写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.337] 2011年7月27日 八木清写真展「sila」、鍵井靖章写真展「青い地球のカシュ」などを見てから、木村恵一・熊切圭介写真研究室「K2」設立50年を祝う会に出席した・・・・・。

 

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昨日は8日ぶりに都内に出た。いろいろと寄る所があったが蒸し暑いので、的を絞って廻ることにした。まず、クリエイト銀座へ、プリントのチェツクに行った。8月17日から新宿のペンタックスフーラムで開催する「第4回日本中国写真芸術協会展」への僕の出品作品3点と烏里烏沙君の3点だ。僕のは全点焼き直し、烏里君のは1点だった。その足で日本肖像写真家協会展を見てから田町のフォト・ギャラリー・インターナショナルで8月27日までやっている八木清写真作品展「sila」へ向かった。山梨の清里フォトアートミュージアムでも10月10日まで「グレイト・スピリット/カーティス、サルダール=アフガミ 八木清の写真」展を開催している。
彼は水越武さんに師事していたので以前からよく知っていた。今回同時に出版した写真集『sila』は見ごたえがある。大判のモノクロ写真集だ。見るものに静かではあるが、人間と自然、命とは・・・・という根元的な命題が迫ってくる。値段は16800円と安くはないが、限定400冊だから決して高くはない。本年度の出版された写真集のなかでは、僕の超お薦め本だ(上の写真)。
八木君は会場にいなくて話ができなかったのが残念だったが、これからも大いに”我が写真道”を進んで行って欲しいと思った。将来期待できる新鋭の写真家である・・・・・・・・。

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続いて品川キャノンギャラリーSで8月11日まで開催している鍵井靖章写真展「青い地球のカシュ」を見に行った。鍵井君とは、7~8年前にフィジーへ1週間ほど一緒に旅をしたことがあった。彼は水中写真家だから潜って」ばかりいたが、僕は先住民の村村を訪ね、そこの生活・文化を撮影した。フイジー政府の観光局の招請取材だった。彼とは久しぶりに会ったが以前と変わらぬのは写真の通り。奥さんと可愛い娘さんも会場にいた。奥さんと会うのも、僕の新宿パークタワーでの写真展「ヒマラヤ古寺巡礼」に来てくれて以来だった。
サメなどの大魚の口に正面から迫った写真が面白かった(上の写真など)。展示方法も鑑賞者が海の中に潜って魚たちと遊んでいるような感覚になるように演出されていて、外の暑さを一瞬忘れさせてくれるユニークな展示になっていた。 彼は東日本大震災の3週間後には、三陸の海に潜ったという。「福島原発がメルトダウンしているのも知らずに潜っちやいました・・・・・」と笑いながら語ってくれた。その写真が掲載された雑誌を見せてもらったが、メディアでは報道されていない海の底の現実には胸を衝かれるものがあった・・・・・・。

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いよいよ”「K2」50年を祝う会”の会場のウエステインホテル東京のある恵比寿へ。会場までの恵比寿ガーデンプレイスは、暑さ対策で、水が霧状になって噴出していた・・・・・・・。僕は午後から歩き回っていたので汗はひどいし、会に参加する前から疲れ果てていた・・・・・・・。
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本会の主役の2人。左から木村恵一さん、熊切圭介さん。発起人を代表してあいさつに立つ、日本写真家協会会長・田沼武能さん。
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2人が参加している「六の会」のメンバー。日大芸術学部の同級生で結成した会。左から斉藤康一、木村、松本徳彦、高村規、亡き野上透の長男、熊切の各氏だ。この会のメンバーも1人が亡くなり、2人が病気で車椅子生活。元気なのは3人だけとなってしまった・・・・・・。僕が日本写真家協会の理事を3期務めていた頃に、先輩としてお世話になった人たちばかりだ。
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昨年、大病をして闘病生活を送っていたが、再起して今年の「日本写真協会賞 功労賞」受賞した木村恵一さん。カメラを向けると傍らにあったワイングラスを高らかに上げて乾杯をした。いつまでもお元気で・・・・・・・。
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各界の方々が大勢みえた。木村さんの隣は写真家・竹内敏信夫妻。
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あとわずかで90歳となる芳賀日出男さんと日本写真家協会常務理事の山口勝広さん。芳賀さんは9月に個展を。山口さんは8月13日~9月27日まで、キヤノンギャラリーSで写真展「御獄信仰と里のまつり」を開催する。2人とも僕の良き先輩である。
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ひさしぶりに冒険家・医師の関野吉晴さんとじっくりと話をした(正面)。 右は、デザイナーの三村淳さん。7月23日から東京都写真美術館ではじまった写真展「昭和史のかたち」の作者・江成常夫さんの姿も後ろに見える。
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僕と日本写真家協会に一緒の1985年に入会した写真家の柏崎育造さんと娘さんの秀美さん。彼女も日大芸術学部の大学院を卒業して現在写真家だ。いまはJPSの同じメンバーでもある。大学時代には三木淳さんに学んだという。僕も三木さんには若い頃、ずいぶんとお世話になったので何か懐かしい気がした。それにしても父娘で同じ写真家として生計し、いつも傍にいられるのは、つくづくうらやましいと思った。柏崎さんは、しわせものである・・・・・・・。SDIM5332.JPG

木村さん、熊切さんは会場前で、参加した一人ひとりと握手をし、お礼をのべて見送っていた・・・・・・・。

会場を出てから参加していた熊切さんの師匠にあたる丹野章さんと軽く恵比寿駅前のよく行く焼き鳥屋で一杯やりながら話をした。丹野さんも御歳86歳になる日本写真界の長老だ。日大芸術学部の出身だから2人にとっては先輩である。烏里君もしばらくしてから駆けつけてきて、この秋の展覧会などについて話し合った・・・・・・・・。

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