になる女性を筆頭に81歳男性、79歳、78歳の男性、女性がうじゃうじゃ・・・・・。僕と 僕よりも若~い参加者で何とか平均年齢を引き下げたものの圧倒的な”老人パワー”にただただ圧倒され続けた旅であった・・・・・・。まだまだ精進が足らないと自己反省を深めた旅でもあった・・・・・・。

以下にアップした写真は、そのほとんどはシグマDP1で撮影したものだが、一部ペンタックスーK3で撮ったものもある。 ほぼ旅の日程を追って並べている。 食事風景、記念写真、現地で出逢った人たちなどなど枚数は100枚ほどになってしまったが、これも旅の記録と思って載せた。ご容赦くださいませ・・・・・・・・。

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4月2日、成田発成都行き全日空NH947便は、成都に現地時間で22時10分に到着。市内のホテルへ着いたのは24時近かった。雲南省の昆明から今回使う車を持って来た運転手たちと深夜の屋台で夕食をとりながら打ち合わせをした・・・・・・・・。
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4月3日。今日の目的地の雷波までの道は険しい山岳路であった・・・・・・・。
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切り立つような崖の谷間を縫うように道路は進む・・・・・・・。
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7年ほど前から何度か会っている蒋志女亭さん。本来は山岳ガイドが専門だが今回、高齢者が多いために急遽ガイドとしてお願いした。烏里君とは親しい友人である。
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今回の旅では、大きなカギを握る2人。記念に写真を撮る・・・・・・・・。
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4月3日。途中の町の食堂で昼食。
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4月3日。雷波県の環境管理局長、公安局長、森林管理局長などが僕ら一行を歓迎してくれた・・・・・・。
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4月4日。この日の目的地、金陽県へ行く途中の村の食堂で昼食。
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4月4日、金陽県の夜も県の厚生局長、広報部長、金陽県写真家協会会長、校長先生などが、僕ら一行を歓迎して夕食会を催してくれた。乾杯をする人々・・・・・・・。
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金陽県厚生局長と・・・・・・・・。
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右から蒋さん、岡山から参加した写真家の三好さん、高田さんと東京から参加した画家の藤森さん。
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金陽県の青年と藤森さん。
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烏里君と金陽県の人たちと・・・・・・・。
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金陽県写真家協会会長と厚生局長と僕・・・・・・・・。昨年僕が監修をして刊行した日本中国写真家共同作品集「イ族」の表紙写真は彼(真ん中)が撮影したものだということがわかって改めて乾杯をした・・・・・・・。
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蒋さんとは1年ぶりの再会だった・・・・・・・。
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4月5日。渓谷の町の金陽は朝から小雨が降っていた。ホテル近くの町の食堂で朝食を取る・・・・・・・・。
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4月5日。途中の道が悪路だったために、午後3時を回ってしまったが、ようやく昼食にありつけた。かって涼山イ族自治州の州都だった昭覚で。イ族の男女はみなこの手刺しのマントを羽織っていた・・・・・・・。
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町の小さな食堂で切り麺を食べた・・・・・・・・。
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僕らにマントを売ってうはうはの市場の親子・・・・・・・・。
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マントを買ったのは僕と上條さん。何故か僕のが500元で彼のは400元。いったい100元の違いは何処から来るのか。理解に苦しんだ。500元は日本円で約10、000円となる。でも一生使えるものだから安い買い物をしたと思っている・・・・・・・。 右から日本風景写真家協会の安井さん、NPOチベット高原初等教育建設基金会の甲野さん、僕、チベット基金会の上條さん、俳人の笠原さん。
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4月5日。西昌市のホテルでこの日が誕生日の藤森さんと2日前に誕生日を迎えた上條さんの2人の誕生パーティをささやかながらおこなった・・・・・・・・。ちなみに上條さんは78回目の誕生日である。
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急遽、蒋さんが町のケーキ屋さんへ行って注文して来てくれた誕生ケーキ。
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上手に切り分けるのも蒋さんのお仕事・・・・・・・・。心配そうに見つめるドライバーの胡波君と烏里君です。
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この夜、ホテルで経営している「足湯」へ行った。中村さんと笠原さんがどうしても行きたいというので・・・・・・。気持ちよさそうに寝息をたてる中村さん。
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僕の大きな足を一生懸命に揉んでくれたイ族の女性。カメラを向けたらピースサインをして応えた・・・・・・。
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90分で80元(日本円で約1300円)。足を漢方が入っている桶の中でゆっくりと洗い揉むだけでなく、全身も揉みほぐしてくれる。
