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[no.268] 2011年2月8日 上毛新聞社で「矢島保治郎顕彰企画事業」について説明、群馬県立文書館で資料探しをして、ノイエス朝日で書家の岡田芳保さんと会った・・・・。

 

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2月4日の朝は母を守ってくれている犬、3代目五右衛門の散歩を昨日に続きおこなった。とてもうれしそうな気持ちが五右衛門の体中から伝わってくる。午前中に列車でもよりの駅から新前橋に向かった。上毛新聞の社長と会って矢島保治郎顕彰記念事業について説明をするためである。社長が急用が出来たため会えず、役員室長兼経営企画委員会事務局長の都丸晃さんと論説委員の小林忍さんと会った。約2時間近く話をした。矢島の生まれ育った村の近くに生まれ育った都丸さんは矢島についても強い興味を」持っていた。彼はこの企画については出来る限りの協力をしたいと約束をしてくれた。

論説委員の小林さんと群馬県立文書館へ行った。ここで矢島保治郎の娘さんの仲子さんと待ち合わせをしていた。文書館には事前に小林さんの方から館長に明治42年1月から5月までの上毛新聞を閲覧させて欲しいと依頼をしてもらっていたのでスムーズに調査は進んだ。上毛新聞の創刊は明治20(1887)年だ。詩人の萩原朔太郎が上州・前橋で生を受けてから1年後に創刊したことになる。今年で創刊124年になる、地方紙としては歴史のある新聞といってもいいであろう。しかしこの明治期の上毛新聞が実はあまり存在していないのには驚いた。

まず上毛新聞社には、昭和40年代以降の新聞しか保管されていないことがわかった。次に前橋市立図書館には大正2年以降の上毛新聞がマイクロフィルムで保存されていた。県立図書館には明治43年以降の紙面がやはりマイクロフィルムで保管されていた。しかし僕が見たい肝心の明治42年の新聞がない。明治42年は矢島保治郎が単身で”世界一周の無銭旅行”へと旅たった年である。この年の2月3日、横浜港から讃岐丸に乗船して一路、中国の上海へ向かって出港したのであった。矢島の郷土の新聞がこの地元の青年のロマンある行動をどう報道していたか興味があったのである。

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その明治42年の上毛新聞が県立文書館に存在していることが判明したのでさっそく閲覧の許可申請を出したのであった。来館して実物をみて驚いたことは何と個人の所蔵であった。月夜野町後閑の「櫛渕達男家文書」となっていた。個人で明治期からの上毛新聞をほぼ全てにわたって保存していたということに驚嘆した。文書館ではそれをすべて複写して持っていたのだ。「すごい人がいるな~」と言うのが正直な感想であった。感謝したい気持ちでいっぱいであった。目的の矢島に関する記事は2月5日付けの出発の報道と矢島自身のレポート第一弾、横浜港から上海までの体験記が3月11日付けの3面トップに掲載されていた。

しかし、矢島の5月2日付けの日記に、「漢口から北京までの第一報をおくった記事が載った上毛新聞が届いた・・・・」と書いてある紙面が発見できなかった。仲子さんと3回にわたり明治42年1月~5月までを丹念に見たがどうしてもない。当時北京に滞在していた矢島の元に届いたのが5月2日だとすると上毛新聞の紙面に載ったのは、3月下旬から4月中旬頃が一番その可能性が高いのだが・・・・・。その時期、3月22日、4月5日、4月20日の新聞が欠損していることが判明したので、職員に頼んで個人で上毛新聞を保存していた他の人の分も調べてもらったが、残念ながら該当する新聞は見つからなかった。とりあえず2月5日付けと3月11日付けの紙面全てを複写してもらった。当時の広告や紙面の記事を読んでいるだけでも楽しい。詳しくは3月に掲載する上毛新聞の紙面に書きたいと思っている・・・・・。夕方からギヤラリー・ノイエス朝日に行き、友人の岡田さんに会ってこの間の矢島保治郎のことについて報告した。彼はこの企画のよき理解者で、前県立図書館長、県立土屋文明記念文学館館長も務めていた人なので、さまざまなアドバイスを受けているのである・・・・・・。

 

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夜は渋川に戻り、この街に住んでいる弟の勝三夫妻とその友人夫婦と夜遅くまで飲んだ。この2組の夫婦は本当に歌が好きでいつもカラオケで歌いまくる。僕もこんな時にはとことん付き合うことにしているのだ。それにしてもみな僕より若いのでタフだ。やはり午前2時をまわると僕などは睡魔が襲ってきてどうしょうもなく眠くなるのだ。こういうときに寂しいかな、自分にしのびよる歳をひしひしと感じるのだ・・・・・・。

 

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