写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.625] 2013年10月19日 四半世紀以上前に青森の竜飛崎で出逢った少女・蘭子ちゃんとの奇蹟的な再会と四国・高松で幼少の頃から知っている娘・愛ちゃんが学生となって逢いにきた3日間~!☆

16日、伊豆大島をはじめ関東地方に大きな災害をもたらした台風26号が日本列島を襲ったこの日から18日までの3日間は、僕にとっても信じられないまるで夢のような出来事がおきていた・・・・・・。一つは、小さい子どもの頃から良く知っていた香川県高松市の愛ちゃんがいま、通っている京都の大学から台風と共に上京してきたことだ。彼女は僕の写真の弟子の娘さんで高校時代に突然発症した大病と数年にわたる闘病の結果、みごと克服して、希望していた同志社大学へ入学した。今回の上京は就職活動の一環としてきたのだという。その初日に僕を訪ねて来てくれたのである・・・・・・・・・。

二つ目のこの奇蹟的な再会はひと言では説明しにくい。大体26年前に偶然に青森県の津軽半島の最北端・竜飛崎で出会った少女と何故、いま、会うのか・・・・・・。「それは今でしょう~」と言った所で、何故?、どうして?、理解できないと!?・・・・・・言われるに決まっている。もちろんこの26年間、お互いに音信不通であり、彼女の氏名も住所もわからず、実家があった所は、以前に行ったときに見たら引っ越していたのだ・・・・・・・。それが本当に奇跡的に会えた!☆とにかく会えたのである。当時4歳だった少女は、美しい女性へと成長を遂げていた・・・・・・・・・。僕はまるでわが子に再会できたようなうれしさでいっぱいの2日間だった・・・・・・・・・。

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16日の早朝、京都を発ち台風の影響で2時間程遅れたようだが無事東京には昼前には着いて、まず銀座で個展をしている丹野章さんを訪ねたという。その後、僕の家の近くまで来てくれたので夕飯を食べた。お肉が食べたいというので良く行くホルモン屋さんへ行ってみた。若いから気持ちがいいほどよく食べた・・・・・・・・。
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夕食後、もう一軒近くの居酒屋「三福」へ行った。昨年一緒に中国の西南地方のイ族の村々を旅した烏里君が前日チベットから戻ったばかりなのに、「愛ちゃんが来ているよ」と言うと飛んできてくれた。再会の乾杯~!☆
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愛ちゃんには2歳下の妹の優ちゃんという妹がいる。彼女は大阪教育大学で書の勉強に励んでいて、先日も半月ばかり韓国へ学びに行ってきたと便りとお土産を送ってきてくれた。 優しい姉妹である・・・・・・・・・。
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26年ぶりの再会をはたした蘭子ちゃん。僕はずーと「嵐子」と思い続けていた。大学を卒業してから5年ほど務めていた保育園へ行ってかっての同僚たちと会った後の午後に僕と待ち合わせたのだった。そして再び26年ぶりに僕のカメラの前に立った・・・・・・・・。
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眉毛や大きな瞳に昔の面影が残っていた・・・・・・・。彼女は僕のことはほとんど覚えていなかった・・・・・・。
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創業57年の老舗やきとり屋さんへ入ってまずは、奇跡の再会を祝して乾杯した・・・・・・。
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でも、僕を遠くからみた瞬間にすぐわかったという。かすかに覚えているシーンもあるとも言っていた。
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話をするのも26年ぶり。当時は4歳の子どもだから何を話したかは覚えていない。一緒にいたお祖母さんや家に行ってお母さんとも話したことは覚えている。でもすぐに打ち解けて、長い四半世紀にわたる歳月は氷解した・・・・・・・。
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当初、16日に上京するはずだったが台風26号の影響で東北新幹線が大幅に乱れていたので一日伸ばしたのだ。17日の夜は琉球民謡・三線と琉球料理のライブへ行った。津軽三味線の聖地といわれる土地で生まれ育った蘭子ちゃんは、琉球の三線に興味を引かれていたようだ・・・・・・・。
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この日のライブは草薙貴美さん。彼女は東京の人だが石垣の竹富島に10年間暮らし、三線を学び、2007年八重山古典音楽安宣流協和会で最高賞を受賞している。
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先日、みやらびでばったり会い島酒を飲みながら彼女の歌声と三線の音色を聴いた・・・・・・・・。
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沖縄の八重山諸島の文化と「本州の袋小路」と作家の太宰治が書いた青森の竜飛崎の人とのツーショット。
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ついでのどさくさにまぎれて僕も記念写真を・・・・・・・。
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蘭子ちゃんは翌18日の午後4時の新幹線で帰るというので、それまでの時間、行ってみたいという下町のスカイツリーを見に浅草へ行った。隅田川は前日までの台風のためか茶褐色だった・・・・・・・・。スマホで撮影する蘭子ちゃん。
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お上りさん気分で記念写真。
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久しぶりに神谷バーの「デンキブラン」を飲む。創業1880(明治13)年だからいまから133年前。永井荷風、川端康成、萩原朔太郎、石川啄木、谷崎潤一郎、高見順、坂口安吾、壇一雄、三浦哲郎などの文人たちが愛したこのバーを僕は好きで浅草を訪ねた際は必ず寄っている・・・・・・・。
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朝ごはんを食べていないという彼女は本格的な食事をしていた。僕はデンキブランをちびりちびりやりながらその姿を眺めていた・・・・・・・。そうしたら3杯も飲んでしまったのだ。
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浅草ときたらお決まりの雷門の浅草寺さまのお参り。仲見世通りは相も変わらず外国人観光客ばかり。
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タイミングよく龍の舞いの奉納が行われていた。ばっちりといいポジションで撮影できた。僕のカメラはシグマdp1xだからレンズは28ミリの単体だけ。もう少し近づけばよかったかもね。
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隅田川の浅草から浜松町の日の出桟橋行きの水上バスがあったので飛び乗った。これで行くとちょうど東京駅に着くのが3時45分頃になるのだ。帰りの新幹線にうまい具会いに接続していた。
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僕を彼女が撮ってくれた。周りは奥多磨町の小学生たちでいっぱいだった。
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隅田川にかかる橋の中でも、最も美しいと言われている清洲橋とスカイツリーの光景。生涯忘れられないシーンとなるだろう・・・・・・・・。

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今から26年前1988(昭和63)年に青森県津軽半島竜飛崎で撮影した少女が蘭子ちゃんだった。左の写真は家の前で。奥の青い屋根は小説家の太宰治や写真家の浜谷浩が宿泊した奥谷旅館。左の本は、『太宰治と旅する津軽』(新潮社)、右は『詩人たちの旅 青春 愛 故郷』(マガジンハウス)。その他にも『作家の風景ー文学館を巡る』(白石書店)、『文学館抒情の旅』(京都書院)、『日本文学風土記 東日本編』(イーブックス・イニシアチブ・ジャパン)、『文学の風景をゆく』(PHP研究所)をはじめ多くの雑誌にも蘭子ちゃんを掲載させてもらった。この写真は人気があり、欲しいという人も多かった・・・・・・・。君との出逢いに心から感謝する。ありがとう~☆!☆!☆!   合掌

 

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