写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

2010年12月アーカイブ

今日は大晦日。後数時間で2010年は終わり新しい年、2011年が来る。勝手に・・・・・。この年の瀬は珍しく年賀状はだいぶ書いた。大掃除も終え、玄関には小さな鏡餅を飾り、「2011年 新春」と揮毫した和紙を張り出した。いつもながらの日常が過ぎていくだけなのに、何故か年があらたまると言うだけで、心身も何か改まるかのような気がしてくるから不思議である・・・・・。  恒例の「2010年 最後の望年会」を29日に僕の暮らす街で開いた。

 

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家の近くの僕の作品が展示してある居酒屋で午後3時30分から始まった。暮も押し迫った忙しいこの時期に毎年やるのだが、それには意味があるのだ。「数え日のこの時期に、1年間の自らの来し方をふり返り、新しい年に向けた目標を立てる場にしょう」と言うことである。旨い酒と肴と仲間たちを囲んで・・・・・・。日本写真界の長老・丹野章さん、「フォトコン」副編集長の坂本大士さん、写真研究会「風」、「写真集団・上福岡」、チベット山岳写真協会などのメンバー、小さい子どもをふくめると20人が参集してくれた。午後6時半で1次会は一旦しめ、さらにその店で10人ほどが2次会に残った。次々と楽しい会話は弾んで9時過ぎまで宴は盛り上がった。そして口々に「来年もいい写真を撮ろう。良いお年を!」と言いながら別れていったのだった・・・・・・。

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翌、30日の小晦日は、しばらくぶりに映画を観に行った。「最後の赤穂浪士」と「ノルウェイの森」の2本を続けてみた。それぞれ原作が好評を博したものを映画化したものだ。他にも「武士の家計簿」と「相棒 劇場版Ⅱ」を観ようと思ったがさすがに2本観終わって疲れ果てた。約5時間だから神経を暗闇のなかで集中し続けるのは・・・・・・。腰や尻も痛くなるし・・・・・。単なる歳のせいなのかも知れないが。内容も決して明るくない。2本の映画の上映中一度の笑いも観客から起きなかった。「ノルウェイの森」のときに僕が一箇所少し笑っただけであった。笑っている僕が気まずい思いがしたくらいに場内は静まり返っていたのだ。いろいろと演出やカメラワークなどに意見はあるがここでは止めておこう。まだ観ていない人もいるし、僕は評論家ではない。実作者だから。 いろんな感想があるとは思うがこの2本の映画、決して観て損をするようなものではないことは確かだ。 ☆☆☆と星半分ぐらいだね!
ー旅始め車窓に母よ赤城あり  風写ー   ◎みなさん、良いお年をお迎えください。 合掌

 

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W I N D S T I M E S 風通信 ♯009 
2010.12.30
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2010年はどうであったか、2011年をどう生きるかを考えよう!!
 
                                      写真研究会「風」主宰 小松健一
 
いよいよ数え日となり、世は一斉に新年に向かって走り始めている・・・・・。新しいものに
して準備をすることは悪いことではないが、それだけでは片手落ちになる。つまり
2010年という今年の自らの来し方をまずは、じっくりと振り返ってみる必要があろう。
ができたのか、何ができなかったのか、何の努力を怠っていたのか・・・・等々、考察する
ことが肝要である。
 
それがあって初めて新しい年に向かって行けるのである。漫然と新年を迎えていたので
過去同じことの繰り返しとなるのだ。今年の反省に基づき、自らの弱点を一歩でも二
歩でも克服ていくこと無しには、写真道の前進はない。
 
主宰として一言アドバイスをするならば、2011年の自らの目標を高らかに掲げることだ。
手帳の初めに書くのでも良し、部屋に張り出すのも良い。もちろん心の中にしっかりと刻
むのでもかまわない。要は1年を通じて常に自らが宣言した目標の達成に向かって努力
することこである。その努力の差が如実に創作姿勢に現れ、作品に反映されるのである。
だから恐い。写真作品の良し悪しは、すべて自らの鏡となって現れるのである。
 
2011年がそれぞれにとってどんな年となるのか、それぞれの日々の生き方にかかって
いるのだ。身体には気をつけてお互いに精進しようではないか!          
                                                 合掌
 
                                         (2010.12.25記)
 
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雑誌「季論21・2010秋」号の巻頭グラビアに寄せて

 鈴木紀夫さんのワンダーランド「靖国」が季論誌の巻頭を飾った。「靖国」神社は、周知
とおり権力に殉じて逝った者達の霊を祭る場として、その役割を果たしてきた。

 しかし、英霊といわれた多くの死者達の霊は安んじて永遠の眠りについているのだろう
か。悔しさ、無念さに苛まされながら冥府を彷徨っているのではないだろうか。正にワンダ
ングである。

 グラビアトップの若い女性を中心にした光と影、見開きの兄から弟へ宛てたハガキ、最
後の、遺族と思われる老女の丸くなった背中の写真など11枚で編まれた写真は、戦中戦
後を知る者にとっては胸を締め付けられる想いがする。

 「再び英霊をつくらせるな」といわれてから小半世紀が経ったが、これらの写真はその言
葉を現在に蘇らせる力がある。
                                                 森武司
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「高田昭雄・紀美子夫婦写真展」に寄せて
 
雪に死す村に赤子のひびきかな  風写
 
 高田夫妻と僕は、2000年の秋から6回、延べ日数にすれば3ヶ月間近くヒマラヤ山中に身
置いている。そう言う意味では、「生死を共にした仲間」である。2人の健脚ぶりはヒマラヤの4
00メートル級の山岳地帯で、幾度となく体験しているが、地元岡山では知られた登山家だっ
ということは、後に知ることになった。
 
