僕の写真の弟子である高松のSさんの娘さんであるIちゃんが、 宮城県の石巻市など被災地を大学の休みを利用して巡ってきた。彼女は京都の大学の1年生だ。僕は現実をしっかりと自分の眼に、心に焼き付けてくるように事前にアドバイスをしていた。東京にも数日滞在するというので、13日に会うことになっていたのだ。体調がまだ完全に快復していなかったので5日以来、8日ぶりの外出であった・・・・・・・。
一日スケジュールを空けてあるというので、お昼に会うことにした。そして都内の各ギャラリーで開催している東日本大震災関連の写真展を中心に巡ることにした。夕方からは3週間ぶりに、中国の雲南省から帰国したばかりの写真家の烏里烏沙君と合流して、食事をすることになっていた。Iちゃんの妹のYちゃんが大阪の志望大学に合格したので、そのお祝いもやろうという事にしていた。肝心の本人は居ないのだけれども・・・・・・。
二コンサロンがあるのは新宿副都心の新宿エルタワーの28F。遠くに見えるスカイツリーを見つめるIちゃん。東京へは昨年の7月以来だ・・・・・・・。
まず最初に行ったのは新宿の二コンサロンだった。ここでは「3.11 震災と復興 写真展」と鷲尾和彦写真展「遠い水平線」(3月19日まで)をしていた。(新宿西口周辺を二コンサロンから見る)
「遠い水平線」の作者である写真家の鷲尾和彦君とIちゃんと。この写真展は被災地のひどい状況などが写っているわけではないが、もの静かに見るものに迫ってくる。深い哀しみ、憤り、不安、絶望・・・・・・・そして漠全ではあるが未来へのかすかな希望・・・・・・・などさまざまな被災者の思いや声が写真から聴こえてくるのである。3月16日18:30~20:00まで写真展会場の隣にある二コンプラザ新宿セミナールームにおいて、作家の池澤夏樹さんをゲストに鷲尾君もパネラーとして参加するシンポジュウム「写真とことばー記録の先にあるもの」がおこなわれる。予約は不要なので、ぜひご参加ください。
新宿東口を闊歩するIちゃん。母親が2004年に個展をしたコニカミノルタプラザへ・・・・・・・。
コニカミノルタプラザで開催中の長倉洋海写真展「子どもたちの元気便ー震災からの出発」。その作者の長倉さんとIちゃん。2人は京都の同じ大学の先輩・後輩だと言うことがわかりり、盛り上がっていた・・・・・・。
写真展と同時に発売された『だけど、くじけないー子どもたちの元気便」(長倉洋海と東北の子どもたち・NHK出版)を買いサインをしてもらう・・・・・・。僕は彼と久しぶりに写真談議をした。そしてまだまだこれからお互いにがんばろうと固い握手をして会場を後にした・・・・・・・。
昼食を食べてなかったので、新宿西口界隈に残る昭和の面影が残る横丁にある「カブト」へ行った。2時過ぎに開店している店はあんまりないのとIちゃんが行って見たいというので。創業64年のこの店は開店と同時に客が入る。ちょうど女性誌の取材も来ていた。長年いる右側のおじさんは、京都大学出身で、生まれも育ちも京都だという。僕も長年通っていたがはじめて知った。Iちゃんが京都から来た学生と知るといつもよりも愛想がよかった・・・・・・・・・・。
うなぎの串のフルコースとキャベツ、追加でうなぎの正肉の塩焼きを2本づつ食べた。僕は「金宮」のストレートを一杯半飲んだ。久しぶり の酒だったので顔が真っ赤になってしまった。Iちゃんは強いが最近は少し控えているという。
「小松さ~ん飲んでると所を撮ります~」とIちゃんが撮影してくれた・・・・・・・。
腹ごしらえをしてから今度は、先日も紹介したがJPS主催の写真展「生きるー東日本大震災から1年」を見に行った。15日までだが、入場者は多かった。自分の眼でみてきたばかりの被災地の写真があったと真剣な眼差しで作品を見つめる・・・・・・・・。
