写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.438] 2012年3月30日 日々の目標を定めて能動的に動くべし・・・・・。被災地・東北の遅い春を思い、太宰治の故郷・津軽地方に思いを馳せた・・・・・・・。

早いもので明後日から4月に入る。2012年もすでに3ヶ月間が過ぎ去ったことになる。光陰矢のごとし・・・・・・・。やるべき事はたくさんあれども、家に篭もっていると時間がただ流れていってしまう。自ら日々の行動を決めて能動的に動けばいいのだが、何故か頭も、身体も思うように動かないのだ。今日は風が強いから花粉が多く待っているだろうとか、雨が降っているからとか・・・・・何かと勝手に理由付けをして。では家の中で読書をと思って本を開くのだが、目が芳しくなくなってからは2~3ページ読み進むとやたらと億劫になってしまう。目が疲れるし、文章に集中できない。あげく睡魔が襲ってくるのである。

このブログは438回目となるが、いわば僕の日記代わりのようなものだと思っている。しかし、できるだけその内容は普遍的なものにしたいという願望はあるが、日々の暮らしがそう刺激的なものばかりではないので、果たして思うように行っているかは、はなはな疑問である。今日の写真は、みちのくにも少しづつではあるが、遅い春の訪れの兆しがある季節になったと思いを馳せ、小説家・太宰治の故郷である津軽の写真をアップしてみた。2009年5月に巡った折の写真だ。カメラは愛用のシグマDP1 である。

僕がはじめて津軽地方を旅したのは、いまから32年前の冬、27歳のときだった。そして3年前の2月と5月に取材をして、それまで4回の取材したものを合わせて2009年9月に新潮社のとんぼの本シリーズとして『太宰治と旅する津軽』(定価1575円)を刊行したのだ。末巻に22ページにわたって「無頼に生きたふたりー小説家・太宰治と写真家・田村茂をめぐって」を書き下ろした。自分で言うのはおこがましいが、ぜひ読んで欲しい本である。春から夏そして秋とこの本を友として津軽を巡っていただきたい・・・・・・・・。それが東北を元気づけることの一端にもつながるのだから・・・・・・・・・。

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 4月下旬から5月上旬にかけて津軽地方のりんごの花は満開になる。鯵ヶ沢近郊のりんご畑から雪をかぶっている岩木山を望む。

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 三厩にある義経寺から津軽海峡を望む。円空が刻んだ観世音菩薩像が祀られている。

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 太宰が生まれ育った金木の山深い所にある藤の滝。この滝は太宰の小説『魚服記』のモデルの滝といわれている。滝壺まで降りるのに死ぬ思いをした・・・・・・・。何故か突然、背中に激痛が走り、崖を降りている途中で動けなくなってしまったのである。

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 弘前市内を貫流する岩木川の川辺から夕暮れの岩木山(1625メートル)を望む。太宰はこの風景をこよなく愛し、作品にも登場させている。

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蟹田名物・トゲグリガ二。太宰の大好物で、この地での花見にはかかせないごちそう。この蟹、一見小ぶりではあるが、身がぎっしりと詰まっていて重い。身に甘みがあり、メスが抱える卵はとりわけ美味である。僕はいままでさまざまな土地で蟹を食べてきたが、このトゲグリガ二が一等美味しかった。とにかく酒はやたらとすすむのである・・・・・・・・・。

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