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[no.225] 2010年10月24日 自宅前の土地から縄文時代前期の7000年前の住居跡が発掘される。9000年前~2000年前に使われていた土器の破片も・・・・・・。

 

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若い頃は、どんなに飲もうが食べようが胃が痛くなるようなことは経験したことがなかった。しかし最近はときどき胃の痛みやムカつきを覚えるようになった。ここ数日胃のムカつきと鈍い痛みがとれない。一昨日はそういうこともあって僕にとっては数ヶ月ぶりに酒を一滴も飲まなかったのだが、今日も朝から胃が重い。土佐で夜中に突然胃が刺し込み何度か吐いたことがあったが、それからかもしれない。もう齢ということなのかもしれないな。考えてみれば後、2年足らずで還暦を迎えるのだから・・・・・。今日は寒いこともあり、いま安かった玉葱をそのまま大量に使ったスープを作っている。胃にもやさしいスープだ・・・・・・。

さて話は変わるが僕がいまの土地を購入して家を建てたのは30数年前、その頃ののどかな風景はこの10数年の間に激変した。家の前は麦や里芋の畑が広がり、その先は谷になっていて小川湧きでていて子どもたちの遊び場、そしてその背後にはむさし野の面影をのこす林が広がっていたのだ。僕の大好きな散策コースであった。それが今はつぎつぎに開発されて住宅が立ち並んでしまった。小川が流れていた谷も大きな木が繁っていた林もである。そして僕の家の前の畑だった所が駐車場になり、その駐車場が突然宅地開発されることになった。その工事が7月1日から始まることになっていたが、さすがに僕は黙っているわけにはいかなかった。その後、開発する地元の業者や市の建築課や市議会議員などを巻き込んでいろいろな騒動があったのだがここではまだその顛末を書くことはやめておこう。ただ、昨年多くの市民の声を聞き、ようやく開発事業や手続き関する市の条例が施行されたばかりであったが、この条例に違反する疑いがあったので、市の建築課などに厳しく指摘したのである。

その甲斐あってまず、教育委員会が文化財についての調査をすることになった。そうしたら僕の家の前から約7000年前、縄文時代前期の住居跡が発掘されたのだ。さらに9000年前~2000年前の土器の破片、大きな水路と思われる跡などもつぎつぎと発掘されていった。僕はそれをみていて何か大きな歴史的なロマンを感じて写真を撮ったのだった。だってそうではないか、僕が住んでからはわずか30数年だがその9000年前から僕が今住んでいる土地に家族が暮らしていたのである。実はこの辺りは30000年前から人々が暮らしていたという事を証明する石器や火を使った跡などが発掘されているのだ。僕は単純にうれしかった。そして宅地開発工事に対してだまってなくてよかったと思った。もし、文化財の調査がされていなければ、この地に7000年前から暮らしていた人々の歴史が誰にも知られないままに埋もれてしまっていたからだ。少なくとも僕が目撃して写真を遺したし、市の教育委員会でもレポートを作り、発掘された資料は保管されるという。本当に小さな市民の声ではあるがやはりこうした声は大切なことだとつくづくと思ったのである・・・・・・・。

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