写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

[no.184] 2010年7月16日 「鳳統祠」、「閬中古城」、「張飛廟」、「成都大熊猫飼育研究所」など巡る。そして”三国歴史遺跡を探訪しながら蜀国をゆく旅”を終えた・・・・。

朝、8時半には成都のホテルを出発。一路、ロウ中へ。途中、德陽にある三国遺跡の鳳統の墓のある鳳統祠に寄った。ここを訪ねるのはこの3年の間に3度目となるが来る度に、整備され観光化の波が押し寄せているのを感じる。清代の建物と金牛古道の石畳の道がなんとも風情があったのだが、これも時代の移り変わりでしかたのない事なのかもしれない。綿陽で昼食をとって、張飛が命がけで守り、愛した町、ロウ中へと車を走らせた。夕暮れのロウ中の町は、嘉陵江のゆったりとした流れに囲まれていて雰囲気があった。夕食は今回初めて食べる「火鍋」にした。しかしあの激辛の出汁でなく、辛さを押さえたスープにして、具材は茸類と野菜、それに張飛牛肉の生もの。これがまた柔らくて旨味がある。みんな青年のようにバクバクと食べた。

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翌日は、一日ロウ中古城のなかをゆっくりと歩いた。午前中は、張飛廟を参拝し、中天楼に昇ったりして古城の概観をつかんでもらった。古城のなかで昼食をとってから自由行動にした。嘉陵江の船に乗るもの、足のマッサージをするもの、お土産を買うものなどそれぞれ散策を楽しんだ。僕は街の真ん中にそびえる張飛像を撮りに行った。そして大きな書店があったので見てまわった。午後7時から夕食に行くことになっていたのでホテルに一度戻り、シャワーで汗を流した。夕食は回族の店で、イスラム料理。昨日一緒に食事した地元の有力者がご馳走してくれたのである。烏里君の弟さんの軍隊での同期だという。四川料理とは違う味付けにみんなで舌鼓を打った。この町は日本人には知られていないが、中国に残る古城のなかでも一番歴史があり、美しいものだと思う。何より観光化されてなく、生活がそのまま古城に溶け込んでいるのがすばらしい。「何で世界文化遺産にならないのか・・・」と参加した人たちが言っていたが、僕は世界遺産になんかならない方がいいと思った。それは、雲南省の麗江古城などの変貌を見ているからである。昨年12月に一緒に来た「風」同人の鈴木紀夫さんから写真を預かってきていたので、モデルになってくれた人たちを探し、写真を渡して歩いた。みな、最初はビックリしていたが自分が写っているとわかるととても喜んでくれた。

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旅の最終日前、一昨日来たコースとは異なる道で成都へと向かった。途中の南充は、歴史書『三国志』の著者である陳寿(233~297)の故里を通った。僕らが一般的によく読んでいるのは、14世紀に羅貫中の小説『三国志演義』である。正史といわれる『三国志』はあまりなじみがないが、僕は陳寿の方が好きである。成都で昼食を食べてからこの旅、最後の見学となる「成都大熊猫飼育研究所」を訪れた。実は僕は成都へもう20年前から通っているのにもかかわらず、一度もパンダを見たことがなかった。広大な深い森のなかにパンダたちは愛くるしい格好で笹をひたすら食べていた。間じかで9頭見ることができたが、何時間見ていても飽きない可愛らしさがある。蒸し風呂みたいな天候であったが、200カットほど撮影をした。この旅のなかで一番集中して撮影したかもしれない。ホテルに戻り、近くはチベット族の店が多いのでみな、またお土産を求めて駆け巡っていた。ホテル内のチベットの土産店の女子が可愛らしい子猫を抱いていたのでパチリ。最後の夕食を済ませた後、疲れが全身にたまっていたのでフロントに頼んでマッサージ師を頼んだ。やって来た子は、まだあどけなさが残る女子。でもさすがにマッサージはうまかった。記念に写真を撮ったら「一路平安  劉清平」と紙にかいて僕にくれた。明日早朝、日本へ帰国すると筆談したのでわかったのだろう。「サイチェン!!」と握手をして別かれた。成都の最後の夜は、思い出をたくさんつめてぐっすりと眠れたのだった・・・・・

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☆写真キャプション☆成都の2日目の夕食と最終日の夕食を共にしてくれたチベット人の美しい母子が写真に登場するが、実はこの親子は、案内役の烏里烏沙君の遠い親戚の人。少数民族の人たちは、家族や親戚などのつながりをとても大切にする。この10月に彼女の故郷で、50年に一度の大きな行事があるという。「ぜひ、写真を撮りにいらしゃいませんか、ご案内します」と誘われた。

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