写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.437] 2012年3月29日 ヒマラヤで20数年前に出会った友人2人と久しぶりに語り、飲んだ・・・・・。シェルパ族の故郷へ行くこと、電気バス事業の展開のこと、これからの人生のことなどを・・・・・・。

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 北風や朝夕は冷え込むが、だいぶ春めいてきた今日この頃、家の周りの梅ノ木も満開になり始めた。梅の開花も今年は例年よりも遅れている。しかし、ありがたいことに日本の四季は必ずや訪れるのだから・・・・・・・・・。

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20数年来の友人であるYさんとネパールのシェルパ族のアンガミ・シェルパ君と久しぶりに会った。Yさんはホンダ技研の技術者として長年務めてきたが数年前に退社して、現在はフリーの技術コンサルタントとして世界をまたにかけて活躍している。29日からも約一ヶ月間中国に出張だという。上海にマンションを借りていて現在は1年の内の多くは、中国やインドで生活をしている多忙な人だ。ちなみに登山、スキュバーダイビング、テニス、写真と趣味は多彩であるが、そのどれもが本格的で山の遠征も年に1回ほどは、南米やヒマラヤなどへ行っている。

そのYさんから中国出張の前日にもかかわらず、僕も彼もヒマラヤで出合ったアンガミ君を激励する会をしょうと声がかかったのである。僕は最近はほとんど家から出ない生活だから暇なので賛成したのだ。2人とも僕の家の近くの駅が都合が良いというので、夕方の5時に待ち合わせをして、僕が行く店を案内することにした。まず、一軒目は創業50数年になるホルモン焼きの店。この店はいまだ七輪に炭をおこして網で焼くという昔ながらのやり方である。僕はこれがうれしいのだ。2人とも懐かしがっていた。特にアンガミ君は祖国・ネパールの暮らしを思い出したと言っていた・・・・・・・・。

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 韓国人のママで、従業員やお客も韓国人が多い韓国料理の店。

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時間が早かったので次にはよく行く「三福」へ。明日から中国暮らしというYさんのために魚料理をいただいた。お客が多かったので、早めに引き上げて、もう一軒寄った。韓国料理店だ。ここでヒマラヤの酒・チャンに似ているマッコリを飲んだ。ネパールの人たちも非常に辛いのが好きな民族なので、韓国の辛い料理は口に合うのだそうだ。アンガミ君は、僕と何度もヒマラヤへ入っている。2月の雪のヒマラヤ行は忘れられない想い出だ。17年前に日本人と結婚して2人の子どもがいるが、また3人でヒマラヤへ行こうと話は大いに盛り上がった。アンガミ君の弟も山岳ガイドをしていて、僕とも2人でヒマラヤを歩いたことがあったが、その彼はいまは、イギリスでレストランのシェフになり、家もロンドンで買い、家族で暮らしているという。

Yさんは、現在電気バスを作る会社の立ち上げに奔走していて、その関連で中国に足蹴く通っているのだ。できれば福島にバスを製造する工場を作り、福島の復興のため、雇用をはかり、そして環境にいいエコバスを走らせたという。エネルギーは、現在の10分の1になるという。しかも化石燃料は使用しない電気バスだから排気ガスなどの心配も無い。安くてコンパクトなバスをなんとしても実現化したいと熱く語っていた・・・・・。2人の生き生きした話を聞いていると励ますつもりだった僕が、逆に励まされいることに気づかされたのであった・・・・・・・・・・。

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この店の常連客の千さん。彼女は暮の雪の日に転んで足を複雑骨折して約2ヶ月間、入院していたのだそうだ。最近ギブスをはめてようやく少しは動けるようになったという。それでこの店に来たのだ。本当に3ヶ月ぶりの再会であった。退院祝いに乾杯をした。今度ギブスが取れて完全復帰したときには、完治祝いをしょうね、と約束をしたのだ。 彼女は他国で入院してはじめて、民族を超えた人のやさしさをしみじみと感じ、ほんとうにうれしかったと静かに語った・・・・。もう、あんまり飲み過ぎないようにしなさい!といかにも僕らしくない忠告をして、何となく照れくさかった・・・・・・・・・・。

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