 今回、その2人がそろってヒマラヤをモティーフに写真展を開催するという。永年連れ添ってきた
夫婦とはいえ、まったく別人格で、個性も異なる2人がヒマラヤをどう見ていたのか。2人の視線
が興味深い。夫婦と同様で1プラス1が単なる2で終わるのでなく、4にも5にもと飛躍する写真
展になることを期待している。
 
 兎にも角にも2011年の新春早々おめでたいことではある。僕は遥か武蔵野の地で、屠蘇と
ともに2人のユニークな試みに心からの祝盃を捧げるぜよー。                
                                                 合掌 
 
                                 2011年初春     小松健一 
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高田昭雄・紀美子夫婦写真展

 「ヒマラヤに神々と暮らす人々」高田昭雄
 「ヒマラヤッ子」高田紀美子

 日時:2011年1月4日(火)~1月9日(日) 9:00~17:00
 場所:エネルギアプラザギァラリー
 住所:岡山市北区内山下1-11-1
 
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千代田路子さんの個展「Abyss of time」を観て 
 
12月5日、日曜日の午後 千代田路子さんの個展「Abyss of time」を観に行ってきまし
た。場所は四谷のトーテムポールギャラリー。ガラガラと開ける戸の倉庫の様なシンプルな
つくりのギャラリー。このセレクトにも千代田さんのアーティステックな一面を垣間見た様な
気がしました。
 
関越自動車道沿いのある場所を撮影した展示は14点。ともすれば 見逃してしまいそうな
風景の中に千代田さん独自の視点でクローズアップされた世界がありました。
 
以前、風の例会で「写真に気持ちを乗せる、乗せ方を教えてください。」と質問されていた
千代田さん。
 
展示された作品には見事に千代田さんの気持ちが乗せられていました。颯爽としながら
も重い大きな荷物を背負ったかのような そしてその想いを観る人に投げつけてくるような 
そんな気迫を感じました。またクールな素材を写していながら 女性らしい柔らかフォルム
で弾力を持ち自由自在に形を変えるしなやかさも感じました。
 
席を同じくした観覧者の皆様もカメラメーカーのかた、元同僚のかた、地元のタウン誌の
編集長など。。 千代田さんの深さ 弾力のある 魅力を存分に感じられた展覧会でした。
                                               吉田加代
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写真研究会「風」12月例会の報告
  
11日は写真研究会「風」の2010年最後の例会だった。午後1時からの合評は、名古屋
から参加している平元君をはじめ森さん、並木さんと遠方の同人会員たちの参加が多か
た。鈴木事務局長、塩崎編集長も参加した。
平元、森、鈴木さんの3人はライフワークで撮影しているそれぞれの作品を持ってきた。
平元君は新たに取材を開始した沼と河川の写真も持ってきて好評だった。少し遅れて参
加した塩崎君は、この夏取材した台湾の海洋少数民族の写真を6~700点ほどパソコン
の画面でみせた。村に伝わる伝統行事をその風土を織り交ぜながらスライドにしたものだ。
ネット社会と言われる現代においても祖先が残した文化・風習を若者たちが受け継いでい
る姿がドキュメンタリー手法で捉えられており印象的だった。僕が20~30代初めの頃に
撮影した「都会の安息」シリーズの一部と来年2月発行予定の「石川啄木への旅」の作品
プリントを見せた。
終了後、「風の忘年会」だったので三軒茶屋の「味とめ」に席を移した。途中、吉田会員が
先日取材に行ってきたミャンマーの作品を持ってきた。昨年のインド取材の時の作品よりも
数段いいとみんなの評だった。名古屋学芸大を今年卒業して東京にきたHさんは作品を抱
えて飛び入り参加し、みんながその作品に刺激を受けていた。写真家の烏里烏沙君も銀
の写真展を終えてから駆けつけてくれて、会は11時まで大いに写真談議で盛り上がっ
だった・・・・・・・・。                 (小松健一オフィシャルHPブログより)
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写真研究会「風」 2010年度合宿  [要綱]                                       
                                   2010.12.20 「風」事務局
 
昨年度の熱海合宿に続いて、2010年度も「風」合宿を」実施します。
今年は、作家林芙美子の名作『浮雲』のなかにも実名で登場する上州・伊香保温泉の老
舗旅館「金太夫」でおこないます。すでに長崎や岡山からも参加することが決まっていま
すので、東京近郊の同人・会員は1年分の作品を抱えてふるって参加してください。また、
知り合いの写真家など参加を希望する人がおりましたらお誘いください。雪の温泉街で猛
烈に写真を学んだ後は、のんびりと名湯につかり、旨い酒と肴で交流を深めようではあり
ませんか・・・・・・☆!!
 
☆日時/ 2011年2月5日(土)~6日(日)
☆場所/ 上州伊香保温泉・金太夫 群馬県渋川市伊香保町19 TEL:0279-72-3232
☆参加費/ 同人・会員 15、000円  一般 20、000円
       (宿泊費(夕・朝食付)、講師料、交流会費、飲み代等。交通費は含まれない)
☆スケジュール

 2月5日(土) 14:00~17:30 第1回目の合評 
          17:30~18:30 自由時間・風呂 
          18:30~20:30 夕食・懇親会 
                  21:00~22:30 第2回目の合評
                  22:00~            交流会
 
 2月6日(日) 07:30~08:30 朝食 
                  09:00~12:00 第3回目の合評 昼食の後解散  
                                      (その後希望者は、石段の町・伊香保温泉など撮影。)
 
☆集合・場所/ JR新宿駅南口 12月5日10時(厳守)  上州ゆめぐり号10時30分発
         伊香保温泉着13時04分 (運賃2300円/早売り22%引・ネット5%引)
         TEL:03-3844-1950 高速バスネット
 
