写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.428] 2012年3月6日 長倉洋海写真展「子どもたちの元気便ー震災からの出発」(コニカミノルタプラザ・22日まで)、JPS主催写真展「生きるー東日本代震災から1年」(富士フォトギャラリー新宿・15日まで)、花井尊・柿木正人二人展「震災よ!」(ギャラリー・アートグラフ・17日まで)、石川直樹写真展「Remembrance 3.11」(大阪二コンサロン・3月22日~28日まで)等写真展巡りと井上有一展・特別展示 東京大空襲(柿傳ギャラリー・11日まで)、有希九美&中山恵子ー会えてよかったー・・・・

  

荒地野となりたる町よ流し雛     風写

この句は昨年の春に東北地方を想って詠んだ句だ。雛祭りも終え、ようやく春らしい季節が巡ってきたが、いまだあの大震災による行方不明者は3272人という膨大な人数である・・・・・・・。一日も早く遺族の元に帰れることを心から祈るばかりである・・・・・・・・。 合掌

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3月5日、冷たい春雨のそぼ降るなか、5日ぶりに都内に出かけた。この日は上記写真展の他に、細野晋司写真展「知らない顔」(銀座キヤノンギャラリー・7日まで、その後仙台、札幌、名古屋のキャノンギャラリーを巡回)や和田直樹写真展「惨禍ー三陸沿岸部の定点記録・二コンサロン大阪・3月22日~28日まで)などを見て廻った。和田君の写真展は最終日で15時に終了してしまったため間に合わなかった。ごめん!一番に書の大家である井上有一さんの展覧会へ行った。一晩で10万人以上の都民が亡くなった1945年3月10日アメリカによって無差別攻撃がおこなわれた東京大空襲によせる思いを書にした作品が圧巻であった。次は長倉さんの写真展。本人がいたので写真展の前でパチリ!彼と僕は同世代であるが、いつもながら長倉さんのバイタリティーには頭が下がる思いがする。彼だってすでに余り若くは無いのに・・・・・・・・。今回の作品は昨年9月~12月にかけて被災地の南相馬市、いわき市、宮古市、仙台市の4都市の子どもたちを追いかけた作品だ。子どもたちの屈託の無い笑顔の向こうにあるのは何なのかを問いかけている・・・・・・・・。

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 次は僕も所属している公益社団法人・日本写真家協会が主催する写真展「生きるー東日本大震災から1年」をのぞいた。受付にいた同展実行委員のみなさん。ごくろうさまです・・・・・・。また同時発売で、被災地の写真家を中心に編纂した珠玉の記録写真集として、新潮社から出版されている。解説は作家の伊集院静さんが書いている。

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 雨の日の平日なのにも係わらず大勢の人々がつめかけてくれていた 。中には涙を流しながら見入っている人の姿もあった・・・・・・・・。

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72人の写真家たちの作品が所せましと並んでいた・・・・・・・・。

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作品をくいいるように見つめている鑑賞する人々・・・・・・。

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今月上旬から銀座・フレームマンショールームで開催される東日本大震災チャリティー販売企画展に出品するための作品6点のプリントチェックのため、写真弘社へ行った。その1Fで知り合いの朝日新聞写真部出身の写真家と共同通信出身の写真家の2人が震災の写真展をしていたので顔を出した。あいさつ文によれば2人のオジサン写真家は居酒屋で飲んではなしているうちに、この未曾有の震災に何か写真家として出来ないかということとなり、被災地へカメラを持って出かけたという・・・・・・・・。それぞれがそれぞれの立場で出来ることを継続していくことが大切なのである!!

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この日の目的のひとつは、十数年ぶり会う友人のシャンソンコンサートに行くためであった。かれこれ20年前は僕はよく音楽家を撮影していた。僕の友人のシャンソン歌手が渋谷で店をしていてそこに中山さんも常連で歌っていたのだ。それが知り合うきっかけだったと思う。その後、彼女の東京FMでのコンサートなどにも行った記憶がある。僕の写真展にも何度か来てくれた・・・・・・。その後僕も何度か引越しをしたりして音信普通となっていたが、突然電話がかかってきたのだ。それは東日本大震災の被災地でボランティア活動していて昔一緒に歌っていた友人と出合って、今度一緒にコンサートをしょうという事になったという。それがこの日のコンサートだった。2人の出会いも十数年ぶりだという・・・・・・・。会場は震災のボランティアの人たちなど温かい雰囲気で満席だった・・・・・・・・。

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ベテラン歌手の有希九美さんのステージは彼女の人柄が滲み出ているあったかいステージだった・・・・・・。話の節々には彼女が被災地の人々に寄せる熱い思いが感じられた・・・・・・・・。

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一部が終了して2部までの休憩で。たまたま僕と同席になったHさん。彼女は日本○○○○館に勤めている人だった。昨年の3月11日の東日本大震災の日、偶然にも南浦和で中山恵子さんと一緒になり10数時間を励ましあいながら過ごしたのだと言う。それ以来友人としていまも付き合っていると言う。記念に2人でパチリとやったが、会場が暗いためごめんなさい~☆ プロらしくないね・・・・・・・・。

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2部の始まり・・・・・・。一部の静かな曲目から一転明るい曲へ・・・・・・・。

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十数年ぶりの彼女は体型も顔もほとんど変わりがないように思えたが、僕は40キロほど体重が増えている。いま彼女は「ジャグササイズ」という世界初のジャグリングとエグササイズをプラスして、脳と身体を磨く新しい健康法を開発して普及しているのだ。このボールを使ったエグササイズを持って被災地の仮設住宅など避難所を巡っていたのだという。「私の身体はこのエグササイズのおかげ、小松さんもやればシェイプアップできるわよ・・・・・」とすすめられている。    詳しくはhttp://dandygo.com/juggxsercise.htm

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中山恵子さんにとっては1年半ぶりの歌だというが、彼女独特な歌声は変わらず小さいステージではあったが心に沁みるコンサートだった・・・・・・・・。

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被災地の人々への思いを語る中山恵子さん・・・・・・・・・。

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暗い会場で、「小松さん~」と声をかける人がいた。振り返ってみると何と写真家の山田省蔵さん。懐かしかった彼とも十数年ぶりだろう。硬い握手を交わした。たったいま陸前高田から直接戻ってきたばかりだと言う。この間、彼も三陸を取材しているのだという。何で君がここに居るの?と僕が聞くと「小松さんに昔、中山さんを紹介してもらったんだよ・・・・・・」というそういえば、何となく覚えているが・・・・・忘れていた。ということでHさんと山田さんと3人で席を変えて2部まで残ることになったのだ。Hさんと山田さんを撮ったらすべての写真がごらんのように画面が燃えている。それも全部形が異なる。山田さんもどうしてか原因がわからないと言う。僕もこんなのははじめて・・・・・・・。「2人が燃えているのでは・・・・・・」と冗談を言ってみたが・・・・・。同じ条件で僕を撮っても炎はでない。不思議な光景だ!!?・・・・・・・・。

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その燃える男・山田省蔵と中山恵子さんと僕・・・・・・・。  Hさんが撮影してくれた。出会えてありがとう~☆

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