写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.575] 2013年5月5日  第32回土門拳賞受賞作品展・亀山亮写真展「AFRIKA  WAR JOURNAL」(銀座ニコンサロン/7日まで)、橋本真智子「奄美の地・血・智ー奄美大島からの発信・・・展 VoI.9」(アートギャラリー道玄坂/7日まで)を見る。10数年ぶりに友人と会い、撮り、飲んだ・・・・・・。

 

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雑誌の原稿渡しや写真弘社へのフィルムの現像出し、ニコンイメージングジャパンとの打ち合わせなどの用事があったので銀座へ出かけた。それにどうしても見ておきたい写真展があった。第32回土門拳賞を受賞した亀山亮君の写真展「AFRIKA WAR JOURNAL」である。はじめて本人と話をしたが、僕は彼が若い頃、写真学校へ行っている時代から注目していたので知っていた。この間、彼の表現は飛躍的に進歩したとこの写真展を見て思った。同名の写真集も見ごたえがある。戦争の本質を鋭い感性で抉り出している。現在、八丈島に暮らしているという亀山君のライフスタイルにも共感を持った。久しぶりに土門拳賞にふさわしい作品に会えてうれしかった。そして今後の彼の活躍に期待したい。そして僕もまだまだがんばらねばと思った。帰り際に固い握手を交わした・・・・・・・・。

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学生時代からよく知っていた友人から突然手紙が来た。内容は講演などのチラシのプロフィールに使う写真を撮影して欲しいということだった。彼女は大学を卒業した後、劇団「民藝」に入って長い間俳優として活躍していた。名優・滝沢修さんの秘ぞっ子として舞台で主役を張るなど民藝の若手を代表する俳優だった。その後、劇団を立ち上げて、戯曲も書いていた。戯曲集『星逢い』も出版している。その表紙カバーや中のグラビアを撮ったのは僕だ。

彼女の舞台の多くを撮影していた。僕が会長を務めていた「ラテンアメリカ交流グループ」のメンバーでもあり、さまざまなイベントにも協力してもらった。ジャナーリスト、編集者、写真家などが中心になって彼女のファンクラブができて、芝居を見た後、彼女を囲んでの飲み会は楽しかった思い出で詰っている・・・・・・。そんな彼女が今から十数年前に突然、演劇をやめてみんなの前から姿を消したのだった。その後、彼女は出産をし、一人で子どもを育てながら税理士などの試験を受験し、多くの資格を取得したのだ。

僕は大方のことは本人から聞いていたので、ただ遠くから見守っているだけだった。ここ10年程は年賀状のやりとりだけだったのである。それが今、お子さんは中学2年生となり、彼女の仕事も順調に進み始めているという。10数年ぶりに僕のカメラの前に立った彼女は昔とちっとも変わっていなかった。ただ俳優時代より、眼が優しくなっていた。「目力が少しなくなったね・・・・」と言うと「だって私はいま、一番しあわせですから・・・・」と微笑んだ。彼女をづーと見てきた一人として、「しあわせ・・・・」という言葉を彼女の口から聞いてこれほどうれしいことはないと思った・・・・・・・・。  合掌
(この写真はシグマDP1でテスト撮影したもの。本番はニコンD800で撮影している)

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撮影を済ました後、この前、奄美大島で知り合った橋本真智子さんの奄美の泥染めと藍染の展覧会へAさんを誘って出かけた。奄美に橋本さんと一緒に来ていた山下さんもいて再会を喜んだ。橋本さんが持っているのは僕をイメージして染めてくれたというストール。また泥染めで作った特大Tシャツもプレゼントされ、うれしかった・・・・・・。ありがとう~!☆☆☆
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ギャラリーのスタッフの人たちと・・・・・・。
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僕が奄美の黒糖酒のなかでも絶品と賞賛した「長雲」をさっそく山下さんが持って来てくれてAさんにも飲んでもらった。「おいしい~」だって・・・・・・・。
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奄美大島の酒造メーカー各社から協賛してもらったという黒糖酒がギャラリーの入口前にずらり~。ここに椅子もあり自由に飲めるのがよかったなあ・・・・・・・。
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橋本さんは、1300年の歴史を持ち、世界三大織物のひとつである大島紬の伝統の灯を消さないよう自分なりに引き継いで行きたいと語る。彼女の活動は奄美の自然の色で染め上げ、高田賢三さんのもとで身につけたファションセンスで表現した作品をパリと東京ですでに9回の展示会をしている・・・・・・・。
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ギャラリー道玄坂の隣のイタリアンの店がワインが美味しいと山下さんが薦めるでAさんと先に行ってることにした。彼女は昔は日本酒が大好きだったが、子どもを生んでからは造醸酒をやめて蒸留酒にしているが、大好きなワインだけは飲んでいるとのこと。こうして彼女と飲むのは15年ぶりくらいだろう。まさかまた一緒に飲める日が来るなんて思いもつかなかった・・・・・・・。次々と思い出話とこの10数年間の話が出て、僕はほとんど聞き役にまわっていた。本当に彼女はしあわせそうなので僕も何だかうれしくなxてしまった・・・・・・・。

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ギャラリーに戻り、また黒糖酒をしばしやった後、まだ少し早いということで駅前近くの居酒屋へ入った。やはり彼女は昔ながらに酒は強かった。ここでは税理士という立場から僕の写真家としての経営方法や営業活動の弱点を指摘され、ご指導を仰いだ。「相変わらず小松さんはしっかりしたマネージャーを付けないと駄目だわねぇ~」と叱られた。

ちなみに、この日の全ての飲み代は彼女に奢ってもらいました。これは今までで初めてのこと。さすが税理士さんともなるとちがうんだな~と痛感した次第です・・・・・・・・・。ご馳走様でした。そしてありがとう・・・・・・。合掌

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