帰りは伊香保温泉発14:35ー新宿着17:10  
    伊香保温泉発16:02-新宿着18:40 などがあります。
   (希望者は1月15日まで申し込みがあれば事務局でまとめて席を確保します。)
 
*鉄道で来る人は、JR高崎線特別快速が上野発、または湘南新宿ライン特別快速高崎
 行きが安くて早くて便利。他に新幹線や特急もあります。ただし、特急たにがわ・草津号
 以外は、高崎で上越線に乗り換えて、渋川に来ることなります。よく時刻表を確認してく
 ださい。
 
*渋川駅発伊香保方面行きのバス(運賃550円)の時刻をお知らせします。(所要時間
 20分~30分です) 渋川駅発12時 /20、32、52  13時 /05、20、48、52で
 す。タクシーは約4000円(25分)。◎14時から合評が始まりますので時間に間に合う
 よう来て下さい。
 
*車の人は関越自動車道・渋川伊香保ICで下りて伊香保温泉方面へ向かってください。
 東京から渋川伊香保ICまで105キロ、ICから金太夫まで9キロです。
                                              
参加申し込みの締め切りは2011年1月15日厳守です。事務局まで必ずご連絡ください。
 
                                                  以上
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編集後記
 
眠れぬ夜、何気なくつけたテレビでフレスコ画家・高橋久雄さんという方のドキュメンタリ
を見ました。フランス・ブルゴーニュ地方の政府指定歴史記念建造物・ユルスリーヌ塔を手
に入れ、30メートルほどある塔内部全体に壁画を描くという内容でした。74歳にして現
リバリの姿、そこにかける情熱を見て、ますます眠れなくなってしまいました・・・。
 
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Publisher_KenichiKomatsu. Text by_TakeshiMori, KayoYoshida Editor_ToruShiozaki.
© windstimes 2010

約1年間にわたって進まなかったギャラリーへの写真作品のアップが、先月の12日から少しずつではあるが始まっている。現在、200点を超えたばかりではあるが、僕のネパール・ヒマラヤシリーズの初期作品を中心に未発表作品を大量に掲載する。当面は1000数百点になる予定である。その後、中国をはじめ、世界を撮った「地球巡礼」シリーズや日本を取材した「日本文学風土記」シリーズなども追加掲載していく予定である。 乞うご期待!!日々の「ブログ」とともに「ギャラリー」の方も時々は覗いて見てください・・・・・・・。

 

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☆これから「ギャラリー」に掲載される作品の一部紹介です。

☆贈り物 続報!! 東京のYさん 素敵なアルパカのショールと泡盛の古酒ありがとう。 東京のNさん 自家製の美味しいみかんとピーナツをありがとう。・・・・・・・・ 合掌

この2日間は、家に篭って年賀状を書いていた。例年は正月明けてから田舎に帰って書くというパターンで決まっていたが今年はめずらしく年の瀬に書いているのだ。まだ200通ほどしか書いていないから、もう少し時間はかかる。この1年間の来し方を振り返りながら、そして新しい年の目標を考えながらのんびりと書くことにしょう・・・・・・。

 

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12月25日、御茶の水にあるギャラリー・バウハウス(03-5294-2566)で2011年1月29日まで開かれている同ギャラリーの「4周年記念特別展」を見に行った。「最高級のオリジナルプリント」での展示が歌い文句となっている。出品作家は、高梨豊、田中長徳、田村彰英、百々俊二、与田弘志などと、このギャラリーのオーナーの小瀧達郎だ。そしてこの中に、4~5年前に僕の写真研究会に1年間ほど来た後、突如としてニューヨークへ単身で渡った当時、20代だった早川愛子が2作品出品しているので見てほしいと本人からメールがあったからである。ニューヨークでも個展やグループ展など何度か開き、がんばったがやはり、そんなには写真の世界は甘くなかったのだろう。1年ほど前に帰国していたらしい。1年間エネルギーを蓄積して、ようやく写真にもう一度挑戦する意欲が湧いたのだと思う。展示作品はニューヨークでの制作だが、ここでは何も言うまい。愛子自身が一番わかっているだろうから・・・・・・。たくさんのものをしっかりと心身に刻み込んできた愛子のこれからの創作に期待したい。ギャラリーの担当者の女性と1時間ほど写真表現などについて話をした。何かとても温かい時の流れだった・・・・・・。

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ギャラリーを出て寒風の中を池袋へ急いだ。この夜、「みやらびY&I会」が、琉球料理と琉球舞踊の店「みやらび」で催されるからである。平たく言えば常連客の忘年会みたいなものだが、僕も世話人に名を連ねているからあんまり遅れるわけにはいかなかった。それに「サンデー毎日」の編集委員のYさんを誘ってもいたからである。幸い彼は仕事の都合で少し遅れてきたので、その時にはすでに僕はもう飲んでいたのだ。舞踊あり、琉球料理はコースで出てくるは、30度のオリジナル泡盛とオリオンビールは飲み放題ときているから宴はやたらと盛り上がるのは言うまでもないサ~。僕はYさんと「サンデー毎日」連載の「三国志大陸をゆく」のご苦労さん会のつもりでいたので2人でしみじみと語り飲んだ。Yさんは沖縄が大好きでよく行っているというので、この場の雰囲気にピタッリとはまったらしく気持ちいいくらいによく飲んでいた。宴が終了したあと2人で2次会へ夜の池袋へと繰り出したのは当然だろうね・・・・。Xマス・イブは一滴も飲まず、家に独りで篭っていたので岡本太郎ではないがこの夜は2人で「大爆発だー!!」  お し ま い !

