写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.681] 2014年3月11日 今日で、あの東日本大震災が起きてから3年目を迎えた・・・・・合掌 いまだ行方不明の方2、633人、不自由な避難生活を余儀なくされている方は26、7000人を数える。とりわけ福島第一原発事故によって故郷に戻れない人々は約135、000人いる。被災者たちへの復興などは何もなされていない。これが現在の実状だ・・・・・・。

 

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2011年3月16日撮影:福島第Ⅰ原子力発電所 「wikipedia」より。
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2014年2月17日撮影:福島第Ⅰ原書力発電所 「毎日新聞」ヘリより。「毎日ジャナーリズム」から。
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2014年2月17日撮影:「共同通信社」ヘリより。 「共同ニュース」から。

今日3月11日は、あの歴史的な未曾有の大惨事を引き起こした東日本大震災が起きてから丸3年となる日だ。日本人として絶対に忘れてはならない日である。お亡くなりなった人、今だ行方不明のままの人、20、000以上の御霊に心から合掌をしたい・・・・・・・・・。

数日前から突然のようにテレビや新聞マスコミは、この大震災の特集記事や番組を流しているが、いまだに僕ら国民にはその実態は何一つ知らされてはいない。あの地震と津波が襲ってきた直後、福島第1原発は炉心溶融などをともなった放射能物質の放出をした原子力事故が発生した(一番上の写真)。それは広島に落とされた原子爆弾の470倍ものセシウム134・137などを含んだものであった。国際原子力事象評価尺度(INES)は、最悪レベル7だ。これは最も深刻な事故に分類されているのである。

しかし、日本政府はわずか事故から9ヶ月もたっていない中、その原因や収束への方向性など何一つ明らかにされていないにも係わらず原発事故の収束宣言をし、再稼動への道を開いた。さらに安倍自民・公明党政権は、将来の日本の基本電源と位置づけて新規に増設することも含めた新エネルギー政策を閣議決定している。また諸外国への原発の輸出も積極的におこなっている・・・・・・・。人間として信じがたい感覚としか思えない様相である。

2枚目、3枚目の写真は、今年2月17日に、毎日新聞、共同通信各社が自社のヘリから撮影したものだが、安倍晋三首相は、リオでの東京オリンピック2020年招致の演説の際、世界に向かって「日本の原発は安全であり、放射能や高濃度汚染水は完全にブロックされ、コントロールされている」と大見得を切った。しかし、現実はどうであろうか、3番目の写真の下側に並んでいるのは、高濃度の放射能に汚染された水を入れたタンク群である。

その数は、2014年2月末日現在、1095基。37万8000トンの高濃度汚染水が収容されている。その料は総容量の90パーセントに達しており、残りは10セントを切っている。深刻なことは毎日毎日400トンの地下水が福島原発の1~4号機の建や内に流れ込んでいて大量の高濃度汚染水が発生しているということだ。さらに昨年8月に起きた300トンの汚染水漏洩事故が判明したが、こうしたことがその後も次々と起こっているということだ。しかし、国民にはほとんど真実は知らされていない・・・・・・。当事者にとってはあまりにも当たり前の状況だからか、東電と官僚たちは完全に感覚がマヒしているようである。

使用後の核燃料のゴミも処理できないばかりか、何処にも管理・保管できる場所がないのに、これからも原発を再稼動させて一体、2000年以上は半減しないという核のゴミをどうしょうと思っているのか。すでに何万トンもの核燃料のゴミは日本の国土にあるのだ。いまの僕らがすき放題な生活を送る事で、未来をこの地球で生きる子どもたちに、こんな厄介な物を残して良いのだろうか。そんな自分本位で、経済優先、利潤追求の無責任な理論がはたして通るのだろうか、僕は絶対にしてはならないことだと思っている。いい加減に人類が眼をさまさなければ、この美しい水の惑星は滅んでしまうと危機感を感じている。この星に生息しているのは人類だけではない。人類は多くの生物たちによって生かされているのである・・・・・・・・。

こんなことを大震災後、3年たった今日、痛烈に思ったのである・・・・・・・・・・。 改めてお亡くなりになった方々へ原発のない日本にするという誓いをこめて・・・・・・・・・  合掌

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「日本文学風土記」より  山形県最上川中流域・大石田の風景

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