昨日、6月26日は弟131回目を迎えた「一滴」会の句会が新橋でおこなわれた。選者は3年目となる俳人・中原道夫さん。彼は「銀化」の主宰者でもある人気の俳人である。遠くは山口県から参加した同人をふくめて17人が参加した。記録として僕の駄句を記しておこう。しかし、僕の句がこの句会の最高得点句となった。11人の同人が選句してくれたのだ。でも選者の中原先生選は入選。準特選でも特選でもなかった。おうおうにこうしたことはあるものである。
深酒の面を鏡に桜桃忌 (11点・入選) 原発の稼動を嗤ふ青葉木菟 (3点・準特選)
夏断かな汚染の消えぬ町の僧 (0点・予選落ち)
皮肉な物で僕が一番よくないと思っていた太宰の亡くなった日のことを詠んだ桜桃忌の句が人気があって、一番推敲し、悩んだ句が全然だめという結果だった。「夏断」という言葉がなじみがなく、中七の汚染の消えぬが強すぎた感があったのだろう。やはり17文字のなかに季語を入れて森羅万象と己の想いを表現するのは難しいものである。僕としては、いまだ放射能汚染が癒えぬ土地の僧侶が梅雨の時期、酒や肉食を断って自らを律し、精進している姿に自分もかくありたいもであるという思いを重ねたのだが・・・・・・・。伝わらなかった。僕の力不足の何物でもない。
句会に参加する前に、銀座キャノンギャラリーで27日まで開催している芳賀日向写真展「東日本大震災ー被災地の夏祭り」を見た。作家の芳賀さんもいて、いろいろと話した。初日のオープニングパーティにでれなかったので、どうしても見ておこうと寄ったのだ。作品は青森、岩手、宮城、福島の夏祭りを震災以降撮影したもので、この後7月12日から24日まで仙台のキャノンギャラリーで巡回される。世界の祭りを撮っている写真家・芳賀日出男さんは、彼の父親である。僕はどちらかというと親父さんである日出男さんとの付き合いが長く、日本各地の祭りでまだ元気だった奥様と2人で取材している所に出くわし、よく飲んだものである。その後、藤本四八写真文化賞が創設されその弟1回受賞者に芳賀日出男さんが選ばれ、弟2回の受賞者が僕だったこともあり、一層親しくなったのだ。父親が歩んできた道をその息子が継いで行くのは羨ましく思えた。そして日向さんのさらなる飛躍を期待したいと思った・・・・・・・・。
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一年で昼の長さが一番長い日、夏至は6月21日頃。句会が終わってみんなで交流会を2時間ばかりして外に出たがまだまだ日は沈んでいなかった。大陸の夕日みたいな日差しが大都会のど真ん中で出会えるとは・・・・・・・・中原さんと同人たち。俳句仲間が経営している居酒屋で一杯した後、何度か行ったことがあるホテルオークラ東京のオーキッドバーへ行った。このバー何時来てもゆったりした時間が流れているような雰囲気がある。ホテルが創立して50周年となることを記念して作った50年記念ボトルのブランデーとウイスキーをごちそうになった。いつも俳友の宝海さん、ありがとうございます・・・・・・・・。合掌