 

今日は世間様では、Xマス・イブ。明日12月25日がキリスト生誕の祝日なので今夜はその前夜祭というわけだ。降誕祭、聖誕祭、聖夜などとも言う。恋人たちなどは今夜をどう過すかが、最大の関心事らしいが、僕にはとんと関係がないので、今夜は珍しく禁酒して、独りで賀状でも書き始めようと思っている。近所のお百姓さんがほうれん草をたっぷり100円で売りに来たので、お浸しでもつくろう。それに上州・高崎駅でとり弁当を買ってきたのでそれでも食べょう~と。この駅弁当は、僕は全国の駅弁でも10指に入る弁当だと思っている。昔ながらの変わらない素朴な味でお薦めの駅弁である・・・・・・・。

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中国のイ族出身の写真家であり、探検家でもある烏里烏沙君が「家族で高崎の七宝工芸展に行きたいので小松さんも行きましょうよ」と突然電話があった。友人の斉藤芳子さんの2人展だ。烏里君が奥さんサービスをするのなら仕方がないなあ~と思い、待ち合わせの池袋に早めに出かけた。しかし、彼は約束の電車には間に合わなかった。財布を忘れて家に取りに戻ったのだという。僕はそのまま特別快速で。烏里君は途中で新幹線に乗り換えて高崎で落ち合った。陶芸家の高橋芳宣さんと矢島保治郎の娘さんのNさんも来て、7月の中国・四川省へ一緒に行ったメンバーが5人集まった。齋藤さんの素敵な娘さん2人とも会えたので母子での記念写真を撮った。烏里君はこれなかった奥さんへのプレゼントにきれいな七宝のブローチを買い求めていた。会場の広瀬画廊は、「山田かまち水彩デッサン美術館」を併設している。以前から17歳で亡くなった山田かまちの絵画や文章に興味があったので烏里君と観た。9歳のとき描いた水彩画などは確かに舌を巻くほどの表現力を感じた・・・・・・。

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陶芸家の高橋芳宣さんの工房・甘楽陶房を見学したいとみんなが言うので急遽おじゃますることになった。途中、新そばの鴨汁などを食べて、僕は何度も来ている工房へ行った。ろくろを引く作業場や窯場など案内してもらって、ギャラリーで作品を見せてもらった。ここでも烏里君は、高価な夫婦じゃわんを買い求めた。よほど若い奥さんに気をつかっているようだ。でもいいことではある・・・・・。芳宣さんとは20数年間の付き合いになる。僕の写真と彼の陶器で2人展を開いたこともあった。九谷焼の名工としてしられ、初代に北大路魯山人が陶芸の手ほどきを受けたことでも知られる須田青華。その3代目の門をたたき、15年間北陸の地で修業した気鋭の陶芸作家である。僕は彼の切れ味のよい器が好きで、日常的に使っているのである。一刻も早く家に帰りたいという烏里君とNさんを高崎駅まで送り届けてから芳宣さんと2人で彼の行きつけの店で飲んだ。この店は以前にも来たことがあったが友人の写真家・竹内敏信さんなども奥様とよく来ていたそうである。ゆば、サザエの酒蒸しなどが美味だった・・・・・・・。

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午後7時過ぎの電車で帰京するつもりでいたが、一番下の弟の勝三が仕事で高崎辺りに居るかもしれないと思い電話したのが大きな誤りであった。友人たちと自宅ですでに盛り上がっていたらしく、「いま、ちょうど芳宣さんの蕎麦猪口で飲んでるんだよ・・・・」などと電話口で言う物だから、ホテルも予約している芳宣さんが、「渋川まで繰り出そう!」と言い出したのだ。後はご想像の通り。エイヤアーの後の祭りで、野となれ山となれ~だ。まず、弟の家で飲んでから近くにある居酒屋へ。但し、そん所そこらの飲み屋とはちいーと違う。焼酎の取り揃え方が半端ではない。全国の銘酒、珍酒、プレミア酒なんでもござれだ。僕もいくつか推選の芋焼酎をリクエストして取り揃えてもらっているからうれしい。マスターはプロ級の歌の上手さだから、カラオケも当然盛り上がる・・・・・。結局、芳宣さんは弟の友人が高崎のホテルまで送ってくれたのだがすでに時間は午前0時をはるかに回っていた。その後、僕は弟の嫁に捉まり、家に戻ってからえんえんと午前4時まで話を聞くはめになってしまった。弟はとうの昔に寝てしまっている。・・・・・でも、こうした機会はそうはあるものではないので、嫁であるMのさまざまな苦労がしみじみとわかって良かったと思った。しかし・・・・非常に眠たいのだ~。

 

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昨日は僕が創立同人の「一滴・しずく」の第114回句会が新橋のちゃんこ料理店「井筒」でおこなわれた。それに先立ち新宿プレイスMで開かれている石川直樹写真展「CORONA」を見に行った。写真集とあわせてオリジナルプリント展も確認をしておきたかったからだ。僕は写真集の方が石川君の伝えたかった思いがよくわかると思った。会場の雰囲気も影響しているのかもしれない。さて、「一滴」の句会であるが講師の中原道夫さん、岡井輝生代表をはじめ山口県や三重県からも参加して賑やかな会となった。しかし、今年度文化功労者となった細江英公さんが体調をくずされて参加できなかったことが残念ではあった・・・・・・・。

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句会では、中原道夫特選句は次の5句であった。

・三十歩歩けた妻にポインセチア  (宝海)  ・そういえばもう居ない猫冬の雨  (光仙)

・花野とは祖父母も父母も居る処  (修一)  ・狐火の故里いまはダムの底   (修一)

・指で押し買ふ気になりぬ海鼠餅  (瑞穂)

