7月11日から15日の短い旅ではあるが、「中国三国志巡歴」の最後と言うべき取材に中国・浙江省に点在する三国志が今に生きる土地を訪ねてみた。ひとつは、諸葛亮の一族の末裔が暮らす諸葛鎮。もうひとつは、呉の孫家の故郷で、いまもその子孫が暮らす龍門鎮と化竹村。最後は、紹興酒で知られる昔の面影を色濃く残す紹興県安昌鎮だ。上海に空路で入って列車に乗り換えて浙江省の州都・杭州へ。そこからタクシーて富陽市へ。ここを起点に2日間。そして車で紹興市へ。ここで1泊。そして列車で上海へ戻って1泊という旅程だ。
中国の内陸部の南京や重慶などの夏は「火鍋の底」といわれるぐらい暑いが、沿岸部に近い浙江省は、暑いというよりも蒸す、ただひたすらに蒸すのだ。まるで蒸し風呂に放り込まれたような状態だった。ヒマラヤからチベット、アンデス、ボルネオ、ニューギニア、シベリアなどいわゆる秘境といわれる地を旅してきた僕もさすがにこの得体の知れない気候にはまいった。最後の2日間は、歩くのもやっと食事も、話すこともできず、好きな酒まで飲めなかった。せっかく紹興酒の故郷に来ているというのに・・・・・・・。熱中症、日射病、水分・塩分欠乏症か、とにかくただ休むしかなかったのだ。
「小松さんの取材は、ハード過ぎますよ。だから倒れるのです。付いていけませんよ」と今回一緒に来てくれた若い写真家の烏里烏沙君は口をとがらせて具合の悪い僕に言うのだ。確かに毎日、早朝7時から取材開始。車での走行距離は、延べで約630キロメートル。列車が500キロメートルだ。これを実質、2日間半で廻ったのだから確かにハードだったかもしれない。今回カメラは、4台持っていった。フイルムカメラがいつもの二コンF3P(レンズ2本)、ブロニカRF645、それにブログ用のシグマDP1だ。それに今回はじめて使ってみた二コンD300Sを持ち込んだ。これをメインに撮影したこともあり、シグマDP1ではほとんど撮影していない。 ということでブログの写真はいまいちとなってしまったが、近いうちに今回の取材の写真をみなさんに見てもらう機会があると思いますので、それまでお待ち下さい。 この旅を2回にわたってご報告します。
僕は帰国後、鮨を食べて10時間程寝たら大分良くなりました。現金なものですね。体は正直です。ところで日本の暑さが爽やかに感じるのは僕だけでしょうか・・・・・・。
村の入り口には大きな池が囲むようにあった。蓮の花が咲いていた。蓮の実を生で食べるととても美味しかった。町でも籠に吊るして売り歩いている人を見た。いまが旬だという。