写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.507] 2012年11月1日 小松健一作品展「生誕130年記念 上州の探検家・矢島保冶郎ー中国・西蔵30,000kmの旅」[11月10日(土)~18日(日)/前橋・ノイエス朝日]でいよいよ始まる。日本文学と日本文化研究の第一人者・ドナルド・キーン博士へのプレゼントに早池峰神楽の作品選ばれる・・・・・。

今日から神無月、出雲地方ではこの月は日本全国から800万という神々が集まるので逆に神在月という。ことしも後2ヶ月となった。残りの人生をと思うとついついこんな時間の過ごし方でいいのかと焦ってしまう・・・・・・。

昨日は、銀座の写真弘社へ10日から始まる展覧会の作品の最後のプリントチェツクに出かけた。担当のK君とはもう20年余の付き合いだから信頼はしているが、僕ひとりで見るより複数の方が確かと思い、銀座に仕事で来ていて、ちょうど時間が空いているという友人のAさんにも立ち会ってもらった。思いのほか時間がかかってしまい終了するまで2時間半ほどかかってしまった。

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僕がこの6年間で8度の取材へ行き、走行距離は合計で30、000キロメートルとなった最新の仕事です。若い頃のようなパワフルさはありませんが、じっくりと対象と対峙しながら撮影した作品をぜひ、見ていただきたいと思う。会場には、ご遺族の協力で矢島保冶郎と妻・ノブラーの遺品や資料などが展示される。また、僕が持っているチベットの人々の日常生活品なども同時に展示する予定だ。

11月10日(土)、17日(土)の午後2時30分から4時まで、作者によるギャラリートーク(参加無料)ふるってご参加ください。尚、僕は全日程午後からは会場にいる予定です。会場でお会いしましょう。待っています。

 

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写真弘社の1Fにあるギャラリー・アートグラフで11月3日(土)まで開催している松本徳彦「越路吹雪 愛の賛歌」写真展を観にいった。あいにく本人は留守でいなかったが、奥様がいたのでごあいさつをした。モノクローム作品が中心の緊張感のある作品展であった。松本さんの代表作といっても良いだろう・・・・・・・
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長い時間付き合ってもらったので、銀座の魚料理が旨い老舗酒場、彼女が前から行きたいと言っていた池袋の四川料理の民衆食堂、そして琉球料理の「みやらび」と短時間でご案内した。Aさんは仕事も忙しいし、家庭も持っているのであんまりゆっくりとできなかったのが残念だった。でも芸術、文化、文学と深い話ができて、とても楽しい時間ではあった・・・・・・・・。
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そのAさんから突然、今日の午前中に電話があった。同じ市民だから家は近いらしい。「実は相談があるのですが、とてもお世話になっているドナルド・キーン先生に、昨日伺った小松さんの東北の作品をぜひプレゼントしたいのですが。買うことはできますでしょうか・・・・・・。」ということであった。話を聞くと東北地方が大好きで昨年の東日本大震災を機にアメリカ国籍から日本国籍へと帰化した先生には、僕が長年心を寄せて取材を続けてきた東北地方の作品がふさわしいと思ったのだと言う。以前から何かお礼をと考えていたのだが、今朝起きてふっとそのことが浮かんだのだと言う・・・・・・・。僕はそれを聞いて二つ返事で承諾したのだ。

選んだ作品は、岩手県現花巻市の早池峰山麓に伝わる早池峰神楽の写真。2009年にユネスコの無形世界文化遺産に登録された神楽舞いである。これは早池峰神社の奉納神楽として伝承されてきた岳神楽。式舞いのはじめに舞台の不浄を清める舞として舞われる鶏舞を撮影したもの。この神楽はもともとは早池峰山を霊場としていた修験山伏たちによって舞い継がれてきており、「山伏神楽」とも呼ばれている。
写真はその作品と作品を購入してくれたAさん。車で来たので、その足でドナルド・キーン博士の家に行き、直接博士本人に手渡せたという。僕にとってはうれしい縁でもあった・・・・・・・・。  合掌

 

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