ということで僕の句は4点句と2点句が二つで、中原選では残念ながら取ってもらえなかった。句会の後は1年間を通じての年間最優秀賞と優秀賞の計3人の表彰がおこなわれた。僕は1点差で第4位だったのには驚いた。そして2010年の恒例の忘年会と続いた。毎回、ちゃんこ鍋を囲んでの会でこれがまた旨い。大将は先代井筒部屋の料理長だった人だから、やはり味は本格的である。最後のきしめんで上がりとなるのだがそれも出汁がよくしみていていけるのだ~。元気な人は中原さんを囲んでさらに2次会へ。近くにある俳句をご夫婦でしている「いそむら」に繰り出した。そして今度は魚料理。特に鰯の刺身と鰊の刺身が絶品であった。中原さんをはじめみんなはまた、日本酒をあおっていた。僕は相変わらず芋焼酎一筋に飲んでいたのである。師走の時雨に濡れながら、着物姿の道夫師匠と新橋・烏森の飲み屋街をとぼとぼ家路をいそいだのであった・・・・・・。

 

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贈り物☆続報!! 鹿児島の写真家M君、僕の好物の共食いになりそうな霧島の黒豚詰め合わせありがとう。 金沢出身の写真家を目指しているYさん、沖縄・泡盛の20年物の古酒(クース)とネパールティーをありがとう。みんなでいただくね~。  合掌

庭にある4本の山茶花の樹がいま、満開だ。日曜以外は家の前で住宅建築工事がおこなわれていて朝から職人が入り騒音もあるのでリビングのガラス戸は空けなかったので、山茶花がこんなにも咲いているとは気づかなかったのだ。さっそく小枝を数本切って部屋に飾った・・・・・・・。

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昨日は友達の七宝工芸作家の斉藤芳子・恵美子親子が会員として出品している上野の森美術館の「第60回記念 流形展」に出かけた。行ってみたら写真部門もあり、その顧問が竹内敏信さんで委員には僕の昔の教え子もふくめて知っている人たちが何人かいた。絵画、写真部門はさーっと流して工芸作品をじっくりと見た。というよりも一番見ごたえがあり、面白くもあった。ちょうど娘さんの恵美子さんが会場いて、芳子さんも来ているとのことであったが、表彰式に役員として出席しているというのでよろしく伝えてもらった。僕が上野に来たら寄る蕎麦屋が鶯谷にある。公園を抜けて鶯谷まで冬日の中を歩いた。その店は昭和21年創業だから65年間この地で営業していることになる。「御手打天下御免・貸席公望荘」という店だ。ここの鴨せいろが旨い。板わさをつまみに焼酎のそば湯割りで一杯ひっかけて根岸の子規庵へ向かった。

 

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昼からやっている立ち飲みなどの小さな店が並び、恋人たちが行き交うホテル街のなかの路地を通って何年かぶりに子規庵に行ってみた。いままで数回来たことはあったが人がいたことはまずなかった。しかし今回はちがった。現在、NHKで放送されている「坂の上の雲」の影響だと思うが、あの小さな子規の家に人がつぎつぎとわんさと押し寄せていた。僕は500円の参観料は払ったがとても部屋のなかに入れる状況でなかったので、寒かったが庭で小1時間ほどぼーとしていた。カメラの撮影は外も中も一切禁止だという。以前はもちろん自由に撮れた。僕はそこにいた係りの人に何故だめなか聞いてみた。彼は「よくわからいが、最近はデジカメで撮ってみんなインターネットなどに載せるからだ」と言う・・・・。「ビジネスでなく純粋に子規庵に行って感動したと写真入りで紹介するのはいいのでは・・・・」と僕がいうと何も答えない。僕はコンパクトカメラで何枚か撮ったが誰も何も言わなかった。他にも一眼カメラで撮影している人もいたがやはり注意をされていなかった。至る所に「撮影禁止」の看板を掲げているのだから、その理由を明確に示すべきと思った。プリプリ・・・。体が冷えたので、一杯と思って入った店は、肴も酒もまるで日本の居酒屋であったが驚いたことに中国の若い夫婦がしている店だった。がんばって勉強して、味つけや日本語、風習も覚えたという。牡蠣の燻製と山芋の取り合わせを肴に芋焼酎のお湯割を3杯も飲んでしまった・・・・・。

 

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銀座に出て水谷章人さんのスキーの写真展を見て、写真弘社へポジの現像の上がりを取りに寄った。そして今日の目的でもあった「銀座村友の会」の忘年会へ顔をだしたのである。5年ほど前に閉めてしまった銀座の居酒屋の常連客の懇親会だ。僕もずいぶんと通ったが、店ではあんまり客と話をしたことがなかったので数人以外は知らない人ばかりだった。僕の席の前に座った女性に「君も行っていたの・・・?」と聞くとお父さんとお母さんに連れらて子どもの頃から来ていて、築地直送の刺身を良く食べていたという。現在20歳。来春から家の近くの幼稚園の先生になることが決まっていると若いお母さんが微笑みながら教えてくれた。若いということはそれだけで美しい、宝ものだ。お湯割を作ってくれたり、つまみを皿に取ってくれたり優しくしてくれたので、お祝いに酔っ払いおじさんが何枚か写真を撮ってやるね~。などと言ってパチリ!。未来ある彼女の前途をはじめ、酒飲み常連のみんなにも新しい年は幸多かれと祈るばかりである・・・・・・・・。彼女とお母さんにも断わったうえで若い女性ポートレートの4連発だぁー!!☆☆☆☆

 

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ふ~う・・・・。昨日、写真集団・上福岡の今年最後の例会と忘年会が終わった。これで12月に入って8回目の忘年会をクリアしたが、後5回ある。さすがに今朝は胃薬を飲んだ。懐のなかも師走の冷たい北風が吹き抜けている・・・・・・。今年は珍しく年賀状の準備を早くすすめていて、今朝、硯に墨をたっぷりと擦って一句を揮毫し原稿をしあげて、近所の印刷屋さんへ入稿した。そういえば昨日、今日と二つの印刷会社が家に来て、3種類の写真集の見積りをお願いした。来年、我がぶどうぱん社からそれぞれ出版する予定の本である。そうだあんまり活動していないから忘れがちだが僕の家は「アトリエぶどうぱん社」という看板をもう30数年前からかかげているのである・・・・・・。どうぞ何かありましたらいつでもご用命くださいませ☆!!