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火を使って筒のようなものを吸盤にして足の裏などに吸いつけて行く・・・・・・・。
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終了後、記念に一枚写真を撮ってあげた。 写真を見て彼女はとても喜んでくれた・・・・・・・。
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一緒に中村さんと笠原さんを担当した女性たちと3人で。 まだあどけなさが残っていたので、10代の女子かもしれない・・・・・・・。
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中村さんを担当してくれた女子と・・・・・・。
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笠原さんを担当(左)してくれた女子と・・・・・・・・。笠原さんも中国へ来るといつも「足湯」へ行くが、僕も疲れがとれるのでよく行く。この旅でも5~6回は行った。何と言っても日本と比較すると安いのが魅力だ。
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4月6日。この日の宿泊地・会理へ向かう途中のイ族の町で昼食を取った。
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桑畑のなかで・・・・・・・・。
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桑の実をたくさん取って来た蒋さん。
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烏里君が撮ってくれた・・・・・・・。
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会理の町へ出て夕食を取った・・・・・・・。
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まだ飲み足らない人は、ホテル近くの屋台へ行って白酒で焼き鳥を・・・・・・。
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今回の旅の約3000キロメートルを一人で運転する胡波君。優秀なドライバーだ。可愛い娘さんの写真を胸にいつも仕舞っている。
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のんべぇ~軍団の面々・・・・。笠原さんは81歳にもかかわらず毎日昼からビールを飲んでいた・・・・。
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4月6日。この日の宿泊地・会理へ向かう途中の村で昼食。写真の順番が狂ってしまいました・・・・・・・。
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4月7日。この季節、この辺りのどこの村々でもサクランボを売っていた・・・・・・・。素朴な味で美味かった。
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イ族の風情のあった村「新村」の女性と・・・・・・・。
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は~い!烏里ちゃんと蒋ちゃんも・・・・・・・。
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山々では、八重桜の花が満開だった・・・・・・・。
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この日の宿泊地・大女兆へ向かう途中で、木陰の下で昼食を取った・・・・・・・。
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この店で作ったというオリジナル白酒が旨かったので、烏里君と昼間からしたたか飲むはめになってしまった・・・・・・・・。心地良い春風が酒盃をさらにすすめたのである・・・・・・・・。
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烏里君と呑んでいる写真を撮ってくれたこの旅の最長老の中村さん。その好奇心旺盛な、しなやかな感性と行動力。世界のどこにでも出かけてしまうパワーに圧倒された。この旅に参加する直前までアラスカにオーロラを撮影に行っていたという・・・・・・・。彼女から学ぶことの多かった日々であった・・・・・・・。  合掌
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長江の上流・金沙江の増水によって、フェリーで車が渡れなかったの大きく回り込む山越えの道を通ったため、大女兆へは遅く着いた。そのために珍しく夕食はホテルで取った。基本的にホテルの食事は不味くて高いから僕の旅ではなるたけ取らないようにしているのだ・・・・・・。
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その夜は、烏里君と笠原さんと3人で「足湯」へ行った。この火攻め攻撃は上手い人は安心だけれどでも初心者はちと怖い。案の定、僕は足の甲の部分を軽い火傷をしてしまった。男性は足爪切り専門の人。耳かき専門の人などもいる・・・・・・・。
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4月8日。ようやく旅の後半戦となる雲南省大理へ夕刻に着いた。僕は10数年ぶりの4度目の訪問だ・・・・・・。
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日本を発って1週間。日本食が懐かしくなったと思い、寿司やうどんなどのメニューがある飲み屋へ行った。この店は古くから観光客には知られた店だった・・・・・・・。
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みんな、おかゆやてんぷら、巻きすし、カツどんなどそれぞれが好きなものを注文した。しかし、味は・・・・・・。
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以前にも訪れたことがある藍染をしている村へ行った。しかし、辺りの雰囲気はまったく異なり、観光用一色に変貌していた・・・・・・・。そこのお母さんと娘さんと・・・・・・・。
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ジ海の湖畔の食堂で獲り立ての海老のから揚げを食べた・・・・・・・。
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4月9日。蒼山を一周するようなコースは山岳道路そのもの。途中の村で昼食。店の前で工事をしていた。
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田舎の食堂は、案外旨いものが多い・・・・・・・。
