写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.557] 2013年3月15日 嗚呼~!!僕の大好きな写真家・東松照明さんが那覇の病院からニライカナイへと旅立ってから早3ヶ月が過ぎた・・・・・・・。

2012年12月14日、東松照明さんは、那覇市内の病院で肺炎のため逝去されました。享年82歳でした。僕は東松さんが入院しているとは知らずに暮れの10日頃に、手紙を出しています。新年に開催する予定の写真展「三国志巡礼」の案内やこの間の写真活動の報告などをしたためました。そして最後に「そのうちにぶらりと沖縄を訪ねます・・・・・・」と書き添えました。

東松さんの訃報を知らされたのは、明けて1月7日、ちょうど僕の還暦と年男を祝って開かれていた小松健一写真展「三国志巡礼」のオープニングレセプションの席でした。東松さんや細江英公さん、奈良原一高さん、川田喜久治さん、佐藤明さんと6人で結成した「グループVIVO」のメンバーだった丹野章さんからの知らせでした。その後、田沼武能さんから発表は今日だが亡くなったのは12月14日だったという話を聞きました。僕はレセプションの二次会の席で、東松さんの死を悼んで出席した皆さんとともに献杯をしました・・・・・・・。

東松さんとの思いでは枚挙にいと間がないほどあります。僕は写真を始めた10代の頃から東松照明という写真家に憧れていました。当時、もう一人憧れていた写真家は、昨年亡くなられた石元泰博さんでした。2人の写真集や著作は、食事代を削っても買い求め、むさぼる様に学びました。当時1冊の写真集が僕の約1ヶ月分の給料と同じ金額だったものもありました。それらは僕のバイブルのひとつとして今も大切に本棚に並んでいます。

また折折に東松さんのことは書いていきたいと思っています。亡くなってから3ヶ月も経つのに一言もこのブログで触れなかったので、今日でちょうど3ヶ月を過ぎたのを機に書く事とした次第です。今月26日に前出のVIVOのメンバーをはじめ、写真家の荒木経惟さん、大森大道さん、評論家の福島辰夫さんたちが発起人となって「東松照明さんを偲ぶ会」が都内において急遽、開催されることになりました。その案内状には「東松さんを偲び、その功績を未来へと発展的に継承していく場」として今回の偲ぶ会を企画したと書いています。

僕もぜひ、出席して多くの写真仲間や先輩たちとともに島酒をやりながら大いに東松さんの思い出話をしたいと思っています。それにしても僕が若き日にご指導いただき、お世話になった先輩写真家たちが次々と鬼籍に入ってしまうのは残念でなりません。 ご冥福を心から祈るものです・・・・・・・・。  合掌

 

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(写真は3点とも塩崎亨撮影)

上記の写真は昨日突然に、写真家の塩崎亨君がメールで送ってきてくれたもの。2008年10月23日、東京品川のキャノンSギャラリーで東松さんと比嘉さんとで「琉球二人展」をしたときのオープニングパティーで撮影したのだそうだ。僕はすっかり忘れていた。2005年の日本写真協会賞の功労賞を東松さんと奈良原さんが受賞され、僕もその年の年度賞を今森光彦さんと受賞したときに授賞式やパーティーでお会いした以来の再会だったので話が弾んだ記憶がある。あれからもう4年半が過ぎてしまった。この写真を撮った頃の東松さんはいたって元気そうに見える・・・・・・・・。  合掌

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