写真集団・上福岡は以前にも書いたと思うが、後2年で創立30周年を迎える。それも創立以来、僕が講師で顧問ときている大変珍しい一地方都市の写真団体である。延べで教えた生徒は1000人は超えていると思う。最初はこの市には、ひとつも写真サークルがなかったが、いまやここを卒業した人たちが核となってたくさん写真愛好会が誕生している。この30年間の中には、亡くなった方もたくさんいるし、この中で知り合って結婚した人たちもいる・・・・・・。さまざまな人生模様が描かれてきた会である。その会に今度新入会員が4人入った。そのうち女性が3人である。活気がでることを期待している。

2009年度最高賞は、瀬下太刀男さん。2010年度最高賞は、会長の田中栄次さんだった。2人へは、僕から四つ切のプリント作品を贈呈した。忘年会も創立以来続いていて、各自が持ち寄ったプレゼントを交換したり、蕎麦打ち名人の会員が年越しそばを振舞ったり、自家菜園の無農薬野菜のサラダや赤飯や漬物など持ち寄って皆で食べる大変楽しい会である。来年もいい写真を撮るためにがんばろー!!

 

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今日、12月14日(火)発売の週刊誌「サンデー毎日」の巻頭グラビアに「三国志大陸をゆく シリーズ3 古戦場をめぐるー五丈原の風」が掲載されている。4月からシリーズで連載してきたが、残念ながら今号が最終回となる。ぜひ、手にとってご覧いただければうれしいです。地方によっては販売が明日になるところもありますのでご注意ください。いよいよ20年間にわたって取材を続けてきた「三国志巡歴」のまとめに入らなくてはとの思いが募る。それにしても後1~2回は取材をしたいと思っているが。来年が勝負だ。

いま同時に進めているのが、宮沢賢治の本と石川啄木没後100年記念の写真スケッチ集。それに企画中なのが森鴎外と石川啄木の単行本、「路面電車の走る街」はどうしても作りたい本だ。でもどれもが確定ではない。出版状況が年々思わしくなく、確実に売れるという確証がないと出版社も刊行に踏み切れないのである。そんな中で、いま一番売れっ子写真家といっていい石川直樹君が大型写真集『コロナ』(青土社)を送ってきた。昨年の『アーキぺラゴ』につづく群島・多島海シリーズであるが、今回の作品集は、”見えない大陸”といわれているポリネシア・トライアングルを10年間にわたって石川君が取材したもの。僕は前作よりも今回の『コロナ』の方が、彼が言わんとしているテーマが凝縮されていて解りやすかったと思った。若い世代の感性と活躍にはいつも励まされている・・・・・・・。

贈り物☆続報!! 東京のK団体さん、高級椎茸「どんこ」の詰め合わせありがとうございます。 東京のMさん、素敵なカシミヤのショールありがとう。 埼玉のSさん、美味しい小田原の干物セットありがとう。 埼玉のYさん、甘いりんごとみかんありがとう・・・・・・・・。  合掌

 

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10日から銀座ではじまった「チベット山岳写真協会第2回写真展」へ出かけた。初日はオープニングパーティも開かれるので、顧問の僕としては行かざるを得なかったのだ。すっかりXマスの模様替えをした銀座の街を歩いた。銀座アートグラフ、キャノンフォトギャラリーと廻って会場に着くとすでに大勢の人たちでごったがえしていた。日本写真企画の石井社長をはじめ顔見知りの人たちが見えていた。懐かしかったのは若い頃、僕が会長を務めていた「ラテンアメリカ交流グループ」という250名ぐらいが参加していた団体があったが、そこの役員をしていたTさんが来てくれていた。彼女は当時、ロイター通信社の経済部記者をやり、その後写真部記者もやった。現在はある新聞社のモスクア支局の記者などを務めた夫と間に生まれた2人の子の母をしながらも辣腕経済記者として活躍している。通称「ラテ交」には若い新聞記者、出版編集者、俳優、映画人、フリージャナリストなどさまざまな人たちが集まっていてユニークな企画を実現し、ラテンアメリカの情報満載の機関誌「アルスール」も定期発行していた・・・・・・・。若き日のとても楽しかった思い出である。

場所を移してのオープニングパーティには、在日中国大使館から3人の書記官が参加するなど出品者もふくめて賑やかであった。僕は少し早めに失礼したが、結局のところ会長の烏里烏沙君に電話で呼び出されて2次会に着き合わせられるはめとなってしまった。2次会では来年も引き続き写真展をやることで大いに盛り上がっていた。

 

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11日は写真研究会「風」の2010年最後の例会だった。午後1時からの合評は、名古屋から参加している平元君をはじめ森さん、並木さんと遠方の同人会員たちの参加が多かった。鈴木事務局長、塩崎編集長も参加した。平元、森、鈴木さんの3人はライフワークで撮影しているそれぞれの作品を持ってきた。平元君は新たに取材を開始した沼と河川の写真も持ってきて好評だった。少し遅れて参加した塩崎君は、この夏取材した台湾の海洋少数民族の写真を6~700点ほどパソコンの画面でみせた。村に伝わる伝統行事をその風土を織り交ぜながらスライドにしたものだ。ネット社会と言われる現代においても祖先が残した文化・風習を若者たちが受け継いでいる姿がドキュメンタリー手法で捉えられており印象的だった。僕が20~30代初めの頃に撮影した「都会の安息」シリーズの一部と来年2月発行予定の「石川啄木への旅」の作品プリントを見せた。終了後、「風の忘年会」だったので三軒茶屋の「味とめ」に席を移した。途中、吉田会員が先日取材に行ってきたミャンマーの作品を持ってきた。昨年のインド取材の時の作品よりも数段いいとみんなの評だった。名古屋学芸大を今年卒業して東京にきたHさんは作品を抱えて飛び入り参加し、みんながその作品に刺激を受けていた。写真家の烏里烏沙君も銀座の写真展を終えてから駆けつけてくれて、会は11時まで大いに写真談議で盛り上がったのだった・・・・・・・・。