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夜は大理に戻って泊まる。昨日に続き僕は、中村さんと宿の中にある「足湯」へ。昨日揉んでくれた女性たちとこの夜、揉んでくれた聾話者の青年。彼は暇な時には、お姉さんたちの肩も一生懸命に揉んでいた・・・・・・・。
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大理最後の夜・・・・・・・。酒場がさまになる蒋ちゃんでした・・・・・・・。
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笠原さんと烏里君が最後の晩だから飲みに行きましょうよ。と誘うので僕は1時間半ほど遅れて合流した・・・。
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4月10日。大理から楚雄へ向かう。その途中にあるイ族回族自治県・巍山県へ寄る・・・・・・・。
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啄木郎村へ向かう途中の大蒼鎮の食堂で昼食。
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雲南省での最後の宿泊地となる楚雄市は、深夜11時半過ぎに着く。遅い食事は午前0時を回っていた。ホテル近くに出ていた屋台で・・・・・・・。
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屋台のメニューは焼き物が中心だ・・・・・・。
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4月11日。楚雄イ族自治州の中心である楚雄市の郊外の山村を朝から訪ねる。盆河村で。
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村ではサクランボがたわわになっていた。自由に食べてもいいと言うので100個ぐらいは食べたかな・・・・・・。
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この村の食堂で昼食。
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博物館の階段はイ族の文様に彩られていた・・・・・・・。
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午後は楚雄市内へ戻って、州立の歴史民族博物館へ行って見た。りっぱな建物で、内容も非常にわかりやすく展示されていた。案内の女性と・・・・・・・。
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楚雄最後となるこの夜は、ドライバーの胡君とガイドの蒋ちゃんのごくろうさま会をした。市内の古い町並みが残る旧市街で夕食を取った。池の向こうの舞台ではイ族の唄や舞踊がおこなわれる・・・・・・・・。
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豪勢なイ族料理も盛りだくさん運ばれてきた・・・・・・・・。
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この3人が今回の旅のスタッフ。ここまでは何とか無事に着くことができた。本当に、ご苦労さまでした(シンクーラー)・・・・・。
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旧市街で逢ったイ族の民族衣装に身をまとった若い女性・・・・・。 ちょつと付け睫毛がすごすぎない・・・・・。
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雲南最後の夜もまたまたお元気印の笠原さんは夜の巷へと繰り出した・・・・・・・。
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終盤になって少し体調を崩した岡山の姫たちも最後の夜会には参加した・・・・・・・・。
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無論、僕も一緒に繰りだしたのであ~る・・・・・・・・・。川べりのバーみたいな店。
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4月12日。楚雄から昆明へ。昼飯は雲南省・昆明市名物のつけめんそばを食べた・・・・・・・。
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土産が買いたいと言う人のために、お茶市場へ。
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そしてこれが本当に雲南省最後の食事。何種類ものきのこのしゃぶしゃぶだ。この料理は昆明独自の名物料理である。 全員無事に昆明へ到着できたことに心から感謝をこめて乾杯をした・・・・・・・。
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4月13日。昆明発21時5分の国内線で成都へは22時半に着いた。しかし、市内のホテルに着いたのは午前0時を少し回っていた。でも、約束どおり四川大学教授で油画家の趙武さんは、ロビーで待っていてくれた。
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趙さんは、烏里君の四川芸術大学の油科時代の同級生。僕が四半世紀にわたって中国全土を67、000キロメートル走破して取材して来た「三国志巡礼」を中国で開催したいと長年思っていたので、その実現のために相談にのってもらおうと紹介してもらったのだ。
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趙さんとはすぐ打ち解けて話は具体化に向けて進んだ。深夜の2時頃まで話し合った。彼からは具体的な写真展の開催会場や日程、主催者、費用に関することなど提案があった。まだ正式な確認ということにはなっていないので、ここでは詳細は書かないが、とにかく僕が長年にわたって望んできた中国のみなさんへ恩返しの意味も含めて写真展を開催してぜひ、多くの人に見て欲しいという願いは一歩前進した。ハードだったこの旅の最後にうれしいプレゼントをもらったようで本当にうれしかった・・・・・・・・・。
神々に、ただただ感謝したい・・・・・・・・。   合掌

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そして4月13日の夜、無事帰宅できた・・・・・・・。僕の仕事場は相も変わらずぐちゃぐちゃだったが、やはり一番ほっとできる場所である・・・・・・・・。ちなみに、成都で別れた烏里君を除き、参加者全員が無事、成田空港へ帰国できた。そして、それぞれ固い握手をして別れた。本当にご苦労さまでした・・・・・・・。  合掌

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