冨士フォツギャラリー新宿の近くにあるアイテムフォトギャラリー「シリウス」でやっている池谷俊一捨診界典ーKAOSとは半過去と暗室からのメッセージを見た。ちょうど作者の池谷さんもいてIちゃんもいろいろと質問していた。いままで人の顔を1000人以上撮ってきたという。新藤兼人映画監督の99歳のクローズアップなどの顔は迫力があった。池谷さんはフイルムや銀塩印画紙などにすごいこだわりを持っている。この展覧会のために3ヶ月間、暗室に篭もって仕上げたという。 写真界の先輩である秋山庄太郎さんの肖像の前で。
最後に向かったのは、東京工芸大学・中野キャンパスにある写大ギャラリー。ここで今月の25日まで開かれている土門拳写真展「古寺巡礼弟5集より 「和」(なごみ)を見るためだ。工芸大で収蔵している土門先生の作品の展示である。作品の大きさは四つ切だがオリジナルだけ見ごたえはある・・・・・・・。
ひっそりとした会場で。贅沢な時のながれ・・・・・・・。
Iちゃんが一番好きだという作品の前で・・・・・・・・。この作品の中には、東日本大震災で被災した宮城県の瑞巌寺の作品も出品されていた。土門先生は桃山時代建造の建物が好きだったので、国宝の瑞巌寺の本堂はすぐれた桃山建築だ・・・・・・・・。
写真展のポスターと階段を入れてIちゃんを撮影・・・・・・・。
ギャラリーを出て駅に向かう途中に、鍋島家の墓所のあるお寺さんがあった。その門前に咲いていた梅の花・・・・・・・。
Iちゃんが「新宿に近い東京とは思えない町並みですね~」と言った光景が西の空に広がっていた・・・・・・・。中野坂上から。
池袋で5時半に写真家の烏里君と待ち合わせていた。彼はIちゃんも母親のMさんも知っているので、中国の雲南省のおみやげを渡したいと来てくれたのだ。Iちゃんは驚くほどに辛い料理が強く、この日も四川料理の店へ行った。お客は中国人ばかり、烏里君が料理長をよく知っていると言う店だ。僕も何度か着ている。今回は料理長がわざわざあいさつに来た・・・・・・・。
料理の味付けは、本格的な四川の味付けにとリクエストをしたので、むせるほど山椒がきいていて舌に辛さが残る。烏里君ですら辛いと言っているのに、なぜか彼女は平然と食べ続けた。こちらの方が少し心配になってしまう。「刺激物だからほどほどにね・・・・・・」と。
お母さんも心配していたからと言っても、だって美味しいだもの・・・・・・・・・。僕と烏里君は、ビール、白ウィンと紹興酒の10年古酒を1本づつ空けた・・・・・・・。口の中が辛いので酒が進んでしまうのだ~。
やはり、池袋といえば、琉球料理の店・みやらびへ。Iちゃんも好きな店なのだ。みな歓迎してくれた。三線やサンバという三枚の竹を合わせた楽器などで演奏したり踊ったりと賑やかだった・・・・・・。三線がうまいお客さんとパチリ!
陽子ネーネーとIちゃん。この後、作曲家で画家でもある陽子さんのご主人である美崎太洋さんが来てくれて、Iちゃんと烏里君に手作りの「サンバ」をプレゼントしてくれた。感謝~☆
僕とIちゃんのツーショットを撮る烏里君と太洋」さん。
この写真が先程の写真です。Iちゃんが「小松さんは若いですよ~」などとおだてるので、その気になって春らしい桜色のショールを首にまいて行った。帽子はオーストラリアのカンガルー島で求めたもの。カンガルーの皮でできている。
みやらびの後、太洋と陽子さん夫妻も合流して、友人がママをしているスナック「じゅん」へ。Iちゃんや太洋さんの歌をはじめて聞くことができた。 帰宅途中の電車で寝てしまい気が付いたら下車駅を4つばかり通過していた。あわてて降りてタクシーで家まで。途中経過は記憶にございませ~ん。Iちゃんは友達の家まで無事に帰れたというので一安心でした・・・・・・・。やはり酒はあんまり飲んでいないのはいかんな~と反省しつつ、今後は適度に飲むべしと思うなり・・・・・・・・。呑み助の勝手な屁理屈ではある。 合掌