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大雪の節も過ぎ、いよいよ世間は師走本番といった感になった。巷の人々はすでに新しい年に向かって一斉に走りはじめているようなあわただしさが街に漂っている。しかし、僕はこんな歳暮だからこそ、自らの1年間をじっくりと振り返るいいチャンスなのではないかと思っている。ここ5~6年の間、僕は忘年会などには極力出席しないようにしていた。参加してもせいぜい1~2回にしていたが、今年はすでに決まっているだけでも10回はある。トホホ・・・・・出費も馬鹿にならないさ~。みな断わりずらいものばがりである・・・・。プラスさまざまな写真賞の受賞式と祝賀パーティーなどが重なっている。とても全部には付き合いきれるものではない。それでもこの間、第35回伊奈信男賞、第12回三木淳賞、第7回名取洋之助写真賞、第36回日本写真家協会賞の受賞式・パテイーには顔をだした。昨年、一昨年は海外取材に出ていたので、3年ぶりだった。今年の伊奈信男賞、三木淳賞受賞作品は正直あまり感心しなかった。

明日、12月10日から16日まで、エキジビションサロン銀座(03-5638-2213・銀座ファイブ2F)で「チベット山岳写真協会第2回写真展ーチベットと周辺の自然と暮らし」が開かれる。僕も顧問になっているので「風」をモチーフにした作品2点を出品している。ぜひ、銀座方面にお出かけの際は、覗いていただければうれしいです。昨日、日本写真家協会会員懇親会で懐かしい写真仲間に多く会って、しばし語りあった。会終了後、大分県から上京した写真家の高見剛さんや、北海道から参加した伊丸岡秀蔵さんたちと7人で飲んだ。高見さんは写真集の出版のために上京してきたのだという。山と渓谷社で決まりそうだと言うので乾杯をした。彼とは以前に湯布院で写真展をしたときにずいぶんとお世話になった。「日本の基地」の取材のときも一緒に同行してくれた古くからの友人である。またかって日本写真家協会の理事を何期か一緒にしたことがある伊丸岡さんが現在、中国の西北大学をはじめ5つの大学の講師をボランテアで務めているというのには驚いた。どの大学も西安周辺なので北海道から月1回ペースで通っていると言うのだから大変だと思った。

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師走のこの時期は確かに街や人々はせわしくなるが、「日本お布施党・党首」!?・・・・の僕にとってはとてもありがたい季節でもある。それはお歳暮という日本の美しくもありがたい習慣によって全国の友人、知人のみなさんが美味しい酒や食べ物などさまざまな物を貧乏写真家の僕に送ってくれるからだ。ただ、ただ感謝するばかりである・・・・・・。  岡山のHさん、大きな美味しいマスカットをたくさんありがとう。  東京のFさん、缶ビールのケースありがとう。  名古屋の写真家のHくん、フランス革命の年に創業したさぬきの醤油の詰め合わせ、いつも美味しくいただいているよ。  長崎の写真家Yくん、長崎名物の角煮まんありがとう。  福岡のTくん、毎度僕の大好きなかねふくの辛子明太子ありがとう。  高松のSさんも僕が日本一うまいと太鼓判を押す石丸のさぬきうどんを大量にありがとう。母にもいつもおすそ分けをしていま~す。  横浜のKさん鳩サブレーありがとう・・・・・・・・・。  とりあえずこの場でみなさんにお礼をしておきます。こころから感謝!!  合掌

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昨日は、写真研究会「風」のメンバーと写真展めぐりをした。最初に見たのは、今森光彦写真展「地球いきものがたりー小さな生命に出逢う旅」。品川のキヤノンギャラリーSで今月18日まで開催している。全4倍以上に引き伸ばされたプリントが並ぶ会場は圧巻ではあったが、なにか大味すぎるきらいがあった。彼の海外取材の傑作選のような気もした。「地球は、生命という循環があるから美しい。」というテーマは展示されている写真からは僕には伝わってこなかった。今森君とは2005年度の日本写真協会賞年度賞をともに受賞した仲だが、彼は以後一層メジャー街道を驀進している。僕はといえば相いも変わらずにマイナー路地裏を徘徊しているありさまである・・・・・・。

 

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次に向かったのは、六本木の富士フイルムフォトサロンで開かれているAPA創立50周年記念写真展「Made in Japanー現代を代表する226人の写真家が捉えた日本」だ。僕も依頼があったので、「琉球・OKINAWA-平和の礎」を出品した。主な出品写真家は、田沼武能、竹内敏信、田中光常、木村恵一、白旗史朗、テラウチマサト、Baku斉藤、須田一政、海野和男、芳賀日出男、芥川仁、水谷章人、南川三治郎、桑原史成、丹地敏明、杵島隆、織咲峰子、熊切圭介、橋口譲二、栗原達男、細江英公、中谷吉隆、木下晃、立木義浩、大石芳野、管洋志、沼田早苗の各氏ら226人である。こうしたそうそうたる写真家たちがAPA創立50周年を祝うために作品を提供して協力したのにもかかわらず、展示方法があまりにひどかったのにはがっかりした。特に作品の近くに撮影者を明示していなかったのには驚いた。会場の隅と置いてあるチラシには撮影者名があったが、展示作品の所に作者名がなければほとんど意味をなさないと思った・・・・・・。(12月17日~24日まで同サロンの大阪会場で巡回展) その後、マガジンハウスから出版した同名の写真集(3800円)はきちんとした物で、作者のコメントも日本語と英文で載せてあり、APA創立50周年にふさわしい出来であったと思った。

☆APAとは社団法人日本広告写真家協会の略称

 

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すっかり日が暮れてXマスのシーズンが近づいたのか六本木の街路樹にはイルミネーションが灯りはじめていた。最後に向かったのは千代田路子写真展「Abyss of time」だ。四谷のトーテムポールフォトギャラリー(03-3341-9341)で、今月5日(日)まで開いている。千代田さんは「風」のメンバーなのでこの日、有志でささやかなお祝い会を計画していた。写真は彼女のモチーフである日常の光景のなかから「生死感ーそして再生」というテーマに挑んだものだ。やや消化不足と言う面もあったが全体としては見ごたえのある写真展だった。千代田さんの独特な感性にさらに研きをかけていってほしいと思った。「風」のメンバーは鈴木紀夫事務局長、塩崎亨編集長と菱山忠浩元会員が集まった。(株)タムロンの広報・宣伝課のYさんと新宿二コンサロンで個展「The long and winding road」を6日までを開催している古賀無太郎君も参加した。会場近くの韓国居酒屋でマッコリとケジャンなどオール韓国料理で写真談議が大いに盛り上がった。飲み足りな~いとさらに2次会へ繰り出したのは言うまでもないね。このメンバーでは・・・・・・・・。

歳月の流れるのは誠に早いもので、もう今年も12月。つまり師走だ。極月や春待月ともいう。11月29日から昨日の2日まで上州の地をふたたび訪ねていた。亡き父の妹の横浜に暮らす83歳の伯母を連れての里帰りである。僕にとっては、父であり祖父母だが、伯母にとっては父母であり、兄や弟たちの遺骨が納まっている小松家の墓参がその大きな目的であった。待ち合わせ場所で会うことができず、伯母は高崎駅前の交番でお世話になるなどハプニングもあって、予定時間を2時間余り上回ったが無事に弟の修二が板長をしている伊香保温泉・金太夫に着いた。夕食前には保険会社を経営している一番下の弟の勝三が母を連れて到着した。勝三の連れ合いは急に熱がでて来れなくなったったが修二の嫁は参加して賑やかな夕食会となった。金太夫は伊香保温泉の老舗旅館として知られていて、古い歴史を誇っている。また多くの文人にも愛された湯である。作家・林芙美子の名作『浮雲』にも登場する旅館だ。久しぶりに母、伯母を囲んでの兄弟水入らずでゆっくりと飲み、語り明かした・・・・・・・。

 

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翌11月30日は弟たちは仕事等でそれぞれ帰り、僕が修二の嫁の車を借りて母、伯母と墓参りに行くことになっていた。折角だからとまず、榛名湖へ向かった。伊香保からはすぐ近くだ。海抜1000メートルを越す榛名湖は紅葉はすでに終わり、すっかり冬支度の風景となっていた。後ろにたなびく赤城山も谷川岳をはじめとした上越の山々も雪化粧はじめていた。湖面には風ひとつなく初冬の榛名富士が綺麗に写りこんでいた。竹久夢二の「さだめなく鳥やゆくらむ青山の青さびしさかぎりなければ」の歌碑の前で写真を撮った。湖畔の茶店で暖かいコーヒーを飲んでから榛名神社の参拝へ向かった。この神社は用明天皇元年(585)年の創建と言うから確かに古い。神仏習合が古くから定着していたので修験者たちの修業の場としても位置づけられいた。だからいまでも参道は厳しい。国指定重要文化財の本殿まで辿り着くのは容易なことではない。まして83歳と82歳の御歳である。それでもこれが最後になるだろうと山門をくぐりゆっくりとのぼり始めたのだ。僕も「榛名神社は最近とくに開運の運気が強いスポットとして有名だよ。きっとご利益があるさ~」などと言って励ましたのだ。2時間弱かかったが、2人とも無事お参りを済ませて下山したのである・・・・・・。

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家に寄り線香やお水、庭に咲いている花々を摘んで、まずは母親の本家にあたる上田家の墓所へと向かった。母の父母をはじめ兄弟たちが多数眠っている場所だ。母の兄弟はここ数年でつぎつぎと亡くなり6歳年上の姉ひとりとなってしまった。父方の伯母の方は、この8月に87歳の姉が亡くなり、だれもいなくなってしまったのである。伯母は僕にできることなら父母や兄と一緒の墓に入りたいのだが・・・と相談をしていた。母や兄弟とも話あったが、みな快く承諾してくれたので伯母はとても喜んでいた。その墓参りを3人ですませて、今夜も泊まる伊香保温泉に戻った。次の日は実家に泊まることになっていたので修二が送ってくれた。昼食は近くにある手打ち蕎麦の旨い店に行った。この主人は陶芸もやるので出す器はすべて自分の作品という贅沢なものである。僕は伯母から小松家の家系についてできるだけ話を聞こうと思っていたので、たっぷりとインタビューしたのだった。後は僕の田舎での日課である犬の五右衛門の散歩。途中、一度僕の手から逃げ出したが、近所の青年が追いかけて捕まえてくれた。僕ではとてもおいつくことが出来なかったのでありがたかった。 帰る日には勝三が来てくれて山へ水を汲みにいったり、母の手料理の昼飯を一緒に食べた。そして渋川駅まで車で送ってくれたのだった・・・・・・・。 みなに感謝!! 